6月9日と10日の2日間、子どもたちに科学の不思議さや素晴らしさを知ってもらうことを目指す「青少年のための科学の祭典」が生涯学習センターと千葉市科学館で行われました。生涯学習センターでは2年前から行われ、難しく感じがちな科学を身近に感じられると人気です。9日はあいにくの雨となりましたが、それでも多くの親子連れや友達連れで賑わいました。
会場には実験や工作などが体験できるブースが所狭しと立ち並び、さながら科学博物館のようです。教えてくれるのは東葛地域を中心とした学校の先生や生徒たち。科学部などに所属する科学好きの子どもたちが参加者に科学の楽しさを伝えようと、身近にあるものを使いながら、各自工夫を凝らした内容をこの日のために考えてきました。
県立柏高校の数学愛好会・折り紙愛好会のブースでは、正三角形がいくつも連なった一枚の紙から、複数の面を隠し持った正六角形を折る「ストウンの正六角形」を展示。体験用には作りやすいようにと10個の正三角形の紙から3面を持つ正六角形を折りましたが、一定の法則性があるため、紙の厚さを無視すれば理論上は100面でも10,000面でも持った正六角形が折れるそうです。折り紙愛好会会長の三好裕樹君(高校2年)は川崎ローズと呼ばれる複雑なバラの折り紙をものの10分ほどで折るほどの腕前で、同校文化祭に向け幅1メートルほどのティラノサウルスの頭蓋骨骨格を折る予定とのことです。
「色々色実験」と題して、化学変化による色の変化を塗り絵にすることで、身近に感じてもらおうと工夫したのは渋谷教育学園渋谷中学高等学校理化部の皆さん。空と花と土の三つの部分に分かれた真っ白な絵に、フェノールフタレインやタンニン酸などの薬品を塗り重ねると、たちまち絵はピンクや青に染まり、またシュウ酸を吹きかけると瞬く間に真っ白な絵に戻ってしまい、子どもたちからは「不思議!」と驚きの声が上がりました。
北豊島中学校・高校は、回すと立体的に見える立体コマを作ります。作り方はいたって簡単で、丸く切り抜いたボール紙に、楊枝をグルーガンで取り付け、そのコマの端に切れ目を入れ立てれば完成です。その立てた部分が回すと立体に見えるもので、子どもたちはコマに好きな絵を描いて回ったときの絵柄を見て楽しみました。同校の山川幸子さんによると、コマは真円に切り抜かなくとも回りますが、軸となる楊枝の位置が重要だそうです。
人気を集めたコーナーのひとつに、埼玉県立岩槻商業高校による「夜光バッヂをつくろう!」があります。同高校の生徒たちが調合した薬品をキャラクターの型に流し入れることで蓄光性のバッヂが簡単に作れます。「作業中に唾などの水が入るとダメだからしゃべっちゃダメだよ」と講師の茂串圭男さんが説明するとみんなきゅっと口を結んで作業します。蛍光灯で15分ほど照らせば7時間ほどは光るそうです。友達3人で参加した吉原奈々花ちゃん(東深井小学校3年)は「ちょっと難しかったけどうまくできたと思う。今夜光るかどうか試してみます」と嬉しそうでした。
東葛飾高校の「科学マジック・科学クイズ」もたくさんの人を集めました。同高校で理科を教えている葛谷信治さんは第1回から参加しているそうです。上から水を注ぐと下から水が吹き上がる装置や、一定以上水を入れると底から全ての水がこぼれ落ちてしまう茶碗、本来であれば手を離せば床に落ちてしまうリングが落ちない物理マジックなど、「タネも仕掛けもある」マジックで会場を沸かせました。
続くクイズでは「金魚のひれは何枚?」「電気を一番通す飲み物は?」など身近なことがらを題材に4択から選ぶものですが、改めて考えてみると意外と難しいもの。残念ながら全4問を正解した人はだれもおらず、同高校の生徒に同じ質問をしても全問正解者は数人ほどしか出ないとのことです。葛谷さんは「身の回りには不思議がいっぱい。なぜ?どうして?と疑問に思うことが大切。見るのではなく観てみよう。いろんなものに興味をもって、ぜひ理科を好きになって」と呼びかけました。
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