流山中央ロータリークラブの青少年ふれあい陶芸教室が、2月9日(土曜日)、西深井の紫焔窯(田口佳子主宰)で行われ、中学生ら30人が初めての作陶に挑戦しました。参加したのは、南部中学校の美術部(寺嶋洋香部長・24人)の生徒と同ロータリークラブの会員の皆さん。
食材など「偽り」が横行する風潮の中で、本物の陶房で作陶を体験学習してもらおうと、流山中央ロータリークラブ社会奉仕委員会(玉ノ井哲夫委員長)が主催したものです。講師は、流山中央ロータリークラブの今年度の会長で秋耕展大賞や文部大臣賞などに輝く陶芸作家の田口佳子さん。
中学生は、たたき棒やのばし棒、筆、針、テグス、へらなど慣れない道具を使って、手びねりや手ろくろで湯飲み、皿、鉢など思い思いの作品づくりに挑戦しました。今回の作陶は、手びねりなどで形をつくり、下絵を付けるまでの作業。この後、乾燥させ、素焼き、釉薬かけ、本焼きをして、3月7日には南部中学校に作品が届く予定。焼きあがると水分などがなくなることもあり2割くらい小さくなるそうです。
酒徳利とお猪口をつくった3年生・小田島冴那さん(14)は、「家族に使ってほしい。私は未成年なのでお酌だけします」。2年生の寺嶋洋香部長(14)は、「普段は絵を描く活動が中心ですが、今回は本格的な陶房で、先生以外の大人の人にこんな風によく指導していただいて光栄です。作品は家族へのプレゼントにしたい」と語ってくれました。
佐藤正一郎同中学校長は、生徒に陶芸をしたい人を募ったところ200人以上になってしまい、今回は美術部員だけがお世話になることになりましたが、次回は学校など広い場所でもう少し多くの生徒に体験の機会を提供してほしいと語りました。青少年の育成には、家庭と、学校と、地域の連携が叫ばれていますが、今回の教室で地域の力として指導に当たったのは、田口さんの門下生「ゆうの会」の皆さん。
ゆうの会会長の近江宏文さん(65)は、「美術は器用さが言われがちですが、陶芸は不器用でも心をこめて作るかどうかが問われる芸術」と語り、「生徒の皆さんは遊びに来ていない。熱心に心を込めてつくっている」と評価しました。1作品目は、湯飲みやアクセサリー入れのハート型容器、徳利など実用品を作った中学生も慣れてくると、2作品目には自由な発想で妖精などのオブジェづくりに挑戦する生徒が多かったようです。
田口さんが、電動ろくろを回すと、土の塊からマジックのように湯飲みや花器などが生まれ、生徒から「わー、すごーい」などと歓声があがりました。田口さんは、土をこねるところも実演して見せ、書道家が墨をするように、土と対話しながら練ってほしいと解説。「土ねり3年、ろくろ6年」と言われる陶芸の極意の一端を披露しました。中学生が土を大事にしながら丁寧に作陶したことに触れ、「皆さんが陶芸を楽しんでくれ、作品が喜んでいる」と今回の成果を評価されました。
田口さんは、陶芸を始めて25年、教室を始めて20年という節目の年での今回の教室の開催に当たって、参加者が女子生徒だけということにも触れ「女性は結婚や出産で好きな道を頓挫しがちですが、せっかく芸術がすきで美術部で活躍しているのですからあきらめずにすきなことを追求し続けてほしい」と部員を激励しました。窯元の田口さんは、中国は宋の時代によく使われた紫紅釉に魅せられ、追求していることから「紫焔窯」の名の窯を西深井に、また、一昨年には流山おおたかの森駅近くの「ふくろうの森陶房」を開設。芸術活動のかたわら地域の文化の振興にも尽力していらっしゃいます。お問い合わせは紫焔窯04−7154−9656へ。
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