3月21日(金曜日・祝日)、流山市文化会館で子育てサロンコンサート「あかちゃんから楽しむ“すっぽんぽん!”」が行われ、ご家族連れで賑わいました。乳幼児と一緒に生のコンサートを楽しもうと同会館で続けられているもので、今回で19回目。今回は、NHK-Eテレ「日本語であそぼ」でお馴染みのおおたか静流さんと、RCサクセションでもお馴染みの日本を代表するジャズプレーヤーの梅津和時さん、そして、流山市を中心に近隣にお住まいのお母さんによるブラスバンド「あっぷる隊°」によるコンサート。客席は満席でした。
あかちゃんが泣いても、子どもが歌っても踊っても、ステージも客席もお互いに気にしない約束のコンサート。会場全体が大きな家族になって、子どもたちをゆったり見守りながら“子ども騙し”ではない本物の音楽を一緒に楽しもうと企画されたものです。おおたか静流さんとお母さんブラスバンド「あっぷる隊°」による子育てサロンコンサートは、平成21年12月に初めて行われ、以来、流山おおたかの森駅での「駅ライブ〜おおたか静流、おおたかの森に舞い降りる」などに出演され、流山でもお馴染みのトップミュージシャンです。
小さな子どもさんが多いことから、開場から開演までの間には、フルートやクラリネットなどパート別にだれもが知っている曲を「あっぷる隊°」の皆さんが短めに演奏し、オープニングまでの待ち時間を飽きさせない工夫もされていました。あっぷる隊°は、流山の頭文字がNYであることや、練習会場の流山市生涯学習センターがTX「流山セントラルパーク」駅前にあることなどから、ニューヨークの愛称であるビッグアップルにちなみアップルパイと名付け、楽隊の「隊」に丸を付けた造字でパイと読ませて「あっぷる隊°」と命名したそうです。
この日のために、おおたか静流さんがラジオ体操の曲に詩をつけた「七つめの夏の長い旅」という歌は、「な」で始まる言葉を並べたユニークな作詞で、「流山」も登場。7歳の夏休みを歌った内容で、ステージでラジオ体操する出演者の顔に少しずつ墨が塗られ、歌い終わると「夏休みが終わって顔が真っ黒に陽に焼けしました」という愉快な歌でした。「あっぷる隊°」の指揮を執られた糸井満さんも曲が終わる頃には真っ黒な顔でタクトを振っていました。今回のコンサートに向けて2月から2度、おおたか静流さんと梅津和時さんが流山を訪れ、「あっぷる隊°」の皆さんと練習を重ねてきたオリジナル曲です。
「あっぷる隊°」流山を中心にしたお母さんたちによるブラスバンド。この日も小さな子をおんぶしながら元気に演奏しているメンバーの姿も見られました。「夢は親子で吹奏楽を楽しむこと」。今年結成7年目。初めておおたか静流さんと一緒に夢の舞台に立ったのは5年前。当時、幼稚園児だった細井敬汰くん、倖汰くんの双子のご兄弟も4年生に成長し、江戸川台小学校吹奏楽部に所属。今回はフルートとテナーサックスでお母さんと一緒に演奏しました。また、他の団員のお子様も手話コーラスや歌で一緒にコンサートを盛り上げました。メンバーの皆さんも「子育てには、授乳や抱っこと同じくらい音楽や絵本などの文化芸術が大切」と嬉しそう。
おおたか静流さんは、7歳よりクラシックの声楽家に師事し、Jazz、民族音楽の洗礼を受け現在のノンジャンルに至ったそうです。これまでにオリジナルアルバムを21枚リリース、映像、絵画、朗読、ダンスとのコラボレーション等、ジャンルや国境を越えた音楽活動を展開しています。即興のワークショップ「声のお絵描き」を主宰。12年目を迎えたNHK Eテレの人気番組「にほんごであそぼ」にレギュラー出演中。映画「千と千尋の神隠し」イメージソング「神々様」など映画音楽でも活躍。無形世界遺産のエストニア合唱祭に日本人として初参加したのをはじめ愛・地球博(愛知)、Volda University College「ヒロシマ展」(ノルウェー)など国内外のさまざまなフェスティバルに招かれています。
梅津和時さんは、サックス、クラリネット奏者。フリー・ジャズを中心に、ロックやクレズマー等、幅広い分野で活動。生活向上委員会大管弦楽団として1980年にメジャー・デビュー。RCサクセションのサポート・メンバーとしても有名になり、また、ご自身のバンドD.U.B.(ドクトル梅津バンド)を結成、ヨーロッパ公演を成功。D.U.B.と忌野清志郎の共演アルバム『DANGER』も話題となりました。映画「銀河鉄道の夜 I carry a ticket of eternity」などの音楽も手がけ、映画『河童 Kappa』では音楽に加え俳優としても出演されています。
3.11東日本大震災を受けて、仙台出身の梅津和時さんが書いた曲に、おおたか静流さんが詩を書き、「プロジェクトFUKUSHIMA!」に役立てられ、「これほどまでに胸がしめつけられる曲があっただろうか!」と絶賛されている名曲「東北」。“夕凪の砂浜で 声を枯らして歌ったね 会いたくて 会いたくて 名前を呼びつづける…”、この日は、作曲者である梅津さんのサックスに、作詞者であるおおたかさんの歌、そして、「あっぷる隊°」の演奏で披露され、客席では、思わず目頭を押さえる姿も多く見受けられました。
チラシを見て野田市からいらした高梨綾子さんは、「ちゃわんむしのうた」で梅津和時さんのクラリネットに合わせて、生後3か月の彩雪ちゃんが喋り始めたばかりの「あー」「うー」という喃語(なんご)をニコニコしながら声に出されたそうで、「音楽に反応している娘を新鮮な気持ちで眺めていました。次回のコンサートが楽しみです」と感想を聞かせてくださいました。ステージでは、「でんでらりゅうば」、「すっぽんぽん」、「ちゃわんむしのうた」などの子どもたちに大人気の歌も披露され、歌に合わせて小さな子は、椅子を降りて踊ります。アンコール曲では、客席の子がステージに上がって一緒に歌い踊りました。
流山市公民館の子育て応援事業は、今回の子育てサロンコンサートの他にも「子育てサロン」をはじめ双子や三つ子の「さくらんぼくらぶ」、幼児から小中学生を持つ保護者のための「家庭教育講座」などさまざまな事業が展開されています。5月11日(日)の「国際助産師の日」には、「お母さんのこころとカラダを癒す一日に」と題して、骨盤ケアや産後ヨガ、ハンドマッサージ、ミニ講座(「トイレトレーニング」「卒乳・母乳育児Q&A」)、相談コーナーなどが一般社団法人千葉県助産師会と流山市教育委員会の共催、千葉県や流山市医師会などの後援で開催されます。お問い合わせは、流山市文化会館04−7158−3462へ。
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