ページ番号1009748 更新日 平成29年9月15日
本日ここに、平成16年第1回定例市議会を招集しましたところ、議員31名のご出席をいただき開会できますことに、感謝申し上げます。
大勢の市民の皆様の信任を頂戴いたしまして、第5代流山市長に就任して、はや10か月となります。この間、議員各位をはじめ、市民の皆様の温かいご支援、ご協力をいただきながら、市政発展のための業務を遂行できましたことに、改めて本席をお借りし、深く御礼を申し上げます。とりわけ、議会と行政の関係は、流山市発展にとりましては車の両輪の関係にあることを痛感しているところであり、これまでの議員各位のご理解とご協力に心から感謝申し上げます。
ここで諸般のご報告及び提案理由の説明を申し上げます前に、私の市政に対する取り組みについて申し上げます。
少子高齢社会の進展に伴う社会経済構造の変化や、景気停滞の中で、本市をはじめ各地方公共団体は、かってない厳しい行財政運営を強いられています。その一方、地方分権が強く推し進められている中で各自治体の個性、自立性・自主性が問われております。しかし、そのための財源的裏打ちとされる政府の三位一体改革は、現在のところ、その具体像は明らかになっておりません。
このような中にあって、時代は、自治体に対しても、その役割を見直す時代にきたと考えます。これまでの価値観による、なにもかも満遍なくという総花的概念から、市民と市の発展にとって、本当に必要なもの、今やらなければならないものをいかに選択し、解決策を引き出すために資源の集中的投入をどのように行うかが問われていると考えます。
1年後のつくばエクスプレスの開業・街開きを前に、流山市は今、大転換期を迎えているといっても過言では有りません。この時期に、私は、本市の財政をより健全なものとし、流山の発展のため議会のご協力を得ながら果敢にチャレンジしてまいる覚悟であります。
平成16年度は、まず第1に、本市の持つ可能性を引き出すため、市政の最重点課題であります、つくばエクスプレスの開業とこれに関連する沿線整備事業、さらには常磐道流山インターのポテンシャルを活かした新川耕地の有効活用に全力投球していく1年と考えております。
「流山の可能性を引き出す街づくり」を適確にかつ効率良く成し遂げるため、私は企画部内にマーケテイング室を昨年10月に立ち上げましたが、この4月からはこれをマーケティング課に昇格させ、流山のマーケティグ戦略を構築した上で、日本及び国際的社会経済の動向を見据えながら、企業・学術研究機関をはじめ、国際化に対応した機能や機関、個性的な教育機関等の誘致活動を本格化させてまいります。また同時に、経済環境部を「環境部」と「経済部」に分離拡充し、経済部には、企業誘致セクションを設置するなど、組織体制を固めてまいります。こうした動きの中で、市民の希望と夢を、着実に現実のものとし、財政基盤の確立と、本市発展の布石を打ってまいる考えであります。
第2に、私の選挙公約の一つであります「1円まで活かす市政」、換言すれば、わかりやすい市政運営、市民に役立つ行政運営をより鮮明に打ち出してまいりたいと思います。
この公約実現には徹底した情報公開と、行財政改革が必要不可欠であります。その第1ステップとしまして、昨年11月には議員各位のご理解をいただきまして「行財政改革審議会」を設置致しました。現在、15名の委員の皆様には熱心に議論をいただいており、流山の行財政改革の方向性を模索していただいているところであります。16年度の上半期までに、この審議会から仮称・新行財政改革プランに対する答申をいただき、市民に便利で役立つ流山市行政確立のための改革を強力に推進してまいりたいと考えております。
また、市民に役立つ行政運営の確立のためには、行政がレールを敷いた市民参加から、主体的な市民の参画が必要と考えます。
こうした中で、私は15万2千市民がより快適に安心して、かつ安全な暮らしができるよう、これからは、地域コミュニティの原点でもある自治会はもとより、NPO団体の皆様と協働しながら、街づくりを進めていくことが肝要と考えております。
市税収に対する人件費率を抑え、市民サービスを向上させるため、市民団体やNPOの皆様方の協力によりまして、よりコンパクトな市役所づくりを目指し、民間活力を充分に活用した行政と市民による協働の街づくりを展開してまいります。
その手始めといたしまして、市民活動の場の提供を拡充するために、公民館、福祉会館等の年末年始以外の通年開館及び図書館の祝日開館と夜間開館の延長を具体化してまいります。またあわせて、借りようとする施設まで来ることなく、公共施設や講座の予約ができるよう、インターネットを活用した予約システム及びいつでもどこからでも予約できる携帯電話による予約システムを構築し、市民に便利で使いやすい行政サービスを実現してまいります
ところで、平成16年度は、総合計画に位置付けられております、前期基本計画の上期事業計画の最終年度であり、また、今後5年間の市政運営の指針となります「下期事業計画」の策定年度であります。そこで、今後の行政展開の基本的な方向、個別の施策・事業展開につきましては、本年秋までには素案を固めてまいります下期
