平成27年6月16日(火曜)から森の図書館の郷土資料コーナーで崙書房創業45年展が開催されています。会期は7月31日(金曜)まで。流山で昭和45年に創業された地方出版の雄・崙書房から出版された書籍のうち森の図書館で所蔵しているものを集めて一堂に展示したものです。
崙書房は、流山本町で房総の歴史、地理、自然、人々の生活等をテーマに地域の風土に根差した出版社として誕生しました。地元の地方出版の図書を広く知っていただくことで、それぞれの本に書かれている流山をはじめ東葛地域や茨城県南部などの郷土に関心を持っていただこうという森の図書館が企画したものです。
郷土資料コーナーは、図書館貸出カウンター近くにあり、ミニ展示コーナーには「日本で一番長い利根運河を知るならこの1冊『利根運河』」、「今年度創業100年を迎える『流山電鉄の話』」(現在は流鉄)などお薦めの本には司書の手による手づくりポップが付されるなど、書店のように目につきやすい工夫もされています。
流山市立博物館友の会(大出俊幸会長)が丹念に調べた「東葛流山研究」も1号から33号まで全巻揃えられています。流山本町にあった創業当時の崙書房社屋の写真(流山市立博物館提供)、現在の流山駅近くにある崙書房社屋の写真も展示されています。中には、いまでは絶版となっている貴重な郷土資料もありますので館内でお読み頂くものと、貸し出しできるものがありますので、カウンターでお気軽にお尋ねください。
崙書房は、『横瀬夜雨復刻全集』や『長塚節復刻全集』、『東陲民権史』、『利根川図志』など常総地方の基本文献の復刻から始まりました。人気シリーズの新書判「ふるさと文庫」は現在211点を数えますが、ふるさと文庫の創刊は昭和52年。記念すべきシリーズ第1弾は故・北野道彦氏の『利根運河』でした。100点目は、昭和57年3月『利根川百景 水墨画と随想で綴る利根の全流』、200点目は、平成23年12月『白樺の文人たちと手賀沼』。地域の特性から川や沼に関係した書籍が多いようです。
『ねじ式』や『無能の人』などで有名な漫画家のつげ義春氏は、昭和52年、弟の漫画家・つげ忠男氏の住む流山市江戸川台東に近い柏市に転居。この当時の日常を『つげ義春日記』(講談社)として刊行しています。ことしが利根運河125周年ですが、昭和52年11月10日の日記では、つげ氏が利根運河を散策し“『利根運河誌』川名晴雄著(崙書房)には、運河に沿った家屋の配置図が記載されているが、それを見ても一軒も残っていない”とその変貌に驚き、舟運が盛んだったころへの憧れが綴られています。
郷土史研究家らの手による書き下しの「ふるさと文庫」は、当初会員制で始まりました。最初の5年間で100冊を刊行しました。ふるさと文庫は、「読み手を書き手に変える」効果を生み、それまで読者だった多くの方々が執筆者になりました。今回の企画展は崙書房の小林社長はじめスタッフの皆さんのご協力で実現したものです。企画した森の図書館では「私たちの住むまちを見直す機会にしていただきたい」と呼び掛けています。東武アーバンパークライン江戸川台駅東口からぐりーんバス・江戸川台東循環で森の図書館前下車。お問い合わせは森の図書館(04‐7152‐3200)へ。
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