平成17年11月6日(日曜日)、南流山センターで流山おやこ劇場(油井陽子代表)主催の第143回鑑賞会が行われました。今回は、井上ひさし作「父と暮らせば」を佐々木梅冶さんによる「芝居・読み語りの世界」という照明も音響効果も舞台装置も一切なしのシンプルな舞台です。彼岸花ひとつの舞台設定で、中央に座る佐々木さんの手には一冊の本だけ。今やビジュアルの世界が多いなか、この会場を想像力で膨らませてほしいと来場者に訴えた後、静かに読み語りに入っていきました。
「父と暮らせば」は井上ひさしさんが広島の被爆者の手記をもとに原爆投下後3年目の広島を舞台に父と娘の二人だけを登場人物として書いた戯曲。流山おやこ劇場が、戦後60年記念として企画しました。佐々木さんは本を片手にライトの下、ひとり芝居、そして、時折本に目をやりながら静かに読み語り、観客の笑いを誘ったり、白熱した演技で涙を流しすすり泣く人もいたりと来場者をぐんぐんひきつけていきました。
あっという間の1時間あまりを終了した後、「皆さん、想像力を膨らませてくれてありがとう」という佐々木さんの言葉に拍手が響き渡っていました。来場者は「佐々木さんの素晴らしい表現力に酔いしれました」、「初めて聴きましたが感動しました」など思い思いの余韻に浸りながら会場を後にしていました。
佐々木梅冶さんは1973年に劇団民藝に入団。民謡からシャンソン、茶道、狂言、クラシックバレエまで関心が高く、古典劇でも現代劇でも幅広い役を演じている。声優として「相続人」「トイストーリー・2」や韓国ドラマ「オール・イン」「チャングムの誓い」にレギュラー出演するなど役柄によって多彩な声を聞かせています。
流山おやこ劇場は「子ども達に夢を!たくましく豊かな創造性を!」を合言葉に鑑賞や体験、子育て支援など1986年から様々な活動をしています。来年は設立20周年となるため、また新たな活動を拡げようと会員一同夢を膨らませています。流山おやこ劇場では、11月13日(日曜日)にも流山プレーパーク“はらっぱ”で「あそぶかい」を開催、11月19日(土曜日)には南流山センターで「吹き矢のサイエンス」を予定しています。
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