7月28日(土曜)、文化会館で、すず虫交換会が行われました。流山すず虫の会(坂本ヒロ子会長)が毎年、この季節に開催しています。当日は、飼育ケースを持ったすず虫ファン約200人が参加し、約2万2000匹のすず虫を囲んで達人の飼育体験談などを熱心に聞きました。ことしは春の天候不順などもあり、卵からかえったのは6月11日の人や6月23日の人もいるなど例年よりやや遅くなったということです。
昭和48年に「流山にすず虫の音色を復活させよう」と、観光協会が中心になって江戸川堤や総合運動公園などで「すず虫放虫の夕べ」を開催。昭和60年からは、すず虫放虫も含めたさまざまなイベントを行う「市民の夕べ」になり、平成になって、放虫だけではすず虫は増やせないと当時、タウン誌「流山わがまち」を発行していた山本文男さんの勧めで「流山すず虫の会」を発足して交換や無料配布などを行うようになりました。すず虫は、同じ所での交配は、血が濃くなり小ぶりになりなど避けた方がよいことから、飼っている人同士での交換会を行い、交換できる人を増やそうと無料配布も始めました。最近では、無料配布の方に人気が集まっていますが、流山すず虫の会では「ことしは差し上げますが、来年は、ぜひ、孵化させて、交換にいらしてくださいね」と呼びかけていました。
孵化させるためには、秋になると、メスは土の中に産卵してやがて一生を終えるので、その死骸やエサの残りを取り除き、飼育容器を、あまり温度差のない所に大切に保管し、3月初めごろ、飼育容器を取り出して、水分を補充し暖かい所へ出しておくと、6月には幼虫が生まれてくるということです。その間は絶対に湿り気を切らさないようにして、生まれてきたら、新しく準備した別の容器に移すのがよく、この時は、紙などに止まらせて移すようにして、幼虫は手では絶対にさわらないようにとのことで、今回も直接、手に触れず紙や木にとまったすず虫をティッシュで払うようにそれぞれの飼育容器に移しました。
当日は、飼い方のコツなどについて情報交換なども行われました。すず虫は雑食で自然界の中では、草の葉や虫の死骸などを食べますが、飼育するには、ナスやキュウリなどの野菜類、そのほかカツオの粉などもよいが市販のエサも手軽だといいます。また、スズムシは「夜行性」なので暗いところが好きで、夜になると表へ出てきてよく行動し、エサもよく食べるので、昼間の明るい時は物陰へ隠れられるよう、隠れ場や止まり場が必要。さらに脱皮をする時にも足場が必要と話していました。こうのす台の石田かづ子さん(69)は「ここ2年は飼育に失敗して卵がかえらないんです。群馬に帰省したときにすず虫をとってきて以来30年くらいの飼育歴です」と語ってくださいました。
野々下の野水籌子さん(77)は「孵化しなければ止められるのですが、生まれてきちゃうので止められずに飼育歴10年になりました。孫がつくった小さな木の箱を飼育容器の中に入れているので、すず虫の運動範囲が増えています」と語ってくださいました。平和台の堀江健康さんは、仕事の休憩時間に大きな水槽4つ分のすず虫を持参し提供してくださいました。加の松田淳さんはすず虫の飼い方を約30分伝授。水を直接霧吹きでかけると、羽にカビがはえてしまうことや、すず虫が草の裏側などに逆さにとまって鳴くのは鳥などに発見されないように防衛の本能なので、植木鉢の割れたものなどを入れておくとよい。直射日光は絶対に避ける。オスは縄張りを持つので小さな容器にあまり多くを飼って過密状態にしないなどのポイントをわかりやすく解説してくださいました。坂本会長は、「すず虫の鳴き声があちらこちらで聞こえてくるような自然と共生できる街にしたい」と語ってくださいました。
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