市教育委員会では、「三輪野山貝塚発掘調査概要報告書」を刊行し販売しています。現在、市立博物館で、好評開催中の「三輪野山貝塚出土品展」に展示さている遺物が掲載されているもので、約10年におよぶ発掘調査の様子や出土遺物について、カラー写真で分かり易く説明されています。
土地区画整理事業により発掘調査の続いた三輪野山遺跡群。その中で、縄文時代後晩期の貝塚である三輪野山貝塚の発掘調査では、約100軒の住居跡や墓坑などが発見された集落と、五つの貝塚に調査のメスが入りました。
発見されたのは、集落の真ん中に大石が置かれた「中央窪地」と呼ばれる祭りの場や墓域。また西側斜面の第5貝塚と盛土は、中央窪地を環状に囲んだ盛土の一部であること。三輪野山貝塚が、縄文時代後期以降に関東地方に現れる環状盛土遺構と貝塚が複合した「拠点的集落」であることが分かりました。さらに斜面部分で発見された、階段部分を伴う道路状遺構は、全国で三番目の調査例です。
集落と貝塚、中央窪地と環状盛土から出土した土器や石器の他に、土偶や石棒・祭りの土器、貝やシカなどの骨・角で作られた道具、赤彩された土製耳飾りや緑色を帯びたヒスイの勾玉などがカラー写真で紹介されています。貝殻が充満した竪穴住居跡、土器や骨などが貝層から出土した生々しい状態など、発掘時の様子も紹介。また、三輪野山貝塚の集落の移り変わりが図や表で示されています。
発掘調査報告書は、ほとんどがモノクロ印刷ですが、今回カラー印刷で分かり易くなっています。また、これまで図書館や学校など公共機関に配布していましたが、多くの市民の皆さんに直接手にしていただきたく、販売することとなりました。この報告書から、縄文人は森や海でどのように暮らしたか、生活の様子を創造してみるのはいかがでしょう。さらに、掘り出された遺物からは、その技術の高さや造形美をご堪能ください。
【販売場所】
博物館、市役所生涯学習課
【販売価格】
1000円(税込み)
【問い合わせ】
生涯学習課(04−7150−6106)
市立博物館(04−7159−3434)
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