平成27年7月24日(金曜)から26日(日曜)までの間、野田市にある東京理科大学で、2泊3日の「親子科学教室」が開催されました。
この事業は、公民館と東京理科大学の共催事業で、毎年この時期に実施しており、毎回楽しい実験や観察ができると好評です。
1日目の、「鉱物をとことん調べよう」では、関東ローム層という赤土を使って鉱物を見つけました。土と水を混ぜてこね、粘土を洗い流します。鉱物を見つけたら、ルーペや顕微鏡を使って詳しく観察します。
土から鉱物を見つけることができたら、砂、石、火山灰や軽石からそれぞれ鉱物を見つけました。石から鉱物を見つける際は、石をハンマーでたたき、細かく砕いて見つけました。鉱物の中には、磁性のあるものもあり、磁石を使うと鉱物がくっついてきます。子どもたちは楽しそうに磁石を動かしていました。
1日目のもう一つの講義は、「自分のDNAを観察し、いのちを考える」というテーマのもと行われました。光学顕微鏡と実体顕微鏡という2種類の顕微鏡を使って、葉やカマキリ、セミの抜け殻などを細かく観察しました。ピントが合うと細部まではっきり見ることができ、参加者からは歓声が上がっていました。
また、自分のDNAを見てみよう!ということで、綿棒でほっぺのうらを軽くなでて、口の中の粘膜の細胞を取り、その細胞に蛍光液をたらして細胞を光らせて、蛍光顕微鏡というとても高性能な顕微鏡で観察しました。自分の細胞がモニターに映ると、親子でじっくり見入っていました。
2日目の「振動を科学しよう」では、ブランコや振り子だけでなく、音も振動であることを実験で体験しました。二つの音叉を使って、片方のみをたたいて音を出します。しばらくして、音を出した音叉を手で止めて音を止めてみると、たたいていない方の音叉から音が鳴ります。このように同じ種類の音叉を使えば共鳴という現象が起こり、音の振動が別の音叉に伝わることを体感しました。
また、振り子のように目に見える振動を体感するため、様々な長さの糸で振り子を作成しました。完成した振り子を使って、楽しそうに目の前で起こる振り子の振れ幅や振れる周期の違いを観察していました。
「からだのことを調べてみよう〜感覚器官の消化のはなし〜」では、はじめに2人1組になって、目隠しをした人の手のひらの上に、もう一人がおはじきやビー玉を載せていき、目で手のひらにビー玉やおはじきが何個載っているかがわからず、手のひらから伝わる感覚だけでどのくらいのビー玉やおはじきが載っているかを当てるゲームをしました。
このゲームは目からの情報をなくして手のひらで重さを感じる、といった実験になります。手のひらに置いた時の音で数がわかってしまうことが無いよう、こっそりと、楽しそうにおはじきをのせています。
このゲームの後は、自分の体の中にあるアミラーゼの働きを調べる実験として、消化酵素と唾液を使い、でんぷんが糖に変わる様子を観察しました。綿棒を加えて、自分の唾液をしみこませながら、一生懸命にでんぷん液を入れたり、ヨウ素液をたらしたりして、真剣なまなざしで実験をしていました。すべての作業が終わったら、人の体と同じような環境を再現するため、手で試験管を握り、体温と同じ温度になるよう温めたら、でんぷんに反応して紫色になっていた試験管の中のヨウ素液が少しずつ白色に近づいていきました。
「気体の科学」をテーマにした講義では、水素と酸素と火を使って、大きな爆発を起こす実験を見せてもらい、子どもたちはびっくりしながらもとても喜んでいました。
また、炭酸水にはどんなものが入っているかを調べました。サイダーの中の気体を集め、火をつけたろうそくをその気体の中に入れます。すると、ろうそくの火は消えました。これにより、炭酸水の中には二酸化炭素が入っていることがわかりました。
次に、ドライアイスを使って実験。ドライアイスの中の気体を集め、再度火をつけたろうそくをその気体に入れてみました。すると、また火が消えました。ドライアイスが「二酸化炭素」でできていることがわかりました。
その後ドライアイスでサイダーを作りました。水に砂糖を入れ、ドライアイスを入れるとあっというまにモクモクと白い煙状の泡が出てきて、参加者から歓声があがりました。泡が十分に出たらサイダーの出来上がりです。みんなで試飲しました。「まず〜い!」「味がしないなぁ」「しゅわしゅわが弱い。もっと強いのがいいな」など、口々に話しながら親子で楽しんでいました。
また、重曹を使ったサイダーも作ってみました。水、砂糖、重曹を混ぜたA液にクエン酸、レモン汁を加えたB液を注ぎ入れると泡が立ってきました。レモン汁を足すと、先ほどよりちょっとおいしいサイダーになったようです。
2日目の夜、希望者のみで天体望遠鏡を使い天体観測を行いました。プログラムにはないものでしたが、先生のご配慮により急きょ実現した天体観測は、参加者親子にとってとてもうれしい体験となりました。
最終日には、親子でボールを投げ合って、ボールが相手の手に届くまでの軌道を観察したり、スタッフの頭の上についたコップ状のペットボトルにピンポン球を投げ入れ、その軌道を観察したりしました。また、角度を付けたボードの上でピンポン玉を発射させ、ボードの角度によって変わる軌道を観察。どの軌道も「放物運動」をしていることを自分たちの目で確認しました。その後、鉄球や木の球を床に向かって落とし、落下時の音を聞いたり、落下時間を計ったりしました。
2泊3日を通して多くの楽しい科学の体験をした親子は、「とても楽しかった」「また来年も来たい」と皆さん笑顔で帰って行きました。この講座の中で実施した実験で感じた「ワクワク」や「ドキドキ」が、子どもたちのこれからの学びへの原動力となることを願っています。
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