ページ番号1044737 更新日 令和6年2月15日
このたびの石川県能登地方を震源とする令和6年能登半島地震により、亡くなられた方々のご冥福と被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災地の皆様の安全確保と、被災地の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
さて、本日ここに令和6年第1回定例会を招集いたしました。
本定例会では、当初予算7件、補正予算6件、条例の一部改正12件、その他の議案5件の合計30件についてご審議いただきますので、よろしくお願い申し上げます。
市政に関する報告および提案理由の説明に入ります前に、本市の市政経営における基本的な考え方と所信の一端について申し上げます。
去る2月1日、私は流山市からの災害見舞金と1月31日までに本市に寄せられた義援金および市内小中学校の児童・生徒が集めた義援金、ふるさと納税の代理寄附分合わせて4,325万円の目録を大森町長へ手渡しするために能登町を訪問しました。
大森町長からは、義援金の御礼をはじめ、能登町の震災状況や復興に向けてのお話を伺いました。
本市から能登町へ応援のために派遣した職員からの報告で、多数の家屋の倒壊や土砂崩れ、道路の崩壊や隆起による片側通行など、被災地の状況は聞いておりましたが、能登町白丸地区の地震・津波・火災による被災現場を訪れ、発災から一カ月が経過したにもかかわらず想像を絶するほどの悲惨な状況でありました。
去る1月28日早朝には東京湾を震源とする最大震度4の地震がありました。地震はいつ起こるかわかりません。流山市で今できることから準備し、備えを強化しておく必要があります。
流山市において甚大な被害をもたらす地震が発生した際の指揮系統や災害対応について改めて確認し、避難所開設から一連の適切な対応と市民への情報提供に努めてまいります。また、今年度の予備費を使用し、能登町へ届けた備蓄品の補充を行ってまいります。
その上で、私は来年度も引き続き、「緑豊かで良質な住環境」「快適な都市環境」、「安心の長寿社会」「質の高い子育て・教育環境」を創出し、全ての方に「住み続ける価値の高いまち」流山を目指して、市民や民間企業をはじめ、議会や関係機関の協力を得ながら市政を着実に前進させてゆく所存です。
はじめに、病床の確保について申し上げます。
本市の急激な人口増加に伴い、相対的に市内の病院の病床数の割合が低下し、人口10万人当たりの急性期病床数が東葛5市の中で最も少なく、人口に相応した病床数の確保が求められています。
現在、市内の北部地域では、都内の医療法人社団六医会が令和8年中の病院開設を目指し、建設に向けた行政手続等を進めています。
また、東部地域では、医療法人杏林会が病院立地に向けて、千葉県が公募する病床の整備計画に応募しており、病床配分の決定について結果を待っている状況です。
次に、流山インターチェンジ周辺の大規模土地開発について申し上げます。
市北西部の新川耕地における物流施設は、民間事業者により計画されていた全ての施設が昨年6月末に完成しました。国内でニーズの高い、物流に特化した産業用地を確保し、約1万人の従業員が働いており雇用の創出に大きく貢献していただいております。
さらに、常磐自動車道流山インターチェンジの西側において、民間事業者により、新たに大規模な物流施設と日本最大級のウェーブプールを中核とするスポーツ・レジャー施設が計画されています。
本市の更なる発展に貢献していただけるものと考えております。
次に、南流山駅周辺のまちづくりについて申し上げます。
南流山駅周辺では、南流山駅周辺のまちの魅力を高めるための基本的な考えと具体的な方策を示した「南流山駅周辺地区まちなみづくり指針」を策定し、2月29日に公表いたします。
この指針に沿って建てられた建築物に対する補助制度を5月に開始する予定です。
続きまして、令和6年度予算編成について申し上げます。
去る令和5年10月2日、私から各部局長に対し、令和6年度予算編成方針の中で以下の3点について指示致しました。
まず、令和6年度は中央消防署移転事業などの大規模事業による投資的経費の大きな支出が見込まれるほか、人口増を背景に、子育て・福祉・高齢者などの市民サービスを維持する経常的経費も増加し続けていることから、多様な市民ニーズを的確に把握し、必要性を精査した予算措置を行うこと。
次に、資材等の物価や人件費が高騰し続ける中、事業の内容および優先順位を見直しの上、真に必要な予算のみ計上するよう歳出削減を行うとともに、補助金などの財源を最大限活用し、健全財政維持に努め、全職員が合理的かつ効率的な事務執行を心掛けること。
さらに、本市の財政状況等を十分認識した上で、部局の最高責任者として適切なマネジメントを行い、責任を持って予算編成に臨むこと。
以上の点に留意して、査定において事業と金額を精査してまいりました。
