全国で児童や幼児を狙う凶悪犯罪が続発し、地域の防犯力が問われている時代。平成18年2月3日には野田市で、登校中の6年生男児が、愛宕駅からわずか300メートルという市街地で、通勤・通学の時間帯に男に切りつけられるという事件が発生しました。各地で登下校時や通学路の安全が見直されている中、2月8日(水)、流山北小学校体育館で、千葉大学大学院教育学研究科講師で元・千葉県警本部地域部参事官の星幸広さんを講師に「子どもの安全をどのように守るか〜学校・家庭・地域」という講演会が行われました。
会場には、市内15小学校と8中学校の教職員、PTAら約100人が集り、児童・生徒をどう守っていくかを学びました。講演では、子どもの守り方として、「点」で守る学校では、防犯カメラやセンサーなど立派な鍵も、かけ忘れては何にもならず、結局は「人」の意識の問題であることを強調。さらに、「線」で守る通学路では、安全であるはずの道路でこれだけの犯罪が発生していることを考え、基本的に見直さなくてはと訴えました。「面」で守る地域社会にも触れ、地域全体の安全なしに、学校の安全も、子どもの安全もないと、社会全体の防犯や治安に言及しました。
また、学校、保護者、そして地域の連携のあり方について、「大変だ、大変だ」とマイナスにばかり考えないで、この時期こそ古きよき日本の地域社会の再構築のチャンスと前向きに考えることが大事です」と語り、広島や栃木の事件を無駄にしてはいけないと呼び掛けました。そして、地域などとの連携について、無理なく長く続けられる体制、リーダーの指定と実施方法の検討、通学路・地域全体の安全点検、子どもに対する安全教育を具体的な事例あげて説明しました。そして、「長い長い戦いです。息切れしないように」と結びました。
星さんは、福島県出身で、63年に県警警察官を拝命。当時は流山を含む柏署を振り出しに、鉄警隊長、警察庁警備局(首相警護責任者)、少年課長、地域部参事官を歴任し02年退官。昨春から千葉大学大学院教育学研究科に新設されたスクールマネジメント専攻の「学校の危機管理特論」講師に就任しました。
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