ページ番号1024310 更新日 令和2年2月20日
本日ここに、令和2年第1回定例会を招集いたしました。
本定例会では、当初予算7件、補正予算5件、条例の新規制定1件、条例の一部改正12件、その他の議案2件の合計27件と報告3件について、ご審議いただきますのでよろしくお願い申し上げます。
市政に関する報告及び提案理由の説明に入ります前に、令和2年流山市議会第1回定例会に臨むにあたり、市政経営における基本的な考え方と所信の一端を申し上げます。
本年4月から、市政経営の最上位計画である、新たな流山市総合計画がスタートします。
本市が描く、目指すまちのイメージ「都心から一番近い森のまち」は、みどり豊かな自然環境の保全・創出のみならず、みどりが与える都市の「うるおい」や市民の皆様の「やすらぎ」、人と人とが集う「ふれあい」に満ちたまちの姿をイメージしています。
その実現に向けて、「市民の知恵と力が活きるまちづくり」、「市民が誇りと歓びを持てるまちづくり」、「市民・都市・コミュニティが健康なまちづくり」とする3つのまちづくりの基本理念のもと、「安心・安全で快適に暮らせるまち」、「生きがいを持って健康・長寿に暮らせるまち」、「良質な住環境のなかで暮らせるまち」、「賑わいと魅力のあるまち」、「誰もが自分らしく暮らせるまち」、「子どもをみんなで育むまち」とする6つ政策を推進してまいります。
また、近年、目まぐるしく変動する社会経済情勢や国の制度改革の動向を注視し、市民ニーズや行政課題を的確に捉えるとともに、迅速な対応ができる体制を構築するため、これら政策の推進に当たり、4つの市政経営の基本方針を掲げます。
まず、中長期的な財政見通し、健全財政維持条例に基づく健全で規律ある財政運営や財政の安定性・継続性の確保など「健全な財政運営」に取り組みます。
次に、将来訪れる人口減少を見据えた公共施設の機能の集約や市民ニーズの変化に応じた施設の転用、複合化などの、施設のライフサイクルコストの見直しや、人口動態、財源の変動を見据えた資産の有効活用を進めてまいります。
また、時宜にかなう効率的、機能的な組織の確立を行うとともに、行政サービスを支える職員一人ひとりの能力開発や意識改革に努めてまいります。
さらに、AIやロボティクスによる自動処理等の技術革新を積極的に活用することで、限りある経営資源を活かし、業務の生産性の向上と付加価値の創造を図ります。
さて、その幕開けとなる令和2年度について、申し上げます。
昨年12月に厚生労働省から公表された2019年の人口動態統計の年間推計では、2019年に生まれた子どもの数が90万人を下回り、1899年の統計開始以来、最も少なくなる見通しです。
出生数の低下とともに人口減少が加速し、その影響は地域経済の衰退を招く、深刻な状況にあると考えます。
そのような中で、本市では人口が顕著に増加し、とりわけ子育て世代を中心に増え続けています。
過去10年で、人口はおよそ2割、小学生は4割、未就学児童は5割増加しました。
とりわけ、合計特殊出生率は3割も増加し、平成30年には、本市の統計史上、最高値となり県下54市町村中、第1位となりました。
また、高齢者の年齢構成が前期高齢者から後期高齢者へ移行しつつも、若い世代の増加により、本市の高齢化率は変わらず、全国的に進む少子高齢化とは異なる人口構成となっています。
また、新たな総合計画を策定した際の将来人口推計では、2027年まで増加し続ける見通しです。
しかし、2027年以降も人口が減りにくく、地域経済の発展や安定したコミュニティを維持していけるよう、引き続き、緑豊かで良質な住環境と、快適な都市環境の整備、及び子育て・教育環境の充実に努めてまいります。
一方で、将来的に訪れる人口減少を見据え、市外や海外から本市の交流人口を増やし、地域の活性化を図り、末永い流山市の発展の基盤を整えてまいります。
そこで、本年も、市外からもご来場いただけるイベント開催はもとより、昨年、文化庁の「歴史の道100選」に選定された土木遺産・利根運河や、歴史的な建造物が立ち並ぶ流山本町界隈においては、新たに官民連携による施策を進める等、引き続き、ツーリズム施策を推進してまいります。
また、本年は、およそ半世紀ぶりに東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。
本市では、東京2020オリンピック・パラリンピックにおいて、オランダ国の代表チームがキッコーマン アリーナを会場として事前キャンプを行う予定となっており、現在、市民の皆様との交流企画について準備等を進めています。
さらに、5月には、秀逸な音響設備のスターツおおたかの森ホールで、国際的に活躍されている国内外のアーティスト8名を迎えての、NAGAREYAMA国際室内楽音楽祭2020を開催します。
