令和5年流山市議会第1回定例会


ページ番号1040388  更新日 令和5年2月21日


施政方針

 本日ここに令和5年第1回定例会を招集いたしました。
 本定例会では、当初予算7件、補正予算6件、条例の新規制定1件、条例の一部改正11件、その他の議案1件の合計26件についてご審議いただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 市政に関する報告及び提案理由の説明に入ります前に、本市の市政経営における基本的な考え方と所信の一端について申し上げます。

 はじめに、新型コロナウイルス感染症に対する市民の皆様の感染予防へのご協力に感謝申し上げます。
 また、医療従事者の皆様をはじめ、介護施設や子育て・教育施設等において感染対策に尽力されている関係者の皆様に、深く敬意を表しますとともに、心より感謝を申し上げます。

1. 子育て・教育施策

 令和5年1月1日、本市の人口は20万9千人を超えました。
 また、本市では年間2,000人以上の子どもが新たに出生しています。合計特殊出生率も令和3年時点において全国平均1.30、千葉県平均1.21に対し、本市は1.56と、県内の市では最も高い状況にあります。

 このような状況下において、本市はこれまでも保育所や学校等の整備に力を入れてきました。保育所は平成22年から令和5年4月までの間に17園から102園と6倍に増設、定員は1,789人から8,674人と4.8倍に増員する予定です。
 これらの取り組みにより、令和3年4月に本市は国の基準による待機児童ゼロを達成、令和4年4月も待機児童3名と低い水準を維持しています。引き続き、障害児や医療的ケア児等の配慮が必要な子どもを含め、保育を必要とする全ての子どもが入園できる環境を目指してまいります。

 小・中学校の整備については、令和6年4月、東洋学園大学旧校舎を活用した新しい「南流山中学校」と、(仮称)南流山第二小学校、(仮称)市野谷小学校の3校を同時に開校すべく、準備を進めているところです。
 さらに本年は、既存校の校舎の老朽化対策に着手します。江戸川台小学校から順次、校舎等のリニューアルを計画的に進め、安全で快適な校舎整備を進めます。

 教育の質を向上させるためには、学校の整備等ハードウェア面の対応と同時に、ソフトウェア面の充実が必要不可欠です。
 本市では、様々な教科で担任を補助し、広く児童・生徒の指導や支援を行う、市独自の「学校サポート教員」「学校サポート看護師」など10種のサポート教員を288人配置しており、今後さらに増員してまいります。また、児童・生徒がその日の心の状態を「晴れ・曇り・雨・雷」などの天気になぞらえてタブレット端末に入力し、教員が速やかに把握・対応を行うためのシステム「心の天気」を千葉県で初めて昨年4月から導入しています。
 さらに今後は、特別な支援を要する児童・生徒など一人ひとりに寄り添った支援のあり方について指導や助言等を行う「特別支援スーパーバイザー」を新たに設置するなど、障がいの有無などに関わらず、共に学び、共に育つ、インクルーシブ教育の推進を目指します。
 本市は今後、全ての子どもに質の高い教育環境を整えてまいります。

2. 病床の確保/多様性の尊重

 人口の大幅な増加に伴い、相対的に病院の病床数の割合が減少しています。本市は人口当たりの病床数が東葛6市の中で最も少なく、人口規模に対応した病床数の確保が求められています。
 本年は、流山市医師会のご理解を得ながら、北部地域及び、さらに市内1地域に病院の立地促進を図ってまいります。

 また、これからの自治体は、市民一人ひとりが、性別等、年齢、障害の有無、人種、国籍等の違いに関わらず、自分らしさを発揮できるまちであることが重要と考えます。
 市と市民等が協力して多様性を尊重する社会を推進し、互いを理解し、違いや個性を認め合い、個々の人権を尊重し、自分らしく暮らせるまちの実現を目指すために、本市は「流山市多様性を尊重する社会の推進に関する条例」の制定を目指します。
 本件制定については、今定例会に議案を上程しております。
 後程、提案理由を説明させていただきます。

3. 進化を続ける街並み

さて、本市は、市のイメージに合致した集客力の高いイベントや、地域資源を活かしたツーリズムを推進し、過去の「人・モノ・お金が流出する街」から、「人・モノ・お金が集まる街」へと変貌しました。