その結果として、令和6年度流山市一般会計歳入歳出予算総額は、829億1,000万円で、前年度予算額856億1,300万円と比較して、27億300万円、3.2%の減額となりました。
また、各特別会計および上下水道事業会計を合わせた予算総額は、1,289億9,102万1千円で、前年度と比較して、22億8,080万5千円、1.7%の減額となりました。
続きまして、具体的な施策の展開として、令和6年度主要事業について、総合計画の施策体系ごとに申し上げます。
はじめに、「安心・安全で快適に暮らせるまち」について申し上げます。
防災については、要配慮者や女性など多様性に配慮して、子ども用・大人用それぞれの紙おむつや生理用品等の備蓄品、感染症対策として、プライベート空間確保のための災害用テントや衛生的な簡易トイレ等の資機材を購入してまいります。
また、防災施設の拡充を図るため、引き続き、文化会館にマンホールトイレと太陽光照明を整備してまいります。
消防・救急については、令和6年度中の竣工を目指し、消防本部・中央消防署の庁舎移転に向けた整備を進めてまいります。
同時に、救急隊員や、より高度な救命処置が施せる救急救命士、救急救命士を指導する指導救命士を養成し、救急業務に関する知識や技術の向上を図ってまいります。
防犯については、引き続き、防犯カメラの設置・管理を行うとともに、流山市民安全パトロール隊や自主防犯パトロール隊の防犯活動を支援してまいります。
地域コミュニティ・市民協働については、市民活動推進センターが各団体や企業、行政関係部署をつなぐ架け橋として、市民の皆さまの活動を後押しして、市民の知恵と力をカタチにする環境を整えてまいります。
次に、「生きがいを持って健康・長寿に暮らせるまち」について申し上げます。
健康・医療については、令和6年度から新型コロナウイルス感染症の予防接種が予防接種法のB類疾病に位置付けられ、定期接種として実施することから、流山市医師会協力のもと、円滑に接種できる体制の構築に努めてまいります。
また、本市の急激な人口増加による医療ニーズの増大に対し、本市の休日および夜間の小児救急等、医療体制の更なる構築が課題となっています。よって、医療提供体制の確保を図るため、平日夜間・休日診療所および小児が夜間の急病時に安心して受診できる体制づくりに向け、流山市医師会と相談し、取り組んでまいります。
生涯学習については、利用者が安心・安全に施設を利用できるよう、生涯学習センターおよび南流山センターのエレベーター更新工事を行ってまいります。
また、コミュニティプラザ体育室および生涯学習センター体育館のエアコン設置工事を行い、市が管理する全ての指定避難所の快適性向上を図ります。
さらに、市内保育所等の子育て関連施設に「乳幼児向けブックセット」を設置することで、子どもの読書環境の整備を支援してまいります。
文化芸術・歴史については、国登録有形文化財である「秋元家住宅土蔵」の令和7年度中の公開に向けて、保存修復工事を継続してまいります。
また、利用者が安心・安全に施設を利用できるよう、おおたかの森ホール正面にある創造の森の芝生の修復を実施致します。
スポーツについては、総合運動公園庭球場の1面から4面の人工芝の張り替え工事を行うとともに、流山スポーツフィールドA面の人工芝化および照明施設の設置について、令和8年度の供用開始を目指し、令和6年度は設計を行い、スポーツ環境の充実を図ってまいります。
次に、「良質な住環境のなかで暮らせるまち」について申し上げます。
みどりの保全については、公園や緑地、街路樹等が増加することに伴う公園施設の修繕対応件数や樹木剪定依頼の増加に効率的に対応するため、公園維持管理システムを導入し、より適切なみどりの保全に取り組んでまいります。
市街地整備・景観については、江戸川台駅の駅前広場は令和10年度、ジェトロ跡地は令和9年度の供用開始を目指し、引き続き、江戸川台駅東口周辺地区の再整備を進めてまいります。
また、引き続き、流山おおたかの森駅周辺の西口と南口を繋ぐセンター地区道路の整備を進め、歩行者の安全性確保とともに、回遊性と賑わいを創出するウォーカブルなまちづくりを進めてまいります。
道路については、令和5年度に導入した道路維持管理システムを活用し、道路の補修履歴や市民から寄せられた劣化や破損等の情報を一元管理することで、迅速な道路の維持補修を行ってまいります。
河川・排水については、雨水排水施設や水路、調整池が増加することに伴う修繕対応件数の増加に効率的に対応するため、雨水排水維持管理システムを導入し、市民生活において必要な雨水排水施設の機能を確保してまいります。
また、令和6年度の供用開始に向けて、利根運河眺望の丘付近に飛び石橋や観光トイレ等を整備し、利用者の利便性向上や利根運河沿川の回遊性の創出を図ってまいります。
交通については、令和7年12月の供用開始に向け、引き続き、初石駅の橋上駅舎および自由通路、東口駅前広場の整備並びに西口駅前広場の暫定整備を進めてまいります。
加えて、西口駅前将来構想の実現に向け、協議を進めるとともに基本設計に着手してまいります。
