「やさしくしてくれた地域の方に恩返ししたくてほたるを育てました」と言う永森正治教諭。流山市立東深井小学校(原田吉隆校長)で、永森教諭と子どもたちが育てたほたるが羽化を始めています。
昨年10月、同小卒業生の保護者から500匹のほたるの幼虫をもらったのを機に飼育を始め、8月はじめから1日に1匹ずつくらい飛び始めています。現在の6年生が、3年生のときに総合学習で「自然宝物図鑑をつくろう」と地域の自然のよいところを探して歩いた。4年生では「東深井の自然の話をつくろう」、5年生で「東深井を調査し、発見し、まとめてみよう」と環境調査などで地域の方々に支えていただきました。
「調査などで町を歩いていると、町のあちらこちらで冷やしたトマトをくださったり、冷たい麦茶をごちそうしてくださったり地域の方々にお世話になりました」。そこで6年生の卒業年度になっての総合学習は、お世話になった学区の方々に喜んでもらえるようにと「働く」をテーマに地域の人や自然に役立つことをすることになりました。
子どもたちは11のグループに分かれて学習しました。お世話になった保護者、特に、校庭にビオトープをつくってくれた地域の方々に恩返しに、ビオトープにほたるが舞う姿を見せたいと、自主的に集った子どもたちでスタートしました。有志の6年生たちは、タニシやカワニナなどのエサ採りやエサあげ、水槽の掃除、終令幼虫の強制上陸セットづくり、上陸用の砂の準備などに追われたそうです。
この強制上陸セットは箱にミズゴケを入れて終令幼虫を水中から陸上に上げてサナギになる準備を強制的にさせるもので、幼虫をもらった保護者から教えられた方法です。7月14日に、水槽にセットした川砂とバーミキューライト(山砂の代わり)を混ぜて作った人工的な陸の中から、東深井小学校生まれの初めて成虫が出てきました。
以来、室内の水槽セットから、強制上陸セットから、そして校庭西側2坪ほどビオトープからと3つの方法で飼育した場所から次々と成虫が飛びました。
永森教諭は、「環境学習はもちろん大切ですが、地域の環境を調べるうえで、地域の人々にお世話になります。地域の身近な自然の恩恵や地域の人々の恩をわかる子どもになってほしいんです。地域がなくては子どもは育ちません。それに気付いた子どもは、やさしい温かい子になります」と語っていました。
いまは、やさしい光を見せているほたるですが、永森教諭は、東深井小生まれのほたるが世代交代できるよう、たまごを産ませ、幼虫にする準備を考えているそうです。
また、文部科学省選定 東京都知事推奨のヒューマン映画「ほたるの星」の上映が、ほたるの星上映実行委員会の市民の手によって9月25日(土)流山市文化会館で行なわれる予定ですが、8月5日、この映画の監督・菅原浩志さんが東深井小学校を訪問しました。
菅沼監督は、永森教諭から、ほたるが成虫になるまでの説明を聞きながら、「実にすばらしいことですね。これは事件です」と感嘆の声を上げていた。また、校庭につくられたビオトープを見学し、前日の8月4日の夜、5匹のほたるが光を放ちながら飛んだ話を聞くと、ほたるの世話をしている子どもたちに「来年はもっとたくさんと飛ぶといいですね」と激励していました。
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