「こんな小さな学校に来てくださってありがとうございます」。そんな風に子どもたちに迎えられたのは、流山市音楽家協会の皆さん。6月4日(月曜日)、福島県相馬市立日立木小学校を流山市音楽家協会の皆さんが訪問。子どもたちを励ますコンサートを開催し、全校児童から大きな拍手が贈られました。
今回の慰問コンサートは、ことし3月4日(日曜日)、流山市文化会館で開催した東日本大震災被災地復興支援チャリティ定期演奏会「2台のピアノ 華麗なる音の饗宴」の際に計画されました。同定期演奏会で得た収益金や会場に置いた募金箱に寄せられた浄財、そして協会からの寄付を加え、10万円を相馬市の子どもたちに絵本図書館をつくろうという3・11子ども文庫に贈られました。
日立木小学校は、全校児童が100人にも満たない小さな小学校です。有名人の慰問やマスコミの取材は、被災地の大きな学校に集中しがちで、なかなか小さな学校には来ていただけないと学校関係者が謝意を伝えると、音楽家協会の皆さんも「音楽でお役に立ちたいとずっと考えていました」と訪問の趣旨を伝え、演奏や歌を次々と披露していました。
流山市音楽協会からは、声楽家4人をはじめオーボエ、ヴァイオリン、ピアノがそれぞれ1人ずつの7人が2台の車で前夜から相馬を訪問。ベートーベンのメヌエットやモーツアルトの魔笛、そして、ロッシーニの猫の二重唱のために、流山から持参した猫の耳や魚の骨などを身にまとい低学年の子どもたちも楽しめる工夫を凝らしました。
寄付金が贈られた3・11子ども文庫は、被災後、世界から贈られた絵本を整理し、これを子どもたちに読んでもらう図書館をつくろうという運動で、相馬市の元校長や都内の版画作家などが関わって進めています。今年の夏休みにも、流山市生涯学習センターのギャラリーで、3・11子ども文庫設立に向けたチャリティ展が行われます。この展覧会では、相馬の子どもたちが被災直後に描いた絵画が展示される予定です。
コンサートでは、日立木小学校の校歌も全校児童と流山市音楽家協会と一緒に演奏し、歌われました。同校の体育館は、コンクリート壁のコンパクトなつくりで音楽にもぴったり。音楽家協会の演奏に合わせて、子どもたちが歌うビリーブ「たとえば君が 傷ついて くじけそうに なった時は かならずぼくが そばにいて ささえてあげるよ その肩を…いま未来の 扉を開けるとき アイ ビリーブ イン フューチャー 信じてる」という歌声が響きました。
同協会の里舘雅江会長は「協会内では子どもたちのお役に立ちたいという意見が多かったので、実際に現地にお邪魔して、直接、子どもたちと接することができてよかった」と感想を聞かせてくださいました。「握手してもいいですか」という子どもたちの申し出を快諾、ハイタッチをしながら会場を後にする子どもたちの笑顔が印象的なコンサートでした。
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