平成27年11月15日(日曜)、森の図書館で 森の図書館教養講座「流山の仏像を知る」講演会が開催されました。これは、森の図書館で5月から開催されている「仏彫講座」の一環として行われたもので、流山の文化財が次世代に受け継がれるようにと開催しました。流山市の学芸員が講師となり、仏像のはじまり、流山の仏像、仏像の修理についてお話ししました。
仏像は、紀元前100年から200年ごろ北インドのガンダーラ、マトゥーラーなどで作り始められました。日本への仏教伝来は、「日本書紀」の記述では、552年に百済の聖明王から欽明天皇に「釈迦金銅仏」などが献上されたことによるとされています。
仏像は銅で鋳造し鍍金(金メッキ)したもの、木で作られたもの、麻布を漆で塗り固めて形を作ったもの、塑土(粘土)を盛り上げて作ったものなど、いろいろな作り方があり、時代や材質により、表情や質感の違いがあることを説明しました。
流山市の仏像調査は、昭和57年に600体近くを対象に行われ、多くの仏像は木造であったそうです。永い年月を経た仏像は修理が必要となり、今回、東福寺の千体阿弥陀と旧長福寺の愛染明王は解体して大規模な修理を行いました。千本阿弥陀は解体した中から、棒状の板が600本ほど出てきました。文字の書いてあるもの、何も書いていないものがあり、何のために書かれたものなのかは現在調査中だそうです。愛染明王は、お顔を削ってみると赤い色の下に白い色で修復され、その下から元の赤い色が出てきました。修復は、破損した箇所をただ復元するだけでなく、古い仏像の色や風合いを再現します。漆や何色もの顔料を使って、歳月を重ねた色合いを作り出すそうです。この修理の様子は、来年発行予定の調査報告書にまとめられるそうです。
柏市から参加された50歳代の女性は、「大変有意義で楽しめました」と、感想を話して下さいました。講演会の後に、図書館で「流山の仏像」(流山市立博物館調査研究報告書1(流山市郷土資料館調査研究報告書1))を借りて行かれる方もいらっしゃいました。
流山市立博物館では、12月6日まで「企画展 三輪野山遺跡群 〜彫った・調べた・わかった〜」を開催しています。また、11月28日に「鰭ケ崎三本松古墳 現地説明会」を開催します。お問い合わせは博物館(電話7159−3434)まで。
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