平成27年8月30日(日曜)、流山北小学校を会場に流山市総合防災訓練が行われ、近隣6自治会(加岸、加台、東急ドエル・ステージ21センターコート、平和台、三輪野山、市野谷)、シティテラスおおたかの森ステーションコート自治会をはじめ、消防、警察、自衛隊、医師会、市職員など関係機関29団体、約898人が参加しました。訓練は、マグニチュード7クラスの流山市直下の大地震により、市内では建物の倒壊のほか、交通機関やライフラインに被害が発生したと想定。9時30分、開会式が行われ、訓練がスタートしました。
今回の訓練では、初期消火や救助・搬送などの訓練に加え、はしご車による救助・消火訓練も行われました。また、市内全域に防災行政無線から緊急地震速報の訓練放送を流し、市民の皆さんがその場で身を守る行動をとる訓練「シェイクアウト訓練」が初めて行われました。9時40分、緊急地震速報が流れると、会場の全員が、手で頭を抱えたり、机の下に隠れるなどして身を守りました。
また、市内の福祉避難所では、職員・入所者の皆さんがシェイクアウト訓練に参加しました。
続く避難訓練では、市民の皆さんがリヤカーや車いすに負傷者を乗せ、お互いに声を掛け合いながら避難しました。さらに、自治会と消防団が協力し、倒壊建物の下に負傷者がいないか捜索。発見した負傷者を担架に乗せ、安全な場所まで搬送しました。また、会場では消防団の皆さんが、2本の棒と布で作る「手づくり担架」の作成方法を説明されました。
続く初期消火訓練では、水消火器を使った訓練やバケツリレーが行われました。バケツリレーでは、地震により火災が発生したことを想定した建物模型に水をかける訓練を行いました。貯水槽から水を汲んだバケツが約10人でリレーされ、水が掛けられます。空のバケツは、別の10人がリレーして貯水槽まで戻します。最初は元気な参加者でしたが、次々とバケツが手渡されると、「こんなに早いペースで回さないと、火が消せないの」と悲鳴のような声も。それでも、息を合わせてバケツを回し続け、訓練終了後は会場から大きな拍手が送られました。
続いて行われた情報収集訓練では、市、警察、陸上自衛隊の各車両が会場内のグラウンドを市街に見立てて周回。災害対策本部に被害が報告されると、アマチュア無線クラブの方により、その内容が場内に放送されました。シティテラスおおおたかの森ステーションコート自治会から物資の要請を受けた災害対策本部は、物資輸送班および給水工務班に輸送を指示。直ちに出動しました。
続く救助・救急・搬送・消火訓練では、倒壊建物などの下敷きになった被災者を捜索・救助する訓練が行われました。まずは、救助犬協会により訓練を受けた救助犬が倒壊建物の周囲を捜索。大きな鳴き声で被災者の場所を知らせると、陸上自衛隊が救助に向いました。被災者に呼び掛けながら、バールやチェーンソーを使って慎重に障害物を取り除きます。脱出口ができると、隊員が中に侵入し、無事救助に成功しました。
会場の一方では、流山北小学校の校舎で火災が発生したとの想定で、屋上などに避難した市民の救助・消火訓練が行われました。消防車やはしご車で出動した中央消防署のレスキュー隊は、到着後すぐさま救助活動を開始。ロープを使って3階まで登ると、逃げ遅れた市民(人形)を発見。担架に乗せられた市民(人形)は、地上で待機する消防車と結んだロープを伝ってゆっくりと救助されました。
また、屋上に避難した市民の救助では、はしごを慎重に伸ばしながら、徐々に校舎に近づけます。はしごが屋上に届くと、避難者を素早く移し、無事救助しました。救助された東急ドエル・ステージ21センターコート自治会の大西淳子さんと鮫島常樹さんは「屋上に近づくレスキュー隊から、「大丈夫ですよ。すぐに助けます」と言われ、とても安心しました」と感想を話してくださいました。
医師会、歯科医師会、薬剤師会の皆さんによる救急・搬送訓練では、負傷者の重症度合いにより治療や搬送の順番を決めるトリアージや、腕や足の骨折を想定した救急治療が実施されました。また、歯科医師会からは「避難所で、入れ歯を失くしたと言い出せず、食事できなかった人がいた。そんな時は遠慮せずに申し出てください」と、薬剤師会からは「避難所にお薬手帳を持参するとよい」などのアドバイスがありました。
この日は、朝から小雨が降ったりやんだりと不安定な天候で、訓練は予定よりも早目の進行となりました。閉会式では災害対策本部長の井崎市長が講評を述べ、総合防災訓練は終了しました。また、会場内の展示コーナーでは、起震車による地震体験や防災用品の展示などが行われ、多くの方が訪れました。訓練終了後は、流山市地区赤十字奉仕団および陸上自衛隊関東補給処松戸支処による炊き出しの試食に、参加者の長い列ができました。
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