6月15日、江戸川台駅のギャラリーぶらっとえにしで、落語会「えにし寄席」が行われました。出演は、毎年新宿末広亭で年末の大トリを務めるむかし家今松さんをはじめとした3人の噺家。落語好きを唸らせるこの寄席を主催したのは、江戸川台地区住民有志。地域の落語好きの方が発起人となり、自分たちの手で落語会を開催するまでに至りました。
今回、観に来られた落語好きの方たちの多くは顔なじみ。ほとんどが、江戸川台駅東口にあった蕎麦屋「八十八」さんで行われていた落語会の常連さんです。年に3回から4回ほど開催していたという八十八さんでの落語会は、毎回常連さんで賑わう人気の寄席でしたが、2年ほど前に店主が腰を痛めたことで惜しまれつつも閉店。それに伴い落語会も消滅してしまいましたが、みな顔を合わせるたびに「さみしいねえ」と口を揃えるのを見て、「それならば私が」と腰を上げたのが常連のひとりの石川惠美子さんです。
石川さんが行ったのはまず会場探し。条件が折り合わずなかなか見つからずにいましたが、江戸川台駅西口にあるギャラリーぶらっとえにしのオーナー・矢吹浩二さんに話を持ち込んだところ快諾。また、八十八さんにも出演していた市内在住の噺家・おいけ家金魚さんに連絡し他の出演者などを決めていき、どんどん企画が具体化していきました。開催案内を八十八さんの落語会の常連さんへ送ったり、金魚さんがブログで紹介したり、矢吹さんのネットワークを使ったりなどしたことで、あっという間に定員40人を超える申し込みでいっぱいになりました。
当日は、高座もめくりも手作りの会場にぎっしりのお客さんが入り、噺家とお客さんが近い何とも密な空間に。おいけ家金魚さんがそそっかしい男が行き倒れの人に出くわし同じ長屋の住人と勘違いする「粗惣長屋」を、国立演芸場でも独演会を催す立川志遊さんは5升の酒が飲めるかどうかを賭ける大酒飲みのお噺で、志遊さんの飲みっぷりも見事な「試し酒」。同じく国立演芸場で独演会をこなし、円熟の境地のむかし家今松さんは富くじで大金を当てる「水屋の富」を演じました。
寄席が終わったあとは、八十八さんの頃からもお決まりの噺家を囲んでの座談会。八十八さんでは、おいしい蕎麦と蕎麦焼酎などが定番でしたが、えにし寄席では寿司や缶ビールなどで楽しみます。昔からの常連の女性は「会場は変われど雰囲気は変わりません。いつも一人で来ていましたが、今日も顔の知っている人ばかりでうれしいです」と2年ぶりの集まりを懐かしみました。主催した石川さんは「今後の開催は決まっていませんが、年一回でも続けていけたらと思います。」と目標を語りました。
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