平成17年7月18日(祝日)、初石公民館で、流山市デフ協会(清本眞二会長)の設立記念集会が行われ、約200人の関係者らが設立を祝いました。流山市身体障害者福祉会聴力障害者部会として、30周年を迎える今年、同福祉会から独立して、デフ協会として新たな一歩を踏み出すこととなったものです。デフ(deaf)とは、耳慣れない言葉ですが、聾者(ろうしゃ)であるという強いメッセージ性を持った言葉で、清本会長は「聴覚障害者とか、聴力障害者という名称の組織は多いのですが、デフ協会というのは全国で流山が初めて」と語ってくださいました。事務局の水野薫さんによると「TXが開通して耳の不自由な外国の人々も流山に転居してくるかもしれないし、国際化をにらんで共通の対応ができるようデフという耳慣れない名称にしました」と説明してくれました。全国で初めてデフ協会という名称にしたと胸を張る清本会長は「流山では、聞こえない市民に関することで日本で1番が多い」と語ります。そのひとつが、「電話お願い手帳」。
「電話お願い手帳」は、耳や言葉の不自由な方やお年寄りが、外出先で用件や連絡先などを書いて、近くの人にお願いする時に使用する手帳で、 昭和58年に流山電話局(当時)に寄せられたお客様の要望がヒントとなって作成して以来、毎年発行し、各支店等の窓口をはじめ地方自治体や福祉団体を通じて配布しています。メール機能付き携帯電話などが普及していなかった時代でもあり、流山から全国に広がりました。また、同年には、聴力障害者宅のファクス設置に市が補助をして、消防署とファクスによって救急車を呼べるようにするなど、次々と新しい事業を展開しました。また、手話通訳士登録第1号も流山の山岡道子さんで、この日も会場で通訳をしていらっしゃいました。
会場を訪れた井崎市長は、タウンミーティングで聴力障害者の方々と手話を通してさまざまな話し合いを持ったエピソードなどを、自ら手話を交えて話し、会場から大きな拍手がわいていました。最寄の東武野田線初石駅から会場の公民館までは、沿道に黒地に黄色で「NAGAREYAMA」とプリントされたおそろいのTシャツを着た手話ボランティアが立ち、受付や会場整理も行っていました。市内には、さつきの会、夢の会、木の会、水曜会の4つの手話サークルがあり、公民館などで定期的な活動が行われています。また、当日は、千葉ろう者劇団九十九による寸劇も披露されました。同劇団の舞台の大道具や衣装、舞台セットなどは流山市内の九十九専用倉庫に保管しています。昭和58年、千葉県聴覚障害者連盟文化部(現在は、芸術文化部)一組織として発足し、ろう者の持つ独特な表現力と手話を最大限に活かした演劇創造をめざしています。この日の寸劇は、公証役場を舞台にした10数分の短いストーリーでした。
会場では、障害者自立支援法の応益者負担に伴う手話通訳制度との関係や災害緊急時の聴力障害者への情報ネットワーク体制の充実などについて熱心な議論が交わされました。流山市デフ協会では、初石公民館のそばに事務所を借りて深夜まで活動方針などを話し合っています。協会のマークは流山の「N」に「たつのおとしご」をデザインしたもの。聴力障害者を意味する聾(ろう)という字は、中国の漢語から、龍の耳と書きますが、龍の目は千里眼で、鼻も敏感だが、音は角で感知するため耳が退化して聞こえなくなり、海に落ちて「たつのおとしご」になったという由来からシンボルマークにデザインしたそうです。事務所は流山市西初石4−112−110坂巻ビル102号、ファクスは04−7154−7303
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