1月8日、大畔のコミュニティプラザ体育館を会場とした総合護身武道「拳正道」(秋月孝允道主)の鏡開きが行われました。拳正道は、昭和48年に初代道主・秋月正行氏(故人)により設立された流山発祥の総合護身武道です。現在では、関東を中心に約60の支部のほか、アメリカやインド、オーストラリアにも支部道場を開いています。
拳正道は、日本古来の武道精神を継承しながら、老若男女だれにでもできる護身武道として設立され、現在では、3万人を超える門下生がその精神と技を学んでいます。その内容は、突きや蹴り、またその受け技、関節や急所を利用して体さばきで相手を倒す技、ヌンチャクや棒など器物を使った技など多彩です。そして、「人と人との和と輪」や「奉仕の心」を現実の生活に生かすよう指導しているそうです。
武道というと一般の方には敷居が高いイメージがありますが、拳正道では各先生方も優しく、練習量や内容も無理なく自分でコントロールできるそうです。これも、自分で目標を持ちこれを達成していくという拳正道の精神が根底にあります。最近では、女性は護身のためだけではなく美容や健康に。年少のお子さんには、礼節を学べ身体を鍛錬できると評判だそうです。
鏡開きでは、約400人の門下生を前に秋月道主が「昨年は大きな災害があり、皆さん心を痛めたことと思います。私もどうしても何かしたく、福島に向かいましたが、被害に遭われた皆さんは明るさを忘れずに懸命に生きていらっしゃいました。私たちは、こうして皆で稽古ができることを感謝して、明るく元気に、良い稽古初めとしてくだい」と挨拶しました。続く奉納演武、奉納乱取などでは、高段者が、棒を使った技や、実戦形式での乱取を披露。合同稽古では、段ごとに分かれた各支部の門下生がそれぞれの技を磨き稽古に打ち込みました。
一方の少年拳士たちは、支部の異なる子たちともすぐに打ち解けるようで、初めての子たちとも稽古の合間も走り回ったり乱取りをしたりと、冷たい体育館の床の上でも元気いっぱい。流山南支部道場に通い1年半になるという落合陽菜さん(8歳)は「先生もみんな優しくて稽古は本当に楽しい」と同年代の拳士たちとはしゃぎながら話してくださいました。礼節を学ばせたくて通わせ始めたという母親の玲子さんは「礼儀ももちろんですが、何しろ体の動きがすごく良くなりましたね。もともと元気な子でしたが、さらに元気いっぱいに。楽しく通っています」とおっしゃっていました。
「拳正道という武道の始まりは、己の身を守り、周囲の大切な人を守る強さをもつということ。そして、強さには必ず優しさが伴ってなければいけません。私が稽古をつけていた弟子たちが教える立場になり、孫弟子、ひ孫弟子に、今強さと優しさを伝えてくれています」と、秋月道主は青少年が健全に成長していく姿を見るのが嬉しいと言います。
小さなお子さんには何よりも集中力がつくそうで、不思議と学力もアップするという二次的な効果も出ているそうです。某有名高校に合格した門下生は、受験の前日まで稽古に出てきていたので心配して声をかけたら「今さら勉強しても仕方ない、いつもどおりにやるだけです」と答えたそうです。集中力と自信、そして自然体、強さや優しさはもちろん、人が生きるために必要なものを身につけ、追い求める武道という道は、物質的に豊かになりながら閉塞感ただよう現代を読み解くキーワードなのかもしれません。
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