11月22日(土曜日)、森の図書館で「いつでも どこでも だれでも 緩和ケアを必要なときに」と題して、第2回「森の学校」が開かれ34人が参加しました。森の図書館とNPO法人ながれやま栞の共催で行われたもので、流山市が柏・我孫子市とともに厚生労働省の「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」のモデル地区に指定され、「緩和ケアを知る100冊の本」を同プロジェクトから寄贈を受けたことにより企画されました。
「体のこと 病気のこと 医療情報の探し方」については、森の図書館の白田一雄次長が、医療図書館に勤務していた経験をもとに、森の図書館にある本を見せながら図書館での医療情報の探し方について説明。また、インターネットによる検索方法についての諸注意なども話しました。「緩和ケア」についての講演の講師は、筑波メディカルセンター病院・茨城県地域がんセンター緩和医療科診療部長の志真泰夫先生が務めてくださいました。志真先生は、「緩和ケアを知る100冊の本」の選書にも尽力された方です。
講演では、WHOの「緩和ケアの定義」は、癌に限らず、病気による苦痛を和らげ、苦痛の軽減を図り、生活の質を向上するためのアプローチである。厚生労働省の科学研究がん対策のための戦略研究が諸外国と日本を比較した結果、先進国の中で日本は病院で死ぬ率が高く、痛みをとる治療が少ない。その結果、癌対策基本法ができた。法律はできたが現場ではモデルが必要であることから、全国4か所「長崎」「鶴岡」「浜松」「流山・柏・我孫子」がモデル地区として指定されたことなどが、分かりやすく説明されました。
「日本では、江戸川台を見れば判りますが、高齢化社会に近づいている」と江戸川台在住の先生の言葉に、会場には笑い声もこぼれました。「私は心と言う字の語源は、『ころころかわるからこころ』ではないかと思います。私は敢えてひらがなの『こころ』という字をよく使います。癌の病状とこころは変化する。病気の過程で変わっていくこころを受け止めましょう」と呼びかけました。
また、生と死をユーモアで綴る遺言川柳特選の「ねむるように死んだ夢見て飛び起きる」を紹介し、どんな状況でもユーモアが大切ともおっしゃいました。100冊の本は、「緩和ケアとは」、「からだのつらさを和らげる」、「自宅で暮らす」、「命や生きる意味を考える心を癒す」、「子どもと一緒に学ぶ小児とご両親の癌」の5つのジャンルに分けられます。先生によると、「わすれられないおくりもの」、「さよならエルマおばあさん」、「ダギーへの手紙」など、子どもの本から読むのがお薦めだそうです。
最後に、国立がんセンター東病院看護師・介護支援専門員の原田久美子さんから、がん患者・家族総合支援センターの紹介がありました。参加されていた50歳代の女性は講演を聞き終わって、「姉が癌で入院したので何とか良い環境を作ってあげたいと、いろいろと情報を探していたところ、森の図書館で緩和ケアに関する講演があることを聞いて参加しました。図書館で情報が得られる事が分かり、また、家族支援センターがあるのを知って心強く思いました」と感想を聞かせてくださいました。
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