ページ番号1009747 更新日 令和4年9月22日
梅花漂う本日ここに、平成17年第1回定例市議会を招集しましたところ、議員全員の御出席をいただき開会できますことに感謝申し上げます。
第5代流山市長に就任し、間もなく丸2年となりますが、この間、議員各位をはじめ、市民の皆様の温かい御支援、御協力をいただきながら、私は、「1円まで活かす市政」、市民にわかりやすく、市民に役立つ行政運営の実現に、最善を尽くしてまいりました。
議員の皆様、市民の皆様に改めて本席をお借りし感謝申し上げますとともに、世界に例を見ないスピードで進む少子高齢社会の進展や地方分権の流れの中で、私は、心新たに山積する行政課題の解決に全身全霊を傾けてまいる決意でございます。
ここで諸般の報告及び提案理由の説明を申し上げます前に、私の市政に対する取り組みについて申し上げます。
景気が混沌としている中で税収が減少し、本市を含め多くの地方自治体は、極めて厳しい財政運営を強いられております。我が国の総人口が2年後には減少に転じる状況にありますことから、決して今までどおりの手法や考え方では、これからの時代を乗り越えることはできないと考えております。市民の皆様の税金を「1円まで活かす市政」という基本に立脚し、地方自治体の経営の原点であります"最少の経費で最大の効果"を上げるという基本理念に沿った行財政運営を鋭意推進してまいります。
このような中で、平成17年度は、非常に重要な年度と考えております。本市の今後5か年間の行財政運営の指針となります平成21年度までの基本計画「下期5か年計画」の初年度、出発の年度であり、また、長年の夢でありました東京都心直結鉄道"つくばエクスプレス"が開業する年であります。先人達の並々ならぬ努力に報いる意味でも、私は、流山市の未来に新たなページを刻む記念すべき年にしてまいりたいと考えております。
下期5か年計画では、本市の恵まれた自然環境や文化・歴史など地域特性を生かした魅力あるまちづくりを進めるため、環境・健康・教育・安心安全などを重視した取り組みを展開し、「市民満足度の高い流山市への転換」を目指します。
そして、市民に、今後も本市に住みつづけたい、企業には本市に在り続けたいと実感して頂くとともに、新たな生活の拠点・活動の拠点として個人にも企業にも、本市を選択していただけるよう、行政サービスにおける都市間競争をリードして行く施策の展開を図ります。
また、市民ニーズの多様化や少子高齢化、さらには安心安全・健康など山積する課題に積極的に取り組む必要が あります。このため、流山市総合計画における36施策を横断的に貫く6つの重点プロジェクト「緑と水辺が親しめるまちづくり」、「子どもの未来を育むまちづくり」、「安心安全のまちづくり」、「健康・いきいきまちづくり」、「活力のあるまちづくり」、「市民が主役のまちづくり」を新たに定め今後のまちづくりの目標に設定しました。
厳しい財政状況下ではありますが、この6つの重点プロジェクトを中心に効率的で計画的な行財政運営に努め、つくばエクスプレス関連事業や市民生活に密着した事業を厳選して実行し、市民満足度を高め、市民福祉の増進を図ります。
具体的な施策展開としまして、まず第1に、本年は、"つくばエクスプレス"が開業いたします。昨日、この鉄道開業日が、8月24日に決定したという朗報が首都圏新都市鉄道株式会社から届いたところであります。東京都心から20分から25分という"近さ"と自然が残っているという"ゆとり"この流山ならではの資源を最大限に活かし、私は、流山の人と街の情報発信を通じて地域イメージを高めるとともに、マーケティング戦略に基づいた企業の本社機能や教育機関等の誘致を積極的に推進してまいります。
また、首都圏の中で、緑豊かな良質な住宅地が形成されている流山が、つくばエクスプレスの開業で、現代人が求めるアクティブなビジネスライフも豊かなスローライフも楽しめる理想郷として、全国にアピールしてまいりたいと考えております。
市政の最重点課題であります、このつくばエクスプレス沿線整備事業に拍車をかけてまいりますとともに、新線開業に併せた市内公共交通機関の運行の改善を図り、公共交通不便地域にタウンバスの運行導入を推進するなど、市内公共交通網の整備を図ってまいります。
そのためには、組織体制も、確実な成果を導き出すために、役割を明確化させ、効率性・機能性の充実強化を図ります。
そこでまず、都市整備課を「まちづくり推進課」と改め、課内に「つくばエクスプレス沿線まちづくり推進室」を設置し、マーケティング課や企業立地係などと密接な連携を図りながら、庁内一丸となって沿線整備や本市の顔となる中心核づくりのための推進役と位置付けます。
具体的には、つくばエクスプレス沿線整備の総合調整に関すること、事業施行者との連絡調整に関すること、新市街地地区、運動公園周辺地区の各センター地区に関することなどを所掌させます。
