国登録文化財の呉服新川屋店舗の見世蔵が修理工事されています。 工事は見世蔵の裏側の住見居部分を解体し、見世蔵を7メートルほど後に曳いて、土台をなおすことから始まります。曳屋(ひきや)に先立ち見世蔵は内装と屋根瓦、1階の土壁などが取り除かれ、レールや木材の筋交いを入れて、土台から切り離し揚屋(あげや)されています。
この状態で平成17年4月23日(土曜日)、工事の設計監理を担当する伝統技法研究会による現場説明会が開かれ、建築関係者など約20人が参加しました。見学会では、解体した部材や土蔵造り内部の竹組みの材料などが披露され、土蔵造りの工法や、2階の天井板を取り除いた部分から見える小屋組みの構造などが説明されました。土蔵造りの建物は、佐原や川越が有名ですが、新川屋さんもそれらの建物と同様の構造をもち、太い柱や梁が用いられ、厚い土蔵壁で支えられていました。
この見世蔵が立てられた明治23年は、ちょうど日本古来の和釘から西洋の洋釘へ移り変わる時期で、この建物には手作りの和釘と輸入ものの洋釘の両方が用いられていたそうです。25日(月曜日)には、いよいよレールに沿って、見世蔵が曳屋されました。工事を担当する職人さんたちが、親方の合図に従って、慎重に35トンもの建物を動かしました。工事は秋頃完成する予定です。
ぐるっと流山に関するお問い合わせは、担当課のページからお問い合わせください。
担当課のページ