生活環境については、ゼロカーボンシティを目指し、個人住宅への太陽光発電設備や蓄電池等の設置のほか、集合住宅や事業所への太陽光発電設備の設置に対し補助を行ってまいります。
廃棄物については、令和7年度の工事完了に向けて、ごみ焼却施設の延命化に伴う基幹的設備の改良工事を行ってまいります。
次に、「賑わいと魅力のあるまち」について申し上げます。
地域経済については、エネルギー価格および材料費の高騰等、社会・経済情勢が変化する中、持続的な経営に向けて販路拡大等を目指す事業者の取組みにおける経費の一部に対し、補助してまいります。
また、就労の支援として、ハローワーク松戸と連携した求人情報の提供、職業相談・紹介や専門の資格を有したキャリアカウンセラーによる就職個別相談を継続してまいります。
ツーリズムについては、流山版DMOである株式会社流山ツーリズムデザインと官民連携の観光地域づくりの推進およびDMOの経営改善をともに取り組んでまいります。
また、白みりんミュージアムの令和6年度末の開館に向け、引き続き整備を行ってまいります。
次に、「誰もが自分らしく暮らせるまち」について申し上げます。
高齢者福祉については、高齢による認知症等により判断能力が不十分な方の権利を守る成年後見制度の推進を図るため、流山市成年後見制度利用促進基本計画に基づき、知的、精神障害のある方を含め個人の権利を擁護する支援を行ってまいります。
また、市独自に行っている介護職員等処遇改善事業補助金の対象に介護支援専門員を加えるなど、引き続き介護人材不足の解消に努めてまいります。
さらに、高齢者が地域で自由に通える場として民家等を活用した「高齢者ふれあいの家」を開設する個人や団体に対し、継続的な支援に努めるとともに自治会、NPO法人等に働きかけ2カ所の新規開設に努めてまいります。
障害福祉については、障害者が住み慣れた地域で暮らしていけるよう、基幹相談支援センターおよび障害者相談支援事業所の人員を増員し、相談支援体制の強化を図ります。
また、公立の流山市児童発達支援センターについては、障害児相談支援や通所施設での医療的ケア児の支援強化を図ります。
地域福祉については、新たに、生きづらさ包括支援事業として、既存の分野別の高齢や障害、子ども、生活困窮といった福祉制度に当てはまらない狭間やいくつもの分野にまたがった支援ニーズに対応するため、各相談機関の円滑な連携体制を構築するとともに、支援が必要だが自ら相談できない方や、相談に来られない方には、ご自宅へ出向くアウトリーチ型の支援を行い、地域の中での居場所づくり等生きづらさを抱える市民を一人でも少なくできるよう取り組んでまいります。
同時に、孤立死の防止と災害時の支援のため、地域における日常的な支え合い・見守りを推進してまいります。令和6年度からは、避難行動に支援が必要な方1人ひとりの避難行動を定めた個別避難計画の作成を進めてまいります。
次に、「子どもをみんなで育むまち」について申し上げます。
子ども・子育てについては、新たに「(仮称)要配慮児童保育コンシェルジュ」を設置し、保育所入所申請時に心理士による事前面談や入所後に巡回支援によるフォローを行います。また、私立保育所等が障害児等を受け入れた際に、人数に応じた加算措置や施設の改修費用の補助を実施することで、障害児等の受入れを促進してまいります。
また、子育て中の親子がいつでも気軽に交流・相談できる、ひろば型の地域子育て支援拠点を、保育所以外のより身近な場所に設置してまいります。
学校教育については、児童・生徒数の増加に対応するため、おおぐろの森小学校および常盤松中学校において、教室不足が生じないよう、校舎増築を検討してまいります。
また、学校施設の老朽化対策として、江戸川台小学校を全面的にリニューアルするため、令和8年度の工事完了に向けて着工するとともに、既存小学校の教室ロッカーの改修を継続して進めてまいります。
最後に、行政経営について申し上げます。
令和6年度から、市民の方が自宅のパソコンやスマートフォン等からインターネット経由で24時間365日、市への申請・届出を行うことができ、自宅等で証明書が受理できるいわゆる「行かない窓口」を推進し、市民の方の利便性の向上や負担の軽減に取り組んでまいります。
以上、令和6年度に実施を予定する具体的な施策として、
主な事業についてご説明させていただきましたが、それ以外にも多くの事業があります。
これら実施を予定しているすべての事業が、市民生活や市民福祉の向上のために、必要であり重要な事業と考えています。
先人から受け継がれた流山市のさらなる進展のため、住み続ける価値を高める市政経営に全力で取り組んでまいる所存です。
市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げ、令和6年度の市政経営に臨む私の方針といたします。
総合政策部 秘書広報課
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