平成28年7月20日(水曜日)、公民館のゆうゆう大学合同公開講演会が文化会館で開催されました。テーマは「流山の魅力を語る」〜川に寄りそってきた街 その変遷〜です。講師の先生は、地域史研究家の青木更吉さん、大堀川美しい水辺づくりの会理事長の惠良好敏さん、流山市立博物館元館長の川根正教さんのお三方です。
第1部は、流山の魅力を各先生方に語っていただき、第2部は司会の職員を交え座談会という形で流山の魅力をさまざまな角度からお話ししていただきました。
第1部ではまず初めに、江戸川は流山にとって「母なる川」とおっしゃる青木更吉さんが語ります。現在見られる土手と違い、昔の土手は度重なる洪水で流れてきた土によってできた自然堤防なのです。その自然堤防に沿って道ができ街ができていった、とおっしゃいます。店が道より下にあるから、流山に買い物に行くときは「上等な履き物を履いていけ」と言われていたという、昔を知るお年寄りから語り継がれているおもしろいお話も聞くことができました。また、今はもう跡形もない、三輪野山と加の境にあった「証文土手」という江戸川の氾濫に備えて人工的に作ったという土手の話には驚かされました。
次にお話してくださったのは、生態系のあり方に関心を持ち、流山の水と森の変遷をよく知る惠良好敏さんです。つくばエクスプレスの開業当時、流山おおたかの森駅にオオタカが迷い込んだお話やキンラン、イチヤクソウなど絶滅が心配される植物が見られる流山の豊かな自然の紹介がありました。
最後に「みりんと水運」の観点から流山の魅力を話されたのは、川根正教さんです。流山といえば「みりん醸造業」ですが、水運の発展に伴いみりんの醸造業が始まり栄えた背景を語られました。江戸に近い好立地条件と、利根川・江戸川の水運が生み出した産業であると川根さんは語りました。
第2部は和やかに座談会が進んでいきました。中でも、大堀川の現状を教えてほしいという司会の要望に、惠良さんは自然再生が進んでいます、公園も完成し休日は特に多くの市民の皆さんが集まってきますと話されました。また、江戸時代、江戸川の洪水を防ぐため川床の土砂を浚せつする工事を仙台藩が命じられたことから、江戸川を仙台掘と言っていたという興味深い話も出てきました。
流山の魅力を語るお三方の話は尽きず、郷土愛にあふれたお話を聞くことができました。そして座談会は質問コーナーへと移っていきました。
川に寄りそってきた街、我が流山の魅力を再確認できた講演会も、まだまだ聞きたい気持ちを残しつつ幕を閉じました。
なお、質問コーナーの中で宿題として残りました「大堀川」の読み方については、後日関係機関に問い合わせてみましたが、公式のカナ表記というものは確認できませんでした。
次の合同公開講演会は、9月21日(水)14時〜15時30分、ひだクリニック院長・肥田 裕久さんをお招きして「脳と心の健康」〜脳が感じるワクワク感で元気になろう〜 を実施します。詳細は広報ながれやまやホームページなどでお知らせする予定です。
ぐるっと流山に関するお問い合わせは、担当課のページからお問い合わせください。
担当課のページ