 この本市ツーリズムにおける大きな柱のひとつが、流山本町地域です。
 古民家再生プロジェクトでは、令和4年度に3店舗が新規オープン、1店舗が移転リニューアルしました。令和5年度も新たに数店舗の開店が予定され、流山本町の今後のさらなる活性化が期待されます。
 さらに、流山本町地域発祥の特産品「白みりん」をテーマにした新しい施設として、令和6年度の開館に向け「白みりんミュージアム」の整備を進めています。
 流山本町のツーリズムに関しては、今後も地域の皆様や来訪者の方々などから意見を伺いながら推進してまいります。

 一方、江戸川台駅、初石駅、南流山駅の周辺においては、地域ごとに特色ある新たなまちづくりを進めています。
 江戸川台駅では、商店街や北部地域の方々の意見を伺いながら策定した「江戸川台駅東口周辺地区エリアビジョン」に基づき、駅前広場の再整備、令和2年2月に取得したジェトロ跡地の活用及び商店街の再生に向け、商店街と共にリニューアルの準備を引き続き進めてまいります。
 ジェトロ跡地においては、公共施設等の再配置に加え、様々な障害をお持ちの方の社会参加や自立を促す「(仮称)障害者センター」の設置と共に、江戸川台駅前の魅力創出に向けた活用を目指してまいります。駅前広場においては、高齢者や子どもが安心・安全に行き交うことができ、様々なイベントを開催できるウォーカブルな広場空間を創出していきます。
 初石駅では、令和6年度中に駅舎の橋上化と自由通路の開設及び東口駅前広場の供用開始を実現すべく準備を進めてまいります。さらに令和6年度には、東武鉄道を含めた地権者と新たな西口駅前広場の協議を開始します。南流山駅では、駅周辺の都市計画の見直しを進め、土地利用の高度化と活性化を促進してまいります。
 本市は各地域の地域性や課題を踏まえた「まちの再生」を行い、さらに快適な都市環境を実現すべく今後も取り組み続けます。

4. 住み続ける価値の高い街づくり

 市民の皆さまと私が直接お会いして市政について意見を交わす「タウンミーティング」事業も、令和4年度末で開催回数215回に到達する予定です。最新の令和4年度まちづくり達成度アンケートでは、80.7%の回答者が「住民の声が市政に反映されている」と回答いただいています。
 より多くの方々から幅広いご意見を伺うべく、旧来の対面式のみならず、これまでに5回のオンライン開催や、無作為抽出により参加者を招待する形式等の実施に加えて、昨年11月には頂いた意見のその後の対応状況を広く公開する取り組みを開始しましたが、今後もより効果的な手法を検討し、実践してまいります。

 以上、ここまで申し上げましたとおり、本年も流山市は、市民や市議会をはじめ、関係機関・関係者等の皆さまの協力を得ながら、市政を着実に前進させてゆく所存です。
 私は2003年から約20年に亘り流山市政を担ってまいりました。今後、市政経営の改革・改善をさらに強力に推し進めてまいります。
 これからも、21万市民の皆様のため、「緑豊かな良質な住環境」「快適な都市環境」に加え、「安心の長寿社会」「質の高い子育て・教育環境」を創出し、「住み続ける価値の高いまち」を目指してまいります。

予算編成方針

 続きまして、令和5年度予算編成について申し上げます。
 去る令和4年10月3日、私から各部局長に対し、令和5年度予算編成方針を示しました。
 現下の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症による生産体制への影響やウクライナ情勢によるエネルギー確保の課題など不確実性が増しており複合的な難局に直面しています。
 このような状況のもと、廃棄物処理施設延命化や学校教育施設整備などを進めるため、限られた財源を効率的・効果的に活用するとともに、国庫補助金等の財源確保に努め、また、資材や人件費が高騰する中、事業内容及び優先順位を見直した上で真に必要な予算のみ計上するなど健全財政維持に努め、全職員が合理的かつ効率的な事務執行を心掛ける必要があります。
 そして、各部局長には、本市の財政状況等を十分認識した上で、部局の最高責任者として適切なマネジメントを行い、責任を持って予算編成に臨むよう指示し、査定において金額を精査してまいりました。
 その結果として、令和5年度流山市一般会計歳入歳出予算総額は、856億1,300万円で、前年度予算額730億1,000万円と比較し、対前年度比126億300万円、17.3%増となりました。
 また、各特別会計及び上下水道事業会計を合わせた予算総額は、1,312億7,182万6千円で、前年度予算額と比較して、対前年度比134億1,416万7千円、11.4%増となりました。