5か年事業計画策定の中で、市民、議会の意向を充分踏まえ、全職員の英知を集めて、庁内的に策定に努めてまいりたいと考えております。
以上、今後の市政運営にあたりましての基本的な考え方を踏まえ、編成いたしました平成16年度の予算編成方針について申し上げます。
日本経済は、単なる景気循環ではなく、複合的な構造的要因による停滞にとどまっています。不良債権や財政赤字など「負の遺産」を抱え、戦後経験したことのないデフレ状態が継続し、経済活動と国民生活に大きな影響を与えています。
一方、地方財政は地方税収入、地方交付税の原資となる国税収入の大幅な減少等により、引き続き大幅な財源不足が生じるとともに、数次の景気対策による公共事業の追加や減税の実施等により、借入金残高が急増しており、その償還が大きな負担となりつつあり、極めて深刻な状況下にあります。
地方公共団体は、地域における行政を自主的かつ総合的に広く担うこととされており、少子・高齢社会に向けた総合的な地域福祉施策、資源循環型社会の構築等の環境施策、生活関連社会資本の整備等の重要政策課題を推進していく上で、ますます大きな役割を果たしていくことが強く期待されております。
このような中で、本市の平成16年度の予算編成に当たりましては、流山市基本構想及び基本計画に基づき「つくばエクスプレス関連事業」等の事業を推進するとともに、市民生活に密着した行政サービス事業の堅持及び充実を図ることとし、市民生活優先の行財政運営を基本に、各種の行政課題や市民ニーズ、必要性、緊急性及び事業効率等を十分勘案し、歳出の徹底した削減を行い、財政破綻を招かないよう配慮するとともに、「流山の可能性を引き出すまちづくり」、「一円まで活かす市政」の実現に向けて、一般会計の予算を編成いたしました。
各特別会計につきましては、それぞれの会計の収支の均衡を図り、独立採算制を原則とした予算の編成を図ったところであります。
この結果、本市の平成16年度予算案は、一般会計で397億300万円、対前年度比で0.36%の減、これに特別会計と水道事業会計を合わせた予算総額は、770億501万3,000円で、対前年度比で、0.98%の減となりました。
今年度の予算について、一般会計におきまして、平成7年度、8年度の特別減税分の地方債に対する減税ほてん債借替えに、39億4,800万円を計上した状況にあり、この減税ほてん債分を除いた実質的な予算規模は、約360億円と、前年比で約1割減、ほぼ5年前の予算規模という超緊縮型の予算となっております。
次に、平成16年度予算における主要施策について申し上げます。
初めに、整備・開発と自然環境のバランスのとれたまちづくりを目指した都市基盤の整備について申し上げます。
つくばエクスプレスの開通を来年の秋に控え、市内各地で工事が進捗していますが、流山市の都市機能を高めるため、また市民の利便性を向上させ、かつ、つくばエクスプレス自体の収益改善のためにも、「流山おおたかの森駅」と「南流山駅」への快速電車の停車に向けて関係機関に強力に働きかけてまいります。
生態系に配慮した公園・緑地・水辺等空間の整備・管理については、公園緑地の都市施設整備のほか、道路や河川の緑化、民有地の緑地保全など緑化全般の総合計画であります「緑の基本計画」を
16年度と17年度の2か年で策定し、失われつつある緑豊かな環境の保全に努めてまいります。また、利用者から不評だった総合運動公園のトイレを改修して、利便性の向上と快適性の確保に努めます。
地域特性に合った良好な市街地整備については、運河駅東側周辺地区において、駅東口の開設に併せて計画的なまちづくりを行うため、区画整理事業の可能性も含めた調査を行ってまいります。
個性ある公共空間・歴史環境の形成と保全についてですが、都市計画に関する基本方針である都市計画マスタープランは、平成13年度から平成16年度の4か年において策定する予定となっておりますが、本年度は協働素案を公表し、広く意見を収集しながら計画策定を進めてまいります。
土地利用・生活環境に配慮した道路整備ですが、流山橋の慢性的な渋滞を解消するため、江戸川新橋の建設促進に向けてさらに努力してまいります。また、つくばエクスプレスと武蔵野線との結節駅であります南流山駅前南北広場については、バリアフリーなどを考慮して整備してまいります。
安全性と快適性を兼ね備えた河川・排水路整備については、南流山地域の浸水被害を解消するため、準用河川神明掘の河道改修工事を進めるとともに、大堀川3号雨水幹線整備を進めてまいります。
水需要に応じた水道事業の展開では、つくばエクスプレス沿線地域を含めた4か所の浄水場を集中管理するため、沿線地区内に新規浄水場を整備するとともに水道局新庁舎を建設致します。
利便性と快適性を重視した公共交通機関の整備充実については、市民の足の確保と、市内交通機関の確保を図り、利便性の向上に資するため、つくばエクスプレス開業後のバス交通体系の調査を行うとともに、つくばエクスプレスと東武野田線とのスムーズな相互乗換ができるように自由通路など駅設置事業を進めます。
また、初石駅を利用する障害者を含む市民の利便性、衛生状況の改善を図るため、初石駅トイレの改修を行います。
