1月13日、市民総合体育館と市総合運動公園を会場に「庭木の手入れ講習会」が行われました。市では、毎年1回11月に造園組合のボランティアの皆さんを講師に講習会を行っていますが、毎回抽選になっている大変人気のある講座です。今回の講座は、流山シニアライオンズクラブ(福島啓介会長)が共催してくださり、千葉大学園芸学部の近江慶光さんを講師に20人が参加しました。
講師の近江さんは「都市部の樹木に関しては、剪定の目的を明確にすることが大切です。ただ伸びてきたから切るのではなく、剪定を行うことで植物が本来持つ機能を発揮できる状態にし、生長をコントロールすることで人間の生活に有効活用できるようにすることが重要」と言います。マンションの駐車場などの植え込みでも、排気ガス防止のためのものであれば、高さは腰高程度で十分で、逆に思い切った剪定をしないと、車からの視界が悪くなり子どもの飛び出しなどの事故の危険が高くなるそうです。
また、近江さんの学生時代には、枝を切るときに根本からきっちり切り落とし場合によってはカンナで削れと教えられたそうですが、最近では植物によっては、維管束という植物の血管にあたる管の修復のため少し根元(ブランチカラー)を残した方が良いことが分かっているそうです。植物の研究が進むにつれ、剪定の常識や大学での講義内容についても少しずつ変わっていくとのことでした。
前日には東京で初雪が観測され、この日も最高気温6度と今年一番の寒さを記録し強風が吹く中での実習。運動公園での1時間の実習を予定していましたが、寒さのためそれぞれの参加者がハサミを使う時間はあまり取れませんでした。それでも専門家に話を聞ける機会として、皆さん「ブランチカラーを作った後に消毒は必要か?」「サルスベリのこぶを無くす方法は?」「安全で正しい刈り込みバサミの研ぎ方は?」など、具体的な質問を講師にされていました。
講師の近江さんに積極的に質問をしていた、東初石にお住まいの井上憲夫さん。「盆栽や植木が好きで独学で色々勉強しています。盆栽と立ち木では、先ほど先生がおっしゃっていたブランチカラーなどの剪定手法でも異なるところが多いですが、手を掛ければ掛けただけ応えてくれるのは一緒で楽しいですね。こうした専門家の話を聞ける機会は勉強になります」と、他の参加者の方とも情報交換をしていらっしゃいました。
市では、「都心から一番近い森の街」を目指し、開発により失われた緑の回復と、個々の緑の連鎖により街全体の緑豊かな環境価値を創造するグリーンチェーン戦略を核とした様々な緑化施策や環境施策を推進しており、本講習会も、緑豊かな街並みをつくることを目的に行われています。昨年10月には、こうした市民の皆さんや企業との協働での緑化施策が評価を受け「第29回緑の都市賞」の国土交通大臣賞を受賞しました。
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