主要事業

 続きまして、具体的な施策の展開として、令和5年度主要事業について、総合計画の施策体系ごとに申し上げます。

1. 安心・安全で快適に暮らせるまち

 はじめに、「安心・安全で快適に暮らせるまち」について申し上げます。
 防災については、要配慮者や女性など多様性に配慮して、子ども用・大人用それぞれの紙おむつや生理用品等の備蓄品、感染症対策として、プライベート空間確保のための災害用テントや衛生的な簡易トイレ等の資機材を購入してまいります。
 また、引き続き、国における浸水想定区域の変更に対応するため、本市の地域防災計画の見直しを行ってまいります。
 消防・救急については、引き続き、令和6年度の竣工を目指し、消防本部・中央消防署の庁舎移転に向けた整備を進めてまいります。
 また、救急隊員や、より高度な救命処置が施せる救急救命士、救急救命士を指導する指導救命士を養成し、知識や技術の向上を図ってまいります。
 防犯については、自治会が地域の防犯活動の一環として防犯カメラを設置する際の補助限度額を引き上げてまいります。
 市民との協働については、引き続き、令和4年度にリニューアルした市民活動推進センターが各団体や企業、行政関係部署をつなぐ架け橋として、市民の皆さまの活動を後押しして、市民の知恵と力が活かせる環境を整えてまいります。

2. 生きがいを持って健康・長寿に暮らせるまち

 次に、「生きがいを持って健康・長寿に暮らせるまち」について申し上げます。
 健康・医療については、新型コロナウイルス感染症の感染状況に応じて、引き続き同感染症患者等の入院の受け入れなど、県と連携を図りながら医療提供体制の支援を行うとともに、流山市医師会協力のもと、新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでまいります。
 また、新たに、末期のがんと診断された40歳未満の若年患者が、住み慣れた場所で安心して療養生活を送ることができるよう、介護サービス等の療養費の一部に対し、補助してまいります。
 生涯学習については、利用者が安心・安全に施設を利用できるよう、文化会館のホール天井の改修工事や舞台の床張替え工事等を行ってまいります。
 また、新たに、南流山センターにおいて図書ピックアップサービスを開始し、図書館サービスの利便性向上を図るとともに、各公民館及びおおたかの森センター、南流山センターにおいて、ホールや会議室で利用するための貸出用のWi−Fi機器を整備し、施設の利便性の向上を図ってまいります。
 文化芸術・歴史については、国登録有形文化財である「秋元家住宅土蔵」の令和6年度中の公開に向けて、保存修復工事を行ってまいります。
 スポーツについては、総合運動公園庭球場の拡張整備や照明施設のLED化更新工事を行い、スポーツ環境の充実を図ってまいります。

3. 良質な住環境のなかで暮らせるまち

 次に、「良質な住環境のなかで暮らせるまち」について申し上げます
 市街地整備・景観については、江戸川台駅東口周辺地区の再整備を進め、引き続き、ジェトロ跡地は令和8年度、駅前広場は令和10年度の供用開始を目指してまいります。
 また、流山おおたかの森駅周辺の西口と南口を繋ぐセンター地区道路の整備を進め、回遊性と賑わいを創出するウォーカブルなまちづくりを進めてまいります。
 道路については、新たに道路の補修履歴や市民から寄せられた劣化や破損等の情報を一元管理できるシステムを導入し、より迅速な道路の維持補修を行ってまいります。
 河川・排水については、浸水被害が発生している江戸川台地区の雨水排水整備を進めてまいります。
 また、令和6年度に向けて、利根運河に沈下橋やトイレ等を整備し、訪れる方々の利便性向上を図ってまいります。
 交通については、令和6年度末の供用開始に向け、引き続き、初石駅の橋上駅舎及び自由通路、東口駅前広場の整備を進めてまいります。
 生活環境については、集合住宅・事業所用太陽光発電設備の補助金を再開するなど、地球温暖化対策に資する奨励金を拡充してまいります。
 廃棄物については、令和7年度の工事完了に向けて、ごみ焼却施設の延命化に伴う基幹的設備の改良工事を行ってまいります。

