平成27年7月26日(日曜)、流山市クリーンセンターで夏の生きもの観察講座「田んぼの生きもの」が開催され、約50人が参加しました。講師に自然通信社の田中利勝さんを迎え、流山市の自然豊かな田んぼに住む生きものについて講演していただきました。田んぼにはさまざまな生きものが住んでいます。栽培をしていると、どうしても害虫の問題が発生しますが、虫のなかにはアブラムシを食べてくれるホソヒメヒラタアブの幼虫といった、害虫を食べてくれる益虫もいます。殺虫剤をたくさん散布してしまうと、そういった益虫も殺してしまうので注意が必要です。
田んぼにクモがたくさんいると、そこの田んぼには殺虫剤のような農薬を大量に使っていない証拠だそうです。田んぼでよくみられるトウキョウダルマガエルや、アキアカネなどは実は人間よりも、恐竜よりもはるか昔から存在していたそうです。トンボは、飛ぶ恐竜が出てきてから、食べられてしまうので、生き残るために羽を丈夫にして、すばやく飛べるように進化させてきました。さらに、近年田んぼの近くには外来種や、本来そこで見られるはずのない生きものが見られることが多くなってきていて、特に外来種は在来種をたくさん食べてしまうそうです。そのため、「飼っている生きものを放さない」「遠くのふるさとや旅先から生きものを持ってこない」などの注意事項があげられました。
野外観察では、非常に気温が高かったのですが、子どもたちは元気いっぱいで生きものを捕まえていました。カエルの子ども、フナの子ども、メダカ、エビ、ザリガニなど、たくさんの生きものに出会いました。ぴょんぴょん逃げるカエルを捕まえるのに、子どもたちは四苦八苦していましたが、やっとのことで捕まえられると、とても喜んでいました。また、チョウトンボというチョウのように舞うトンボも見られました。普段なかなか見ることがないトンボの姿に子どもたちは釘付けでした。
暑かった外から戻って、最後は見つけた生きものについての質問コーナーです。子どもたちは田中先生に、自分が見つけた生き物について一生懸命質問していました。なかには、10cm位の大きさのオタマジャクシを見つけた子がいて、それを見た周りの子どもたちはその大きさにとても驚いていました。そのオタマジャクシはウシガエルのオタマジャクシで、大人になると大きな声で鳴くカエルです。しかし、ウシガエルは外来生物で体が大きく、在来生物をたくさん食べてしまうため、問題視されているカエルでもあります。
子どもたちは、普段なかなか目にすることのないさまざまな生きものと触れ合うことができて、とても楽しそうでした。また、自然の厳しさや、生きもの同士の数のバランスの重要性を学びました。参加した子どもは、この日出会った生きものとまた出会うためにも、外国の生きものを放してはいけないことをしっかりと守っていきたいと感想を述べていました。
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