マーケティング課は、平成17年8月の鉄道開業を契機とした流山市ならではの特性や流山市のもつポテンシャルを把握した上で、社会ニーズ、企業ニーズに応えるプログラムを構築し、流山市内外に強くアピールするプロモーション活動を展開してまいります。
また、商工課では、県の東葛テクノプラザや東京大学、あるいは、千葉大学、東京理科大学等との産学官の連携を図り、更には、企業誘致の市民サポーターを募り、より実効性のある企業誘致を展開してまいります。これらの情報や、ハード部門を含めた具体的な進展を、「まちづくり推進課」が総合的に調整することにより、各部署が情報を共有化し、同一の視点に立ち、全庁一丸となった効率的・機能的な業務の遂行を目指してまいります。
第2として、市民の生命、安全に係るものを優先に、市民に役立つ市政運営を図ってまいります。昨年は、新潟県中越地震や台風の襲来、スマトラ沖地震に伴う大津波など自然災害が多発し、災害対策や自主防災の組織強化などの必要性を痛感した年でありました。また、児童や幼児が被害者となる凶悪犯罪が多発しておりますことに対し、子を持つ親として大変憂慮しております。私は、流山の将来を担う子ども達の教育施設整備や日常生活の安全を図る事業に引き続き力を入れてまいります。また、つくばエクスプレスの開業によって、人口が増えることが予想される中、暮らしやすさの基本である安全や安心の確保のために、地域コミュニティの醸成や自主防犯活動にも力を入れてまいります。
第3として、市民満足度を高め、行政サービスにおける都市間競争をリードするための行財政基盤を構築するため、ここで策定いたしました新行財政改革実行プランに基づき、わかりやすく透明性のある、だれもが使い易い市役所づくりを目指します。
「新行財政改革実行プラン」は、平成17年度から平成21年度までの5か年で実践する実行プランであり、このプランにより、行財政の基盤を下支えして、基本計画下期5か年計画の達成を目指すものであります。
この行財政改革は、単なる削減を目指すのではなく、市民満足度を高めることを目標に「市民の力を活かす」、「財政の健全化を目指す」、「行政運営の効率化を進める」、「市民に役立つ職員を育てる」、「スリムな組織を目指す」、「サービスを向上する」の6つの改革方針に沿って、行政改革と財政改革の推進を図り、効率的で市民満足度の高い行財政運営を目指してまいります。
以上、今後の市政運営にあたりましての基本的な考え方を踏まえ、編成いたしました平成17年度の予算編成方針について申し上げます。
日本経済は、一部企業の業績の好転が見られるものの、数多くの企業では、業績不振により、いまだリストラや給与不払いなどが行われているようであります。また、デフレ経済の中で長引く景気の低迷が、雇用情勢や企業収益の悪化をもたらし、少子高齢化を背景とした人口動態の変化と相まって、年金制度を始めとする社会保障システムへの不安度を増幅させるなど、先行きは依然として不透明な状況となっております。
一方、地方財政は、国の進める「国庫補助金の廃止・縮減」、「税源移譲を含む税配分の見直し」、「地方交付税の改革」といったいわゆる『三位一体の改革』により財政運営が大変厳しい自治体も出てきており、まさしく改革を行わずして生きる道無しとの厳しい状況となっております。このような中で、本年度は、基本計画下期5か年計画の初年度として、向こう5年間の将来を決める大事な年度でありますことから、今年開通するつくばエクスプレスの開業に伴う沿線整備関連事業をはじめ、市民生活に密着した行政サービス事業の堅持及び拡充を図ることとし、市民生活優先の行財政運営を基本に、各種の行政課題や市民ニーズ、緊急性及び事業効率等を十分勘案し、歳出の徹底した削減を行い、財政破綻を招かないよう配慮するとともに、「流山の可能性を引き出すまちづくり」、「一円まで活かす市政」の実現に向けて、予算を編成いたしました。
歳入面では、所得譲与税や地方消費税交付金の増加は見込めるものの、歳入の約6割を占める市税や地方交付税が景気の低迷や国の三位一体改革の影響等により減少傾向にあり、財政環境は依然として厳しく、前年度と同様、行政需要に対応すべく臨時財政対策債の発行や財政調整積立基金の取り崩しでの対応となったところであります。
一方、歳出につきましては、人件費や物件費は減少傾向にあるものの経済動向に左右される生活弱者の増加に伴う扶助費等の経常的経費が増大する中で、現在計画されている各種事業に加え、市民の生命や安全に直接影響のある事業や教育、福祉施策等、市民生活に密着した行政サービスの維持を図ってまいります。この結果、平成17年度予算案は、一般会計で344億3千万円、対前年度比で、13.28%の減、各特別会計及び水道事業会計を合わせた予算総額は、734億4,916万2千円で、対前年度比、4.62%の減となっております。。