4. 賑わいと魅力のあるまち

 次に、「賑わいと魅力のあるまち」について申し上げます。
 地域経済については、急激な為替相場の変動並びにエネルギー価格及び材料費の高騰の中、持続的な経営に向けて販路拡大等を目指す事業者の取組みにおける経費の一部に対し、補助してまいります。
 また、市内事業者の景況感や抱える課題等を把握するため、新たに企業動向調査を実施して、事業の継続や販路拡大等に向け努力する事業者支援施策の企画立案等に活かしてまいります。
 ツーリズムについては、白みりん発祥の地であることをPRするため、白みりんについて学び、体験できる「白みりんミュージアム」を、令和6年度の開館に向けて整備してまいります。

5. 誰もが自分らしく暮らせるまち

 次に、「誰もが自分らしく暮らせるまち」について申し上げます。
 高齢者福祉については、高齢者人口の増加とともに、虐待対応等において複数人で対応が求められる事例が増加していることから、市内5カ所の各地域包括支援センターに職員を1名ずつ増員して、地域包括支援センターの機能強化を図ってまいります。
 障害福祉については、児童発達支援センターの拡充を望む市民ニーズが高いことを受けて、新たに児童発達支援センターの設置及び運営を目指す事業者に整備費用の一部を補助してまいります。
 地域福祉については、市民が抱える生きづらさや困りごとの課題が複雑化・複合化していることから、本人や家族からの相談を受けとめ、関係機関と連携した社会支援等を行う、包括的な支援体制の構築に向けた検討を進めてまいります。

6. 子どもをみんなで育むまち

 次に、「子どもをみんなで育むまち」について申し上げます。
 子ども・子育てについては、子ども医療費の助成対象について現在の社会情勢等を踏まえ、流山市では、所得制限を設けず、現在の中学校3年生までの助成内容を高校3年生まで延長する方向で実施してまいります。
 なお、令和5年4月から7月までに受診した医療費については、8月から償還払いによる助成を受付し、8月以降の受診分は現物給付による助成とする予定です。
 また、これまで、私立保育所等が要配慮児を受け入れた際に、保育士1名を雇用する費用を補助してまいりましたが、これを保育士2名分に引き上げ、要配慮児保育の充実を図ってまいります。
 さらに、全ての妊婦や子育て世帯が安心して出産・子育てができるよう、妊娠から出産・子育てまでの間、相談を受け、関係機関と連携して必要な支援につなぐ伴走型の相談支援を行うとともに、経済的支援として妊娠時、出産時にそれぞれ5万円の出産・子育て応援給付金を支給してまいります。
 学校教育については、児童・生徒数の増加に対応するため、引き続き、南流山小学校区については、令和6年4月の開校に向けて、南流山中学校を(仮称)南流山第二小学校に改修し、南流山中学校を東洋学園大学旧校舎へ移転するための整備を進めてまいります。
 おおたかの森小学校区については、令和6年4月の開校に向けて、(仮称)市野谷小学校の建設を進めてまいります。
 また、新たに江戸川台小学校を全面的にリニューアルするため、令和8年度の工事完了に向けた設計業務に着手するとともに、以前より要望の多かった、既存校の教室のロッカーについて、改修を進めてまいります。
 さらに、令和4年度に試験的に導入した学校の水泳指導の業務委託については、専門的な指導や教員の負担軽減にもつながることから、プール施設の実態に合わせて、令和5年度は新たに5校を追加し、6校で実施してまいります。

7. 行政経営について

 最後に、行政経営について申し上げます。
 令和5年度から、これまで複数部署に跨っていたふるさと納税業務をマーケティング課に一元化して業務の効率化を図り、新たなふるさと納税資源を発掘するため、民間事業者に業務の一部を委託して、市内産業の活性化及び寄附額の増加を目指してまいります。
 また、市民の方が自宅のパソコンやスマートフォン等から情報取得や行政手続きができる環境を整備するとともに、市民向けのスマートフォン講座を開催して、スマートフォンを使い慣れない方に対して、サポートしてまいります。

 以上、令和5年度に実施を予定する具体的な施策として、主な事業についてご説明させていただきましたが、それ以外にも多くの事業があります。
 これら実施を予定しているすべての事業が、市民生活や市民福祉の向上のため、必要であり重要な事業と考えています。
 先人から受け継がれた流山市政の進展のため、住み続ける価値を高める市政経営に全力で取り組んでまいる所存です。
 市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げ、令和5年度の市政経営に臨む私の施政方針といたします。
 


総合政策部 秘書広報課
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