薪能公演2007
更新日 平成19年6月11日


 初の薪能で1,200人が幽玄の世界を楽しむ 悪天候で室内に変更、本格的な伝統芸能を堪能

[画像]東京理科大の体育館に能舞台を設置して(20.2KB)

 6月9日(土曜)夜、流山で初めての薪能が行われました。当初、運河水辺公園に能舞台を特設して開催される予定でしたが、天候不順のため近くの東京理科大学体育館に会場を移して室内での開催となりました。残念ながら、運河堤でかがり火の中での能鑑賞とはなりませんでしたが、950席の前売り指定席はもちろん、当日売りの立見席にも250人が集まり、合計1,200人の方々が幽玄の世界を楽しみました。


[画像]広い体育館が観客席でいっぱいに(15.5KB)

 薪能とは、夜間に能舞台の周りにかがり火を焚いて、その明かりの中で特に選ばれた演目を演じる能のことで、平安時代の中期から催された日本の伝統芸能。演目は「仕舞」が経政・山姥、「狂言(和泉流)」が蚊相撲、「能(宝生流)」は黒塚がそれぞれ演じられました。


[画像]狂言では会場から笑い声も(14.6KB)

 開演にあたっては、仕舞や狂言、能に関する説明や出し物のストーリー解説が行われ、初心者にも解りやすい演出がなされていました。狂言の「蚊相撲」ではユーモラスな動きに会場は笑いに包まれましたが、能の「黒塚」では、庵の女性が鬼女に変わる圧巻のシーンでは客席も息を飲み水を打ったように静まるなど、起伏のある演出に大きな拍手が贈られました。


[画像]能が始まるを会場内は照明を落として(12.7KB)

 各新聞や地域紙などに紹介されたこともあり、5000円から3000円の指定席950席は、5月中に完売となるほどの人気でした。今回の薪能公演は、これまで流山おおたかの森駅で行われてきた「駅コンサート」の初めての出張版として、会場を運河駅に移して開催されました。117年前の1890年5月に完成した利根運河は、流山が誇る土木遺産であり、自然豊かな市民の憩いの場として親しまれていることから、利根運河の魅力を再発見し、広くアピールしようと企画されたものです。


[画像]舞台の間近まで観客席が(14.1KB)

 体育館の入口にかがり火を焚いて、川がない分だけ、客席は能舞台のすぐ前までせり出した会場設定となりました。「利根運河の水面に映るかがり火を見ながら雰囲気を楽しみたい」という声もあって、雲の多い夕方の空をうらめしく見上げてのスタートでした。しかし、メインの能が始まる頃には、強い風雨に見舞われ「屋外でやらなくて、いいところで中止にならずに良かったね」と安堵する声も。


[画像]鬼が登場してクライマックスに(16.9KB)

 主催した流山おおたかの森駅コンサート実行委員会(宮原哲也委員長)の皆さんは、天気予報を横目で見ながら直前まで利根運河堤のゴミ拾いや草刈りなどに汗を流していました。会場の草刈りでは、多くの人出を見込んでか、捨て猫をされた人もいて、ボランティアの皆さんは猫の世話をしながら裏方の作業に奔走していました。


[画像]機敏な舞をみせる鬼(15.8KB)

JCNコアラで当日の様子を放送

 薪能の様子は、1時間番組に編集され、ケーブルテレビのJCNコアラの人気番組「コアラスペシャル」で紹介されます。6月16日(土曜)から6月30日(土曜)までの半月間、毎日1回ずつ放送される予定です。放送時間は、月・水・金曜日が15時から、火・木曜日が12時から、土曜日が13時から、日曜日が19時からそれぞれ1時間です。ケーブルテレビに加入されていない方でもインターネットの環境によってはBBコアラでライブストリーミングをご覧いただける場合もあります。



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