来年5月の裁判員制度の実施まで半年。裁判員候補者名簿の作成も終わり、11月28日には候補者への通知が発送される予定です。そこで、裁判員制度で日本の裁判はどう変わるのかを考えるシンポジウムが11月22日(土曜日)、流山おおたかの森駅前の江戸川大学サテライトセンターで行われました。江戸川大学サテライトセンターと公民館との共催で開催されたものです。
国民が刑事裁判に参加して、裁判官と共に被告人の有罪・無罪はもちろん、量刑まで判断する「裁判員制度」の実施まで半年。「法律の知識は必要ない」、「常識の範囲で判断すればよい」と言われても、一般の人には裁判などあまり縁が無いもの。ましてや殺人などの重大事件ともなればなおさらのこと。自分が裁判員に選ばれたらどうするか。会場からは「生涯にわたる守秘義務など負担が大きくないか」など具体的な質問が数多く寄せられました。
「裁判員制度で日本の裁判はどう変わるのかシンポジウム」という長いタイトルのシンポジウムでは、「刑事裁判の現状と課題」をテーマに読売新聞論説委員の大塚浩之さんが取材活動を通して感じた裁判員制度の課題などを解説。続いて千葉地方検察庁主任捜査官の高梨利幸さんが、「裁判員制度の概要」をパワーポイントを使って分かりやすく説明。そして、「裁判員制度で日本の裁判はどう変わるのか」では、大塚さんと千葉地方検察庁の総務部長検事・森悦子さん、江戸川大学サテライトセンター長の濱田逸郎教授が、会場から寄せられた質問などを中心に裁判員制度への期待などを話し合いました。
参加された方々からは、「簡略化、迅速化はいいが、公判前手続きによって裁判員が参加する前にレールが敷かれてしまうのではないか」、「これまでの判例との整合性はどうするのか」といった質問や不安が数多く寄せられました。また、「開かれた司法、国民の意見を反映できるシズテムづくりはいいが、裁判はこれまで縁遠い存在だっただけに、あまりに“重い”負担ではないか」といった白熱した議論が交わされました。
今回のシンポジウムに続き、『裁判員制度を先取りする「模擬裁判」』と題して、12月6日(土)13時30分から15時30分まで、江戸川大学木内きぬメモリアルホール(流山おおたかの森駅からのスクールバスは12時40分発)で階段教室を裁判所に見立てて模擬裁判が行われます。人権週間期間中でもあるこの日、他人が介入しにくい家庭内での事件から「介護疲れによる実母殺害事件」を、朗読や演劇を学ぶ方々が被告や検察、弁護士、証人などに扮して演じます。受講生は傍聴席。もし、あなたが裁判員に選ばれたらどう判断しますか。受講料500円。お問い合わせ・お申し込みは、江戸川大学サテライトセンター電話 04−7156−7715、ファクス 04−7153−9100へ。ぜひ、ご参加を。
ぐるっと流山に関するお問い合わせは、担当課のページからお問い合わせください。
担当課のページ