これらにより、市民はもとより、多くの方々で賑わうものと期待しています。
今後しばらく増大する子育て・教育環境の充実へのニーズに対しては、引き続き、待機児童解消を図るため、保育園の整備を倍増させるとともに、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない総合的なサポートを行ってまいります。
児童・生徒数の増加に対しては、毎年調査を行っている児童・生徒数推計・想定調査結果を見極め、令和3年4月に大畔地区に小学校開校、令和4年4月に中学校の開校を目指し、整備を進めるとともに、その後の児童数、生徒数の増加も見据え、令和6年4月の開校に向けて、おおたかの森小学校区及び南流山小学校区でそれぞれ小学校の整備について検討を進めてまいります。
その一方で、ICT環境の整備や学校サポート教員の配置によるきめ細かい学習指導体制等、教育環境の充実に努めるとともに、昨年、社会問題として大きく取り上げられた児童虐待や小中学校現場におけるいじめ予防の取り組み等、子どもたちが健やかに育つ環境づくりに注力してまいります。
また、昨年は本市を含む千葉県をはじめ、関東地方や東日本の各地で台風や大雨による甚大な被害が発生し、各地に今なお大きな爪痕を残しています。
このような不測の災害に備え、日頃から市民の皆様の防災意識を高めるとともに、減災への取り組みが重要であると考えています。
市では、昨年発災した台風や大雨被害の教訓等を活かし、江戸川の氾濫時における垂直避難場所の確保を推進するとともに、地域防災計画の見直しの検討や洪水ハザードマップの更新、道路、橋梁などのインフラ施設の適切な維持管理や整備を推進し、防災力強化に努めてまいります。
また、安心・安全な歩行空間の確保等の交通安全対策や、防犯パトロール隊への支援等の防犯対策等、市民の皆様の安心・安全に注力してまいります。
次期総合計画における基本理念や市政経営における基本方針のもと、本市が目指すまちのイメージ「都心から一番近い森のまち」の実現に向け、良質な住環境と快適な都市環境の維持・創出に力を注ぎ、市民の皆様には「住んでよかった」、市外の方には「住んでみたい」と感じていただける「住み続ける価値の高いまち」づくりを進めてまいります。
続きまして、令和2年度予算編成方針について申し上げます。
私から令和元年10月3日付けで、各部局長に対して、令和2年度の予算編成方針を示達いたしました。
具体的には、予算要求にあたっては、限られた財源を効率的・効果的に配分するとともに、全職員が合理的かつ効率的な事務執行に努め、事業内容の見直し及び取捨選択を行うことにより歳出削減を行い、持続可能な市政経営基盤の構築が必要となること、また、各部局長には、本市の財政状況を十分認識し、国の経済対策等の動きを注視した上で、部局の最高責任者として適切なマネジメントを行うよう指示するなどし、予算編成を行ってまいりました。
その結果、令和2年度流山市一般会計歳入歳出予算総額は、698億3,500万円で、前年度予算額600億6,700万円と比較して、対前年度比97億6,800万円、16.3%増となりました。
また、各特別会計及び上下水道事業会計を合わせた予算総額は、1,149億4,655万8千円で、前年度予算額1,033億4,469万1千円と比較して、対前年度比116億186万7千円、11.2%増となりました。
続きまして、具体的な施策の展開として、「令和2年度主要事業」について、新たな総合計画の施策体系ごとに申し上げます。
はじめに、「安心・安全で快適に暮らせるまち」について申し上げます。
防災については、土地区画整理事業等により、道路等が整備され、地図についても変更が生じていることから地震ハザードマップを更新し、また、平成27年に改正された水防法に適合した洪水ハザードマップを作成し、市民への周知と被害軽減に努めてまいります。
また、老朽化が進んでいる防災行政無線を更新してまいります。
防犯については、地域の防犯活動の一環として防犯カメラを設置する自治会に対し、設置費用の一部を補助する補助金制度を新設してまいります。
消防・救急については、引き続き、昭和49年に建設された消防本部・中央消防署の庁舎移転に向けた整備を進めてまいります。
また、増加する救急出動に対応するため、北消防署の高規格救急車及び東消防署の資機材搬送車を更新してまいります。
次に、「生きがいを持って健康・長寿に暮らせるまち」について申し上げます。
健康・医療については、市内における看護師等の確保を目的として、資格取得後に市内に勤務しようとする看護師等の養成施設の在学者に対する修学資金貸付金制度を創設してまいります。
