12月3日からの障害者週間と、翌4日からの人権週間を前に、12月1日(土曜日)、南流山センターで「人権講演会」が開催されました。松戸人権擁護委員協議会流山部会(秋月孝夫会長)の主催で毎年行われているもので、今年は、市内で盲導犬ホーリーと暮らす盲導犬ユーザー(使用者)の道端久美子さんを講師にお迎えし開催、約80人の方々が参加されました。
道端さんは、目が見えなくなってからパソコンを始め、音声ソフトを使って盲導犬に関するエッセーにも挑戦。昨年冬にはNHKニュースでもこうした活動が紹介されました。今回の講演会は、身体障害者補助犬法が施行されて4年になりますが、「犬がかわいそう」、「犬は入店お断りです」など、まだまだ盲導犬について誤解されている方が少なくないことから、盲導犬ユーザーの道端さんに日常の体験談や苦労話などをお話いただき、理解を深めていただこうと開催されたものです。
盲導犬ホーリーと暮らし始めて2年半という道端さんですが、まだまだホーリーと100パーセント理解しあえる仲にはなっていないとのことです。一般に、「街中などで盲導犬がユーザーと一緒にいるときは、仕事中なので声をかけないように」といわれます。道端さんは、「確かに街中でホーリーに話しかけられるのは困りますが、困っている私たちを見かけたら私に声をかけてください。自分ではホーリーの動きや周りの状況が見えないので、『今、横断歩道の線にピッタリの所で止まりましたよ』『歩道に障害物があったのに上手によけましたよ』といったことを教えてほしい」と話されました。
ユーザーには盲導犬が上手にガイドしていることが分からないため、褒めてあげられることが少ないので、うまく誘導できたときは、道端さんも思いっきりホーリーを褒めてあげたいそうです。盲導犬が上手にできたことを教えていただき、それをユーザーが褒めてあげる。盲導犬とユーザーの絆をより強くするお手伝いをしてほしいのですと来場者に協力を呼びかけました。道端さんは、お住まいの江戸川台周辺を良くホーリーと歩かれるそうですので、皆さんも見かけたら道端さんにお声をかけていただき、ホーリーの様子を教えてください。
道端さんが、講演されている間、ホーリーは道端さんの横に寄り添うように座り、終始落ち着いた様子でした。時折、場内が大きな笑い声に包まれたり、椅子が突然倒れて大きな音がしたりしましたが、ホーリーはまったく動じずに座ったまま。おそらく、家で愛犬を飼われている来場者は、道端さんのお話とともにホーリーの利口さにも感激されたのではないでしょうか。
現在、流山市内には二頭の盲導犬がいますが、その一方のカーリンと一緒に生活されている片山澄江さんも会場にいらしており、「カーリンは年齢の関係で私との生活はあと半年です。道端さんとホーリーはまだ二年半、これから必ず信頼しあえる関係が築けます。どんどん外に出て、ホーリーと楽しい生活を」と激励されていました。
また、会場には市内で盲導犬の繁殖ボランティアやパピーウォーカー(飼育ボランティア)をされている方々も講演を聴きにいらしていて、講演後のアンケートに「ユーザーの方の生の声を聞けて有意義でした。今度お見かけしたら声をかけさせていただきます」と感想を書かれていました。なお、今回の講演会では、流山市要約筆記奉仕員と流山市手話通訳奉仕員のご協力で要約筆記と手話通訳を行ったため、耳の不自由な方も参加され「分かりやすく良かったです。講演内容もご苦労がよくわかった」といった感想をいただきました。
講演会を主催された本市の人権擁護委員の皆さんは、拉致は人権侵害という視点で、平成15年度から市役所ロビーに白いクリスマスツリーを設置し、拉致問題の早期解決と被害者の無事救出を祈って、ツリーにブルーリボンを結んでいただく募金活動を展開しています。今年も12月25日まで、市役所ロビーにツリーを設置していますので、ご協力をお願いします。さらに、12月11日から12月17日まで同じく市役所ロビーで「人権作文・ポスターの展示」を行っています。こちらも、ぜひ、ご覧ください。お問い合わせは秘書広報課04−7150―6063へ。
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