平成16年11月2日、流山市保健センターで障害を持つ子どもの保育や教育についての研修会が行われ公立、私立の保育所関係者や学校、医療関係者など120人が参加しました。流山市は、すでに障害児と健常児が一緒に生活する統合保育をしていますが、今春から保護者の就労状況に関わらず保育対象とすることで、障害児の能力が、集団で生活することで引き出される可能性などを探っています。
今回の研修会は、流山市医師会(佐藤憲尚会長)と市との協働で開催したもので、淑徳大学の宇佐川浩教授を講師にお招きし「障害幼児の発達支援について」と題した講演が行われました。障害児教育について福祉や教育の枠を越えて学ぼうというこうした取り組みは5月に続いて2回目。午後7時から9時過ぎまで行われた講演会でしたが、宇佐川教授は「こんな遅い時間に始まる勉強会で、仕事帰りに疲れているだろうに研究熱心で驚いています」と受講者を激励しました。
宇佐川教授は、障害のある子どもの指導については、一人ひとりの子どもの障害・発達・生活などの実態を的確に把握して、個々の特性に応じて総合的にかかわる必要があります。とりわけ、発達のごく初期の子どもや、多様な障害を伴う子どもや、あるいは、障害が重度の子ども等へのかかわりについては、既存の発達観や単一な障害種別の指導方法では、子どもの実態に対して十分に対応していくことが困難であり、子どもの生きがいを基本に、子どもの成長・発達を質的側面から援助していくことが重要でことを解説したうえで、参加した受講生が、福祉や教育の第一線で諸問題に直面している現場の職員が多いことから「私たち大人の思い込みがある場合が多い」と注意を呼びかけ、淑徳大学発達臨床研究センターにおける過去30年間にわたる臨床研究の成果をビデオなどを実際に見せながら具体的に説明しました。
小児科医の小泉信彦理事は「福祉や教育の枠を越え、障害児をトータルに支援するために同じ理解や知識を持つことが必要」と今後も定期的にこうした学習会を開催すると語られました。
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