平成18年1月16日(月曜)、常盤松中学校で、東京大学大学院教授の佐藤学さんを招いて自主公開研究会が行われました。当日は、午前中に黒須秀子教諭が音楽の授業を、午後は篠田毅典教諭が社会科の公開授業を行い、その後、全体研究会が行われました。学校単独の自主公開研究会にもかかわらず、佐藤学さんの考えに共鳴する教育関係者らが市内をはじめ静岡県など県外からも多数駆けつけました。
佐藤学さんは、東京大学大学院教育学研究科長兼教育学部長、日本教育学会会長、教育学博士。「行動する研究者」として全国の現場を訪問し、教員と協同して内側から改革に挑戦。教室については「活動的で協同的で反省的な学び」の実現、校内には教師同士が育ちあう「同僚性」の構築、学校と地域との連携においては保護者が授業の創造に参加する「学習参加」の実践を推進し、「学びの共同体」という学校の未来像を提起して内側からの学校改革を推進しています。主な著書に「公立中学校の挑戦」や「授業を変える 学校が変わる」など多数あり、常盤松中学校への訪問は昨年に続き2年目です。
常盤松中学校の研究主題は、「活動的・協同的・表現的な学びを求めて〜共に学び合う授業づくり〜」。同校では、どの生徒も学びに参加する授業づくりをめざしており、具体的には、具体的なモノ(道具・素材・人等)を使って意欲付けを図る「活動的な学び」、相互に依存し合い、自立し合う協同(グループ学習)的な学びである「協同的な学び」、さらに、自分のわかり方を発言や作品として表現して、仲間と共有したり、吟味したりする学びである「表現的な学び」からなっています。
会場では、コの字型机配置や小グループ(4人グループや生活班)を取り入れ、話しやすく聴きやすい場の設定を工夫しました。同校では、教師全員が年1回以上、授業公開を行い、原則、月1回は学年でビデオ録画をともに研修しています。池畑校長は、「いまの子どもたちを理解するために、教師1人だけがかかわるのではなく、複数の教師がさまざまな角度から丁寧に観察し、理解し接することが大切」と語っています。
今回も、公開授業後、実際に2学年の教職員が教室中央で、毎月行っている研修会と同じようにお互いの意見交換を行った。その会議を取り囲むように他学年や他校の教職員らが研修しました。この日の社会科は地理分野で学習テーマは「日本の貿易を考えましょう」。日本の貿易について、輸入国や輸出国などの円グラフや年次を追った棒グラフから何が読み取れるか類推するというもの。「みんなで話し合ってみてください」という時間を何回も設け、グループで話し合った推論をそれぞれに発表しあい、検証しあうというもの。「あなたが総理大臣や貿易担当大臣だったらどのような貿易をしたいですか」という問いには、「国をなくして地球をひとつの国にすれば貿易がなくなります」という女子生徒の意見もありました。
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