6月10日(日曜)、博物館のピロティで「貝輪(かいわ)づくり教室」が行われ、20組の親子が古代の装飾品づくりに挑戦しました。親子を対象とした同館の子ども教室のひとつとして開催されたもので、職員や学芸員志望の実習生らが指導しました。これまで実施してきた「勾玉づくり」などに続く古代のアクセサリーシリーズとして初めて企画されたものです。
雷雨の中、屋根の下にブルーシートを敷いての作業で、稲光が光り、雷鳴が轟くたびにキャーキャー歓声を上げながら、小学生は、あいにくの悪天候も楽しんでしまうようです。ベンケイ貝を砂袋の上に置いて、貝の頂点を内側から割らないように、石などで慎重にたたいて穴をあけて、ブレスレットにするという単純作業。しかし、力を入れすぎると割れてしまって輪になりません。逆に慎重になり過ぎると穴が小さくて手が入らないとなかなか難しいものです。穴を開けたときに割れた貝の破片が飛んで目に入っては大変と水泳用のゴーグルを着用しての地道な作業でしたが、小学生大人も驚くほど根気よく穴を開けていました。
砂山と石と貝と砥石の4つの材料は、古代と同じです。流山市内でも縄文人の人骨の腕に貝輪が飾られたまま発掘されているそうです。貝は色や形の美しさを持ち、主要な食料源、装飾品になり、富の表現にもなったといわれています。ベンケイ貝の飾り物は、日本中で出土していますが、この貝は、本州以南の暖かい海にいる貝であることから縄文時代にどのようにして、伝わってきたのかロマンをかきたてます。流山はかつて湾が入り組んでいたと言われ、土中から貝類が数多く発掘されています。流山の地名の由来は、川を土塊が流れ着いてできた山から「流れてきた山」という民話が通説ですが、一部の郷土史家では川や海が入り組んでいた時代の「中洲の山」からきているのではないかと言われています。
ベンケイ貝は、祭祀に使う重要な道具といわれ、大きく分厚く、そして頑丈な二枚貝のため、「弁慶」の強さを連想しての命名ではないかと言われています。子どもたちは、できあがった貝輪を腕に通してブレスレットにしたり、穴が小さかったものには紐を通してペンダントにしたりと縄文人のアクセサリーを身につけて楽しんでいました。同館では、さまざまな体験学習の機会を企画していますが、7月22日(日曜)には、「竹を使って水鉄砲をつくろう」、8月11日(土曜)には、「縄文の織物アンギンづくりに挑戦してみよう」、10月28日(日曜)には、「どんぐりで笛をつくろう」などが予定されています。お問い合わせは博物館04−7159−3434へ。
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