特に、一般会計予算につきましては、前年度に借換債分として39億4,880万円計上されていたため、この分を除いた予算の実質伸び率は3.7%の減と、2年続けて対前年度比マイナス予算と、緊縮型の予算編成を行ったところであります。。
また、特別会計におきましても、つくばエクスプレス沿線整備や既成市街地の公共下水道整備を強力に推進するため、12年ぶりに下水道使用料金の見直しを行うなど、企業会計としての独立採算性の原則を守り、都市基盤整備を求める市民の声に応えるため、やむを得ず下水道使用料金の値上げをせざるを得ない状況にあります。こうした厳しい選択となりましたことにつきまして、議員各位、市民の皆様のご理解を賜りたいと存じます。
次に、平成17年度予算における6つの重点プロジェクトを順に申し上げます。
初めに、「緑と水辺が親しめるまちづくり」について申し上げます。公園緑地の都市施設整備のほか、道路や河川の緑化、民有地の緑地保全など緑化全般の総合計画であります「緑の基本計画」を2か年継続で策定しております。今後、この計画に基づき、失われつつある緑の保全に努め、緑豊かな環境の整備に努めてまいります。また、将来にわたって貴重な緑を保存できるようなシステムを構築し、緑溢れる良質な住環境の整備を図ります。
さらに、利根運河等の水辺及び周辺環境を整え憩いの空間の創造に努めてまいります。生態系に配慮した公園・緑地・水辺等空間の整備・管理につきましては、つくばエクスプレスの沿線開発において、多くの樹木が失われておりますことから、国の交付金を活用し、既存樹木を活かしながら、新市街地の憩いの空間として流山おおたかの森駅至近に「新市街地地区2号近隣公園」を整備してまいります。
地域特性に合った良好な市街地整備につきましては、つくばエクスプレス開通に伴い、西平井・鰭ヶ崎地区並びに運動公園周辺地区は、昨年に引き続き既存緑地を活用した良好な居住環境を有する住宅地を確保するため、道路、公園、下水道等のインフラ整備などの都市基盤整備を行い、安全で快適なまちづくりを進めてまいります。
個性ある公共空間・歴史環境の形成と保存につきましては、流山の特性であります「水と緑」と「まちなみ」そして、流山市全域の良質な都市景観形成を維持していくことの重要性から平成15年度から継続してまいりました都市景観形成基本計画を平成17年度中に策定し、その後、条例化を図ってまいります。
快適な生活環境を目指した下水道整備の推進につきましては、つくばエクスプレス沿線整備4地区の都市基盤整備として、公共下水道汚水・雨水管の整備を行うとともに、沿線地区内の浸水防除と良好な都市環境の保持を目的とした雨水調整機能と水辺空間を有した下水道調整池を古間木地区及び西平井地区に昨年に引き続き整備を促進してまいります。
土地利用・生活環境に配慮した道路整備については、つくばエクスプレスと一体となって各都市間を連絡するための広域幹線道路としての機能を持つ都市計画道路3号線・2号線・25号線の事業主体であります千葉県に対して事業費の一部を負担するものであります。
安全性と快適性を兼ね備えた河川・排水路整備につましては、南流山地域の浸水被害を解消するため、準用河川神明掘の河道改修工事を引き続き進めてまいります。また、駒木台地区の浸水災害を解消するため、大堀川3号雨水幹線の浚渫工事を行ってまいります。
次に、「子どもの未来を育むまちづくり」について申し上げます。
少子高齢化が進む中、流山の子ども達には、日本の未来を背負ことができるような力強い子どもを育てるため、子どもが伸び伸び育ち、子育てが安心してできるまちづくりを推進してまいります。
また、教育環境や学術文化水準の質的向上を目指すため、公立教育機関の内容の充実と特色ある教育の推進に努めてまいります。また、多様な保育サービスが求められている中、質・量ともに利用しやすい保育を目指してまいります。
個性を活かす教育環境の基盤充実につきましては、昨年、新潟県中越地震が発生し、関東でも大地震の再発が心配されております。教育施設の耐震診断に基づく耐震補強事業は、子どもの生命と安全を守る重要な施策のひとつと考えておりますことから、引き続き小中学校の改修整備を進めてまいります。
つくばエクスプレス沿線整備計画に基づき、沿線整備地区内の小山小学校を民間活力の導入により、平成20年度の完成を目指し移転整備いたします。
また、小中学校で増加しております、心の悩みやアスペルガー症候群等を抱える児童・生徒への適切な対応を図ると共に、薬物乱用防止、性感染症防止等の今日的な保健課題に取り組み、健康教育の充実を目的として、サポート看護師の派遣を行ってまいります。
