6月21日(土曜日)、文化会館ホールで公開講演会「脳のしくみ、脳を元気に保つ工夫のアレコレ」が行われ700人が老後の健康管理などを学びました。市内5か所の公民館を中心に中高年者の生涯学習の場として人気の「流山市ゆうゆう大学」の公開講演会として公民館が企画したものです。講師には、東京理科大学名誉教授で薬学博士の久保田和彦さんをお招きしてスクリーンに映し出されたデータなどを示しながら脳の健康を中心に学びました。
講師の久保田和彦教授は、昭和28年に熊本大学薬学部を卒業、昭和39年薬学博士(東京大学)、昭和54年シカゴ医科大学客員教授、平成13年から東京理科大学名誉教授をされ、「病態生理と薬物治療」(地人書館)、「症状から見た臨床病態学」(広川書店)など多くの著書があります。ある推計によると、85歳から90歳の日本人女性の認知症有病率は実に30%にも達し、男性のそれも22%強といいます。認知症のほかにも、脳梗塞などで脳神経が傷害されると、日常生活行為(ADL)や社会生活行為(ASL)が阻害され、生活の質(QOL)が著しく低下すると解説されました。
講師は、脳血管障害は、高齢者を介護に追いやる最大の要因とし、まず「脳血管障害を未然に防ぎましょう」と客席に呼び掛けました。高齢になれば、老化による身体の不具合や経済的不安などの負の要因が増えるために、心気症的傾向が強まるそうです。高齢者が抱える「脳」の問題は多彩で、「脳の元気」を「脳」だけで解決することはできませんが、ここでは脳の神経を元気に保ち、認知症を予防する手立て、メンタルヘルス、高齢者のQOLを良好に保つための工夫などについて語ってくださいました。
講演では、脳の神経を養っている血流を良好に保つにはどうするか、血管内皮や脳神経を傷害するといわれるホモシステインを減らすにはどうするか、アルツハイマー病の原因とされるアミロイド・ベータの生成を予防し、神経細胞死を防ぐためにどのような手段が知られているかーなどの観点から「脳神経の活動に必須のビタミンB1摂取の重要性、またインスリン抵抗性改善の重要性」について解説。また、記憶の衰えをカバーする方法、認知症予防に役立つといわれている各種の方法として、「指、唇、舌などを活発に動かすと脳の刺激に役立つ、葉酸、クルクミン、DHAなどは神経の元気に役立つ、有酸素運動、ダンス、ゲーム、写経などは認知症のリスクを下げる」などの事例を具体的に紹介してくださいました。
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