流山本町の夏の風物詩「一茶双樹記念館の七夕まつり」が開催されています。
枯山水の庭園を前にした双樹亭の軒先に、大きな竹笹が飾られ、来館の皆様が思い思いに願い事を書いた短冊が揺れています。記念館ゆかりの俳諧師・小林一茶による七夕の句の短冊も。懐かしい和の空間に飾られた笹が、過ぎし日の日本の夏を思い起こさせます。
江戸時代を代表する俳諧師・小林一茶は、その生涯に54回も流山を訪れ、この地を基盤の一つとして北総一帯に俳句を広めました。その一茶と親交を深め、一茶の俳句活動を物心両面で援助したのが、この地で代々醸造業を営み繁栄した秋元家の五代目秋元三左衛門(俳号:双樹)です。
一茶双樹記念館の「双樹亭」は、秋元家の八代目秋元三左衛門により、安政4年(1857年)に新築された建物を解体・復元したもので、江戸末期の商家建築の様式を今に伝える大変貴重な建物です。
今の季節、座敷の障子は「夏障子」に入れ替えられています。枠が黒檀、欄間部分が布袋竹(ほていちく)と桐の透かし彫り、障子部分が萩すだれという、大変凝った意匠の夏障子は一見の価値があります。ひんやりとした座敷にすわり、この夏障子越しに眺める庭園の緑はまた格別な風情です。
また、座敷の欄間は桐の透かし彫り、室内の釘かくしは、江戸時代、縁起物と言われた「つる・かめ・なすび」の「つる」がデザインされているもの興味を引きます。
七夕まつり期間中、双樹亭の座敷に設けられた、塗り絵や折り紙のコーナーで、子どもたちと一緒に童心に帰ってのんびりと楽しみながら、日本の伝統家屋の心安らぐたたずまいと、随所にさりげなく施された芸術性の高い意匠に目を向けてみてはいかがでしょうか。
また、短冊に願い事を書いてくれた子どもたちには、昔懐かしい、こんぺいとうをプレゼントしています。
古き良き日本の夏を思い起こさせる「一茶双樹記念館の七夕まつり」にぜひお出かけを。7月7日まで開催しています。
7月4日(土)には、双樹亭にて「七夕コンサート」が開催されます。通常は17時に閉館する記念館ですが、この日は19時まで開館します。緑深い庭園を背景に、流山市文化協会邦楽三曲会会員の皆様による、琴、尺八、十七絃等の邦楽演奏をお楽しみいただけます。夏の夕べの記念館に流れる和楽器の調べは、情緒溢れる夏の思い出となることでしょう。お申し込みの上、ご家族皆様でご来館ください。
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