今日から始まった「星野富弘 花の詩画展 流山」(同実行委員会・勝本正實実行委員長主催)に合わせ、文化会館で「花の詩画展オープニングコンサート 岩渕まことwith由美子〜星野富弘の詩を歌う〜」が行われ、約700人の観客がホールを埋め尽くしました。今回のコンサートは、星野富弘さんと親交も深く、星野さんの詩に曲をつけて発表している岩渕さん夫妻をお招きして、星野さんの人となりをお話しいただきながらのコンサートでした。
星野さんご本人と岩渕さんのトークも予定されていましたが、残念ながら星野さんの体調が思わしくなく、今回はビデオレターでのご挨拶となりました。ビデオの星野さんは「39年前に体育教師になってすぐ、頚椎損傷により首から下が動かなくなり、死にたいと思ったことも何度もありました。口に筆をくわえて書く文字や絵はお粗末なものでしたが、先に何の望みも無かった自分にとって大きな希望となりました。父や母、生徒の励ましを受けここまでこれました。私の作品を見ていただくことは、私の歩いてきた道を見ていただくような気持ちです」と、しっかりとした口調で語りました。
岩渕まことさんは、1977年にシンガーソングライターとしてデビュー、その年のコロムビアレコード新人賞を獲得。CMソングや、ドラえもんの映画「のび太の宇宙開拓史」のテーマなども歌っている方です。今回のコンサートでは星野さんのファンからも非常に人気の高い「ぺんぺん草」を含む11曲を披露。3年前に星野さんに初めてお会いしたという岩渕さん。芸術家ならではのピリピリした雰囲気を想像していましたが、体育会系のおおらかな人柄と、ユーモアたっぷりの話にすぐに仲良くなったといいます。
詩に曲をつける時、最初はまことさんお一人で歌うつもりだったそうですが、星野さんから「私は妻の支えがあり二人三脚でここまできました。岩渕さんにも、ぜひご夫婦で歌って欲しい」とリクエストがあり、急遽、由美子さんも参加することになったそうです。由美子さんも「まさか50歳を超えてから、こうして皆さんの前で歌う機会をいただけるとは思ってもいませんでした」と会場を笑わせました。
星野さんの作品というと、父母や奥様、生きていることへの感謝などを表現した、心に染み入る詩が多いイメージがありますが、ユーモア溢れる作品の一つとして「シクラメン」も披露してくださいました。「ラーメンが好き。そばが好き。ソーメンも好き。そんなわけでシクラメンも好き〜」という、アップテンポな曲調の歌に会場も大爆笑。岩渕さんの軽妙なトークと相まって、笑いあり涙ありのステージでした。
第2部では、流山北小学校5・6年生や流山小学校合唱部、市民合唱団「美しが丘女声合唱団」も登場。最後には子どもたちと岩渕さん夫妻が一緒に「ぺんぺん草」を合唱しました。県の合唱コンクールでベスト16に入った流山小学校合唱部の部長・湯田紗也さん(6年生)は「緊張しましたが、卒業前の最後のステージを楽しく歌えました。コンクールの勝ち負けではなく、星野さんの詩の意味を思いながら歌えました。お母さんを歌った『ぺんぺん草』が好きです」と話してくださいました。
コンサートが終わると、ロビーでは星野さんの詩集やカレンダー、岩渕さんのCDなどの販売が行われ、買い求める方々の人だかりができていました。最も列ができていたのは、岩渕さん夫妻のサイン会。岩渕さん夫妻は、一人ひとりのお客さんに丁寧に話をしながらサインをしていらっしゃいました。柏市からお越しの今田恵子さんは「星野富弘さんの作品は元々大好きでしたが、岩渕さんは今回のコンサートで初めて知りました。心に触れる優しい声に、すっかりファンになってしまいました」とサイン入りのCDを手に話してくださいました。
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