平成28年2月10日(水曜)と11日(木曜)の2日間、流山市生涯学習センターで「小池博史meets宮沢賢治「注文の多い料理店」流山公演」が行われ、両日とも満席のファンが詰め掛け名作童話の現代ダンス演劇という不思議な世界を楽しみました。演出家・小池博史さんが率いた有名なパフォーミングアーツグループ「パパ・タラフマラ」を解散した後、1作目に選んだのは童話「注文の多い料理店」でした。演劇であり、ダンスでもある。人間でありながら、森の動物でもある。喜劇であり、悲劇でもある。世界で評価される小池博史の深遠なる作品です。
宮沢賢治の名作童話「注文の多い料理店」は、山奥に狩りの楽しみを求めてやってきた青年紳士たちは嵐に遭い、這々の体で発見したのが西洋料理店「山猫軒」。そこは不思議な「注文の多い料理店」だった。次々と注文を出されて、はじめは意気揚々と要求に応える紳士たちだったが、不思議な動物たちの誘いを甘受しつつ、いくつもの部屋を通り抜けていくとそこには大きな得体の知れない“なにか”が潜んでいた、というお話です。
小池博史さんは、「2011年3月11日以降、自問自答し続けては、30年続けた組織を解体させ、真っ先に生み出した作品です。人間と自然の関係を問い直し、私たち自身に向かっての回答としてではなく、疑問として提示しています」と語っています。キャストは、小谷野哲郎、大塚陽、荒木亜矢子の3人。演じ、踊り、人間になったり、動物になったり、不思議な舞台が展開されていきました。文庫本で15ページほどの短編童話を上演時間約70分の舞台に仕立て、3人は全員出演しっぱなし。キレのあるダンスやアクションで魅了します。
スタッフは、演出・脚本が小池さん。そして、作曲とピアノは、サントリー烏龍茶、AC骨髄バンクなどのCM音楽も手掛ける中川俊郎さん。この日は、お住まいがご近所ということもあり会場にお越しくださいました。尺八は、バークリー音楽大学、ニューイングランド音楽院大学院で作曲を学び、文化庁芸術祭賞等多数の受賞をしている中村明一さん。パーカッションは、NHK教育番組や民放こども番組の作品など多く手がける下町兄弟さん。ヴォイスは、宮崎駿監督作品 「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」を作曲して歌い、日本レコード大賞金賞や日本アカデミー賞主題歌賞などを受賞している流山の木村弓さんなど多くの方々が舞台を支えています。
東北の詩人・宮沢賢治の作品を題材にした「小池博史meets宮沢賢治」シリーズは、「注文の多い料理店」「銀河鉄道」「風の又三郎」と3年間続きました。いずれも流山市生涯学習センターで創られ、流山市文化会館での初演を皮切りに世界の都市で公演されてきた作品です。今回は、その第1作を生まれ故郷の同センターでの再演を望む多くの皆さんの声にお応えして企画されたものです。当初1日公演の予定でしたが、すぐに満席になってしまったことから急きょ2日間公演に追加されました。
流山市生涯学習センターでは、舞台を鑑賞するだけではなく、舞台に立つためのワークショップも続けています。2009年の「パパ・タラフマラのワークショップ」を皮切りに2012年の「注文の多い料理店」、2013年の「銀河鉄道」、2014年の「風の又三郎」、2015年の「アルケミスト」など5日程度の稽古を続け最終日にお客様の前で公演するという体験です。ことしも7月13日(水曜)から17日(日曜)の予定で小池博史さんを講師にお迎えし「作品創作ワークショップ」が計画されています。
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