第2に、生活の豊かさを実感できるまちづくりを目指した生活環境の整備について申し上げます。
初めに、環境共生社会を目指す廃棄物循環型都市づくりについてですが、市民から要望の多い家庭系ごみの祝日収集を実施し、地域における収集日の是正を図るとともに、一般廃棄物の排出量を平均化することで安定した施設運営を図ってまいります。合わせて、地域融和施設を整備し、地域コミュニティの場及び市民の健康増進の場の提供を図ってまいります。
なお、地域融和施設については、建設計画の見直しを行うため、プロポーザル(提案)方式で設計者を選定したところであり、現在、その設計作業を鋭意進めているところであります。また、公設公営の当該施設の竣工は、平成17年度初頭の予定であります。
次に、日常生活での安全性と快適性の確保についてですが、つくばエクスプレスの開通に合わせて、その沿線の市内3駅周辺における放置自転車の防止と駅周辺の交通安全環境を確保するため、沿線の自転車駐車場設置に着手してまいります。
自然災害・都市災害への備えと予防については、消防本部庁舎の安全確保のため、耐震診断を実施してまいります。
第3として、学び、受け継がれ、進展するまちづくりを目指した教育文化の充実向上について申し上げます。
市長就任以来、私は市民の生命と安全に大きな力点を置いておりますが、関東大震災から80年が経過し、大地震の再発が心配される中、子どもの生命と安全を守る重要な施策のひとつと考えておりますことから、引き続き小中学校の耐震診断の前倒しと改修整備を進めてまいります。
また、選択教科の拡大や子どものニーズにあった部活動を実施するに当たり、教員不足を解消するため、教員免許状を持った若い方を学校サポート教員として配置してまいります。
社会教育の分野では、市民の学習意欲の高まりや文化活動への参加意欲の高まりに応えるため、公民館・文化会館におきまして、年末年始を除くすべての日を開館する通年開館を実施してまいります。
また、今まで試行的に実施しておりました図書館の夜間開館を、分館を含めて最大で夜9時までとし、多くの市民が平日でもできるようにしてまいります。
第4に、だれもが充実した生涯をおくることのできるまちづくりを目指した市民福祉の向上について申し上げます。
はじめに、高齢者や障害者がいきいき暮らせる社会づくりについてですが、心身障害者の一般企業就労に向けての支援体制を整備するため、民間資金を活用して心身障害者福祉作業所「さつき園」を改築します。また、一般企業へ就職を希望する障害者に就労前訓練を通して就職の斡旋をするとともに、すでに就労している障害者の雇用の安定を図るため、就労後の支援を行い職業的自立を図るため、「障害者就労支援センター」の設置に努めてまいります。
さらに、介護者の負担軽減及び、待機者の処遇の場を確保するため、知的障害者入所更生施設「つつじ園」において、新築工事が予定されていますが、その建設に対し、補助を行ってまいります。
次に、だれもが安心して暮らすことのできる生活支援づくりについてですが、住宅施策の向上と事業費の軽減を図るため、民間住宅借り上げ方式による市営住宅の整備に努めます。
地域で支える福祉のまちづくりでは、利用者からの要望が強い福祉会館の利便性の向上を図るため、年末年始を除いた通年開館と午後10時までの開館延長を実施するとともに、老朽化が著しい「流山福祉会館」及び「駒木台福祉会館」の改修を行います。
第5に、賑わいと活気に満ちたまちづくりを目指した産業の振興について申し上げます。
商業の拠点づくりと地域密着型サービスの強化については、先行き不透明の経済情勢の中で、景気の回復も望めない状況が続いていますが、市内商工業の安定と活性化をめざし、中小企業資金融資事業を推進するとともに、経営相談や金融斡旋などの事業を展開します。
次に、だれもが安心して、働ける環境・基盤づくりについては、流山勤労者体育施設屋内テニスコート及び流山コミュ二ティプラザのテニスコートの人工芝の老朽化に伴い、全面張替え工事を実施し、整備の充実を図ってまいります。
第6に、公・民パートナーシップによる構想実現と効率的、効果的行財政運営(行政の充実)について申し上げます。
市民参加のまちづくりについてですが、NPO活動をはじめとする市民活動の推進を図り、市民参加のまちづくりを推進するため、コミュニティ課内に「市民活動推進室」を設置します。
健全で効率的な行財政運営につきましては、市場戦略、市場活動などマーケティングに関する調査・研究を行うほか、市のPR活動、企業等の情報収集、誘致活動を行ってまいります。
また、職員の専門的・技術的・実践的な政策研究能力の向上を図るため近隣大学へ派遣します。
最後になりましたが、私は流山市を財政再建団体へ転落させないため行財政改革をはじめ、あらゆる努力を傾注し、地方の主権を確立し、市民から信頼される市役所づくりに努めてまいります。
議員各位をはじめ、市民の皆様の引き続いてのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
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