生涯学習については、引き続き、子育て世代活動支援センター及び児童センターからなる子育て支援施設と併せて、仮称・南流山地域図書館の整備を進めてまいります。
また、東部公民館と北部公民館については、バリアフリー化を含め利用者の利便性向上に向けてエレベーターの新設を進めてまいります。
文化芸術・歴史については、市民が文化芸術に親しむ機会を充実させるため、流山おおたかの森駅にピアノを設置します。
次に、「良質な住環境のなかで暮らせるまち」について申し上げます。
市街地整備・景観については、流山おおたかの森駅南口都市広場の改修を行い、良質な空間の維持向上を図り、更なる賑わいを創出してまいります。
また、地域の実情に応じた土地利用を誘導するため、区域区分、用途地域等の都市計画の見直しを検討してまいります。
道路については、引き続き、名都借跨線橋の拡幅改良工事を進めるとともに、都市計画道路3・4・9号南流山名都借線の整備を進めてまいります。
また、歩行者と自転車の安全性、快適性、利便性の向上を図るため、自転車ネットワーク計画を策定し、自転車走行空間の整備を進めてまいります。
交通については、引き続き、東武野田線初石駅の駅東側からのアクセスを向上するため、令和5年度供用開始に向け整備を進めてまいります。
また、地域公共交通網形成計画を策定し、長寿社会に対応した公共交通網の形成を目指してまいります。
廃棄物については、ごみ焼却施設の長寿命化整備のため、長寿命化総合計画等及び施設整備に係る仕様書の策定を進めてまいります。
次に、「賑わいと魅力のあるまち」について申し上げます。
ツーリズムについては、利根運河や流山本町地域の歴史や自然環境を活かしたツーリズム環境の整備を行い、観光振興及びインバウンドを含めた交流人口の増加を図ってまいります。
次に、「誰もが自分らしく暮らせるまち」について申し上げます。
高齢者福祉については、地域福祉センター・通称ケアセンターの老朽化したエレベーターの改修に向けて実施設計を進めてまいります。
障害福祉については、障害者やその家族が安心して本市で生活するため、新たに地域生活支援拠点の整備を進めます。
地域福祉については、生活困窮者の自立に向けた支援として、新たに家計に問題を抱える世帯に対し、専門家による助言・指導等の支援を実施するとともに、生活保護受給者の命を守るため、熱中症予防対策として生活保護法による冷房器具の設置費用の支給対象外の生活保護受給世帯について、冷房器具設置等の費用を補助してまいります。
次に、「子どもをみんなで育むまち」について申し上げます。
子ども・子育てについては、保育所の整備について、待機児童解消を実現するため、私立保育所及び小規模保育所の大幅な整備を進めてまいります。
また、配慮が必要な児童の保育を実施する私立保育所等への支援を拡充してまいります。
さらに、小規模保育所を卒園する児童の受け入れを積極的に行う私立保育所等に対し、連携支援コーディネーターの配置等の支援を実施してまいります。
保育士等の負担軽減については、保育に関する計画・記録や子どもの登園・降園管理等の業務のICT化を行うためのシステム導入費用の一部を補助してまいります。
児童センターについては、引き続き、おおたかの森地区及び南流山地区の児童センターと子育て支援施設の整備を進めてまいります。
学校教育については、児童生徒の学校生活における満足度や意欲等、学級集団の状態を調べる学級集団アセスメントを実施します。
また、学校生活等でいじめ、不登校、児童虐待などに直面している児童生徒の支援を行うスクールソーシャルワーカーを配置するとともに、いじめや不登校などの予防や対策のため、新たな組織を立ち上げます。
最後に、行政経営については、AIを活用した議事録作成支援システムの導入により事務の軽減を図るとともに、マイナンバー制度の運用に伴い、市民の個人情報等の安全管理を徹底するための情報セキュリティ対策を実施してまいります。
以上、令和2年度に実施を予定する具体的な施策として、主な事業についてご説明させていただきましたが、それ以外にも多くの事業があります。
これら、実施を予定しているすべての事業が、市民生活や市民福祉の向上のため、必要であり重要な事業と考えています。
先人・諸先輩方から脈々と受け継がれてきた流山市政の進展のため、住み続ける価値を高める市政経営に全力で取り組んでまいる所存です。
市民の皆様、並びに議員各位のご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げ、令和2年度の市政経営に臨む私の施政方針といたします。
総合政策部 秘書広報課
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