「運動で予防するメタボリック・シンドローム」と題した講演会が7月29日(日曜)、生涯学習センターで行われ200人の皆さんが健康づくりを学びました。市では、メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)に焦点をあて、NHKの「ためしてガッテン」や「きょうの健康」、民放の「おもいっきりテレビ」などでおなじみの医学博士・久野譜也さん(筑波大学大学院久野譜也准教授)を講師に、運動による予防や改善についての講演会を開催しました。内臓脂肪の蓄積により、高血圧や高脂血症、糖尿病などの複数の生活習慣病を合併している状態の「メタボリック・シンドローム」。現在の日本の中高者においては男性の2人に1人、女性の5人に1人が予備群も含めたメタボリック・シンドロームであるといわれています。
市では、ことし1月市制施行40周年を記念して「健康都市宣言」を行いました。この一環として、久野准教授が社長を兼務する筑波大学の事業「つくばウエルネスリサーチ(TWR)」は、流山市で、個々人の体力レベルに応じた個別健康支援プログラムを提供していこうと今秋10月から流山ヘルアップ事業を始めます。久野准教授は、効果のあるプログラムとして体力年齢の若返り効果のための内臓脂肪の減少の重要性を説き、体力年齢は、体力測定項目のそれぞれの得点を合計した体力得点と性別から換算した数値を披露。2003年〜2005年度にTWRのプログラム提供を受けた自治体の参加者1646人のプログラム開始前とプログラム実施後の体力年齢の変化は、プログラム開始前の参加者の体力年齢は実年齢よりも平均2.7歳高かったが、プログラム実施後の体力年齢は実年齢よりも3.4歳若返ることが示されたことなどを例に挙げ、食事と運動と禁煙の3つを続けようと呼び掛けました。
渡部昭彦さん(80)は、地元・東深井小学校の「見守り隊」に所属し、児童の下校時などに合わせて地域を歩くことで健康づくりと地域の安全を実践していらっしゃるそうです。日頃はグラウンドゴルフなどで身体を動かしていますがお嬢さんからの勧めもあって今回参加したということでした。また、鳰原千江子さん(73)は、一人で体調や天候に合わせて自由にウォーキングをして歩数計の数字をカレンダーに記入していますが、科学的に根拠のあるやり方でちゃんとやってみたいと思って参加したと語ってくださいました。当日は、1時間半の講演の後、会場で椅子を使って筋力アップの運動も実践。また、エアロバイクなどの器具を使った体験も行いました。
久野准教授は、健康はこれまで、個人の生活の質を高め維持するという個人的な部分だけで語られてきましたが、「社会貢献」という社会的な側面も大きいと定義しました。 厚生労働省のデータでは、日本人の「寝たきり」になる原因は、脳卒中が34%、転倒骨折が12.2%と高いことから脳卒中の防止には歩いたりエアロをしたりする有酸素運動が、また、転倒骨折防止には、大腰筋を鍛えるなど筋トレが大切で、いずれも「運動」と「食事」と「禁煙」が必要であり、そのどれかひとつだけを選んでも効果がないと語りました。食事だけで減量しても、筋力が減って基礎代謝量を減らすため太りやすい身体をつくるだけで、内臓肥満を解決するには運動、食事、禁煙という3つの生活習慣を見直すことが大切だと訴えました。
日本人の多くは、「知っているし、わかっているが、歩く暇もない」という方が「主流派」であるとユーモアを交えて紹介。健康寿命と歩いた距離は関連があることがハーバード大学の地道な研究の成果として発表されていることを説明されました。そのうえで「明日から」などと言わず「きょうから始めましょう」と呼び掛け、キリギリスではなく、アリになりましょうと締めくくりました。なお、市では一人ひとりに適した運動プログラムで、健康を維持していくための「流山ヘルスアップ事業」の参加者を募集していますが、8月5日(日)10時〜15時、流山おおたかの森S・C3階市出張所ロビーを使った「日曜情報センター」で、「あなたのための健康プログラムで体力アップ!」と題して流山ヘルスアップ事業の体験ができるコーナーを開設します。入場無料、申込不要。お気軽にご参加を。お問い合わせは、国保年金課04−7150−6077へ。
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