次に、流山青年の家につきましては、平成17年度当初に千葉県から譲り受け、必要な整備、改修を行い、市民の教育・文化・芸術活動の拠点施設としての活用を図ってまいります。
安心して子どもが健やかに生まれ育つ環境づくりにつきましては、仕事と家庭そして子育てを両立される方を支援するため、育児が必要な方と育児の援助ができる方からなる組織、ファミリーサポートセンター事業を引き続き運営してまいります。また、学童クラブにつきましては、1小学校区に1施設を目指し、小学校の施設を有効活用しながら、年を追ってニーズの高まっている学童保育の充実を図ります。
次に、「安心安全のまちづくり」について申し上げます。
地域の犯罪が増加傾向にありますことから、防犯パトロール活動の支援や防犯対策について警察や自治会との連携強化を図ってまいります。
日常生活での安全性と快適性の確保につきましては、市民の安全で安心な住環境の確保のため、地元流山警察からの情報や災害情報を携帯電話のメールでお知らせする「安心メール」を構築し新年度の早い時期に実施してまいります。これにより、知りたい情報をいち早く知ることができ、本人や家族の身の危険を守ることが可能となります。また、自治会等が自主的に組織する防犯パトロール隊の支援活動を行い、犯罪発生の抑止を目指してまいります。
携帯電話からの119番通報につきましては、平成17年度中にブロック代表受信方式から直接受信方式に変更いたします。これにより従来の転送による、流山消防への着信時間を大幅に短縮することができ、市民の生命と財産を的確に守ることが可能となります。
次に、「健康・いきいきまちづくり」について申し上げます。
市民が自主的・積極的に健康増進や体力づくり、さらには生きがいを持って生活ができるよう、その体制づくりを推進してまいります。
健康で明るい暮らしづくりにつきましては、健康日本21「流山バージョン」の実現のため、市民一人一人の健康に対する意識の高揚と市民の健康づくりの支援をするため、健康チェックコーナーやマイヘルシープラン等の個別事業を展開してまいります。
また、複雑な人間関係から現代人に多い、心の病や不安を持つ方に対して、専門医による早期の相談や指導を通じて心の健康を維持してまいります。
なお、地域融和施設建設事業につきましては、地域の生活環境の向上、周辺環境との調和、地域コミュニティの場の提供など市民の健康や福祉の増進に寄与するため、平成17年度中に完成させるべく鋭意努力いたします。
次に、「活力あるまちづくり」について申し上げます。
流山おおたかの森駅周辺は、本市の新しい中心核として、商業・業務・サービス機能の誘致に努め、新しいビジネスが生まれ育ち人々の交流が活発に行われ、活力に満ちたまちづくりを推進してまいります。
利便性と快適性を重視した公共交通機関の整備充実については、市民の足の確保と、利便性の向上に資するため、路線バスの誘導を図るほか、つくばエクスプレス開業後市内の公共交通不便地域にタウンバスの試行運行を行うとともに、つくばエクスプレスと東武野田線とのスムーズな相互乗換ができるように、前年に引き続き自由通路など駅設置事業を進めます。
また、初石駅東口開設につきましては、所要の用地を取得いたしましたので、早期東口開設に向け東武鉄道株式会社と引き続き協議してまいります。
商業の拠点づくりと地域密着型サービスの強化及び工業の強化と新たな産業の創造につきましては、秋葉原駅からわずか20分台という立地条件から、産業ビジネスが活発になるようプロモーション活動、研究開発、製品の販路開拓等、支援を図り新産業の創出を推進してまいります。
次に、「市民が主役のまちづくり」について申し上げます。
市民の要望を踏まえたより効率的、効果的な市政運営が求められておりますことから、市民の英知や行動力を市政に反映するため、市民と協働のまちづくりを推進してまいります。
市民参加の地域社会づくりにつきましては、行政と市民がその役割と責務を明らかにし、市民参加、市民主体の自主自立のまちづくりを進めるため、住民自治基本条例を市民との協働により、市制施行40周年の年であります平成19年の制定を目指して準備に入ります。
健全で効率的な行財政運営については、市民サービスの向上や事務の効率化を図る観点から、新川出張所と江戸川台出張所を統廃合して、新たに(仮称)江戸川台駅前出張所を整備いたします。また、市民の利便性向上のため各出張所において、市税の証明書発行業務を行ってまいります。
以上をもちまして、今後の市政運営にあたりましての所信の一端といたしますが、議員各位をはじめ、市民の皆様には引き続き、市政の発展に御協力頂きますよう心からお願い申し上げます。
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