平成27年8月22日(土曜)、おおたかの森センターで講演会「中村梅乃のかぶきを楽しもう」が行われました。小学5年生以上が対象で、当日は小学生や中高年者まで、ご家族連れなど約100人が参加。講師の中村梅乃さんは、高砂屋・中村梅玉一門の昭和55年生まれ。小学3年生から中学1年生までの多感な4年間を流山で過ごされた、地域に縁のある方です。
講演会は、木の図書館、おおたかの森センター、こども図書館など生涯学習施設が連携して企画した「夏休みのご家族向け教養講座」です。向小金小学校・東部中学校で中村梅乃さんと同級生だったという木の図書館の岡純代さんがインタビューする形で、敷居が高いと思われがちな歌舞伎について、見方、所作、隈取などを解りやすくお話を伺いました。
歌舞伎俳優・中村梅乃さんこと近藤太郎さんが歌舞伎の世界に関心を持ったのは、10歳の頃だと言います。小学4年生のとき、好きだった折り紙で「赤穂浪士討ち入り」の場面を作ったことが、その後の人生を決めたそうです。その折り紙の参考として見た歌舞伎の写真集に魅せられ、翌年、初めて中央区の歌舞伎座で名作「義経千本桜」を見たのが初体験。卒業文集に書いた将来の夢は「歌舞伎役者」。国立劇場に歌舞伎俳優の養成研修制度があると知り、中学3年生のときに受験し合格。立ち回りや日本舞踊、発声の基礎、長唄などを学ばれたそうです。
この日は、歌舞伎の楽しみ方について「歌・舞・伎」の文字の順に、実際に音楽を聴いたり、演技を間近で見たりしながらお話を伺いました。歌舞伎の「歌」の部分の音楽の基本は三味線と唄や語り。芝居の情景、雰囲気を醸し出す、効果音のような演奏もします。「舞」では、夏にちなんで「流星」という曲で舞を披露。目の前で歌舞伎役者の舞を見られるという贅沢な時間を楽しみました。そして「伎」(演技術)では、男性だけの舞台で老若男女、時には動物まで、あらゆる役柄を演じるテクニックが必要なことを学びました。
講演終了後、梅乃さんから参加者一人ひとりに一筆箋(せん)が贈られました。お母さんと参加した西初石小5年の櫻木嵩也さんは、「おじいちゃんの影響で人形浄瑠璃や落語が好きで今日の講演会に参加しました。お話だけではなく鳴り物や写真を使った説明は分かりやすく面白かった」と感想を話してくださいました。かつてのクラスメイトの皆さんでしょうか、会場には、講師と同世代と思われる方々も多くいらっしゃいました。
生涯学習センターでは、今年4月から流山市文化芸術振興条例が施行されたことを受け、能のワークショップや阿波踊りの夏休み子ども体験教室を行うなど、夏休みに子どもたちが日本の伝統文化に触れる機会を数多く提供してきました。今回の講演会は、木の図書館の主催でおおたかの森センターを会場に歌舞伎を取り上げました。
中村梅乃さんは、落ち着いた風情と梅玉一門らしい行儀の良さを兼ね備えた女形として、世話物の芸者や仲居から町娘や女房など、幅広い役を演じられる実力の持ち主です。これからのご活躍も楽しみですね。
ぐるっと流山に関するお問い合わせは、担当課のページからお問い合わせください。
担当課のページ