流山6丁目の杜のアトリエ黎明で、新春企画の秋元洒汀展「華麗なる赤城神社展」が1月4日(水曜日)から15日(日曜日)まで開催されますが、これに先立ち元日の1月1日に特別公開され、多くの家族連れなどが詰め掛けました。元日の開館は、近接する赤城神社を参拝される方々が杜のアトリエ黎明の前の道を大勢通るので、開館して「企画展やコーヒーを楽しんでいただきたい」と、市に同施設を寄贈した水彩画家の秋元由美子さんが指定管理者の株式会社グリーンダイナミクスに相談し実現したもので、今年で4年目となりました。
今回は、流山を代表する醸造家であり、明治から昭和前期の俳人として活躍した秋元洒汀(1869〜1945)にスポットを当てた企画展です。洒汀は、寺崎広業や田山花袋、竹久夢二など当時の数多くの文人墨客を流山の自宅に招き、そこで繰り広げられた文雅の交わりは、若き作家達の光彩の場となりました。そして、その殆どのメンバーは流山の地名発祥の地、赤城神社に詣で、句会をたびたび催したそうです。今回、初公開となる貴重な明治期の資料とともに、『洒汀の赤城神社』と言わしめた、その華麗なる系譜などが展示されています。
展示物の中で、特に目を見張るのが、会場中央に設置された「赤城明神」と記された書の掛け軸です。明治44年に洒汀が赤城神社に奉納したもので、日本の郵便制度の開祖で国字改良論の先駆者としても知られる前島密が揮毫したものです。この掛け軸は、赤城神社所蔵のものですが、秋元さんによると一般に公開されるのは初めてのことではないかとのことでした。この他にも、明治42年に拝殿を新築した際の貴重な資料や写真などが数多く展示され、洒汀が赤城神社にどれほどの係わりがあったかが伺えます。
秋元さんは、「赤城神社は、元和6年(1620年)に創建された由緒ある神社ですが、あまり市民の方々に知られていないようなので、今回は洒汀との係わりを通じて赤城神社のことを広く知っていただきたいと思い企画しました」と語っていらっしゃいました。赤城神社は、「流山の地名のおこり」にまつわる民話が残っていたり、市指定無形民俗文化財の「大しめ縄行事」が秋に行われるなど、流山の歴史にも大きな役割を果たしています。
南流山からいらした石山さんご夫妻は、「ご近所に近くで初詣でする場所はないかと尋ねて初めて赤城神社に来ました。帰りがけに寄ってみましたが、名立たる文人たちも来ていたと知って驚きました。展示をゆっくり見た後もう一度、赤城神社に寄って帰ります」とおっしゃっていました。この企画展は、1月4日から15日まで開催(1月10日は休館)。入場無料で午前9時から午後5時まで開館しています。お問い合わせは、管理事務所(電話:04-7150-5750、杜のアトリエ黎明・一茶双樹記念館共通)まで。
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