流山市文化会館で平成25年度保育ボランティア養成講座が3回連続講座で開催されました。1回目の1月31日は助産師の小路和子さんによる「みんな違う子どもたち 生まれてからの成長と個性」と題した講演がありました。小路さんは助産師として命の誕生に立ち会う傍ら、流山市では新生児訪問をし、母親の育児における悩みの相談を受けるなどママのサポートに力を注いでいます。また、公民館講座「子育てママのセミナー“あかちゃんといっしょ”」では初めてのあかちゃんを子育て中のママむけに、気持ちを楽にして子育てできるようアドバイスをしていただいています。
今回の講座のスタートでは母親の子どもを産む年齢が高くなっていることなどの変化についてにはじまり、卵子も赤ちゃんがママのおなかにいるときから出来ていて、赤ちゃんの成長とともに卵子も成長し年をとっているという話には受講生も初めて聞く話ですと、びっくりしていました。また、赤ちゃんが母乳を飲むときには持久走をするくらいの体力が必要となるため、母乳育ちのあかちゃんは疲れてすぐ眠ってしまう、そして唇と口腔粘膜はあかちゃんにとって心地よいものという助産師さんならではの話に納得。
保育するにあたってのアドバイスとして、ママたちに何か悩みがあったら共感する姿勢で聞いてほしいことと、こんな場合はここに相談したらいいよと情報を提供してあげてほしいと話していました。また、泣いている赤ちゃんは抱っこしてお尻や背をトントンたたくと子宮の中にいた格好なので安心することや、腹這いはバランスの取れる子になっていくので腹這いを好きな子にしてほしい、また、目を合わさない子、笑わない子、表情のない子は母親が心配、専門家の目が必要かもと伝えていました。
最後に、保育する人はまずは自分たちの健康が大事なので、年1回の検診は必ず受けてほしいと強く訴えていました。今、子宮頚がんや乳がんが増えていると訴え、自分の体と心を大切にしようと。最後に受講生は骨盤体操や肩のストレッチなどを教えてもらい、リラックスした雰囲気で1回目は終了しました。気持ちよかった、とさっぱりした表情の受講生たち。
講座2回目は2月7日に行われ、「なぜママと離れて保育?子どもも学ぶ保育室」と題して、NPO法人ネットワークBear代表古澤里美さんに講演頂きました。古澤さんは双子で生まれ、兄とは別々に、明治生まれのおばあさんに育てられたそうです。幼児教室に25年間勤務し、保育ボランティアをしていて学んだこととして、「泣く」ってことはこんなに素敵な自己主張なんだ、我慢して泣けない子がいる現実があり、泣けないことの辛さってあると伝えていました。
子どもって保育の「場の設定」によって力をつけ成長する、おもちゃをたくさん出さない、おもちゃはなんでもいいわけではなく、遊び方が限定されるしまうものではなく想像力をつけられるようなおもちゃやみんなで作ったり壊したりができるおもちゃ、積み木やおままごとなどがいいと話していました。子どもにとっては仲間が大切で、泣いている子もちょっと抱き方を変える、遊んでいる子どもが視界に入るような向きに抱っこするだけで他の子どもに興味をもち泣きやんでいくこともあると、経験に裏打ちされた話をしてくれました。
最後に保育者はまず自分の気持ちを大切にしてほしい、自分を大切にできる人は子どもの心も大切にできます。そして今、多くなっているDVは児童虐待に結び付いていきます。まずは母親がイヤと言えるようになってほしいし、子育て支援の基本としては、そこに関わる人がジェンダーを意識したうえで、母親役割を強要しないでほしいと話していました。
2月14日3回目の講座は、「子どもにかえってあそぼ!簡単、ドキドキ、ワックワク」と題して、NPO法人松戸子育てさぽーとハーモニーの石田尚美さんに講演頂きました。石田さんは平成13年の保育ボランティア養成講座第1期修了生で、流山保育ボランティアひだまりのメンバーとして、南流山ひだまりサロンを企画運営して現在に至っています。また、松戸の保育ボランティア養成講座も受講され、現在はNPO法人松戸子育てさぽーとハーモニー理事長として様々な子育て広場を運営しています。
今回はグループワークを中心に進められました。昔の遊びと今の遊びの違いをグループワークで出し合い、ゴム飛びや缶けり、だるまさん転んだなどがあがると、うんうん、あったよねとうなずきながら昔遊びの話で盛り上がっていました。外遊びの多かった昔は地域が守ってくれていた、今は異年齢の遊びは無くなってきていると、子どもを取り巻く環境の変化を説明。丁度いい遊びとはなんだろ。遊びには二つの方向性があると石田さん。自分づくりの遊び、自分の世界がある遊び、大人が口出しすることで阻害してしまうこともあると保育者にとしてのちょっとしたアドバイス。
石田さんはおもちゃの重要な要素として、主体的に遊べる、子どもが想像できる遊びをあげ、「きれいに並んでいるものって壊したくなるという子どもの気持ち、あるよね、大人はいかに見守ってあげられるかが大切」と話していました。また、広場はしつけする場所ではないので、ちらかったものは保護者が最後片づければいい、物は壊れるものと子どもも知ることが大切と伝えていました。完成されたおもちゃは決まった遊びしかできないし壊すこともできない、ということは想像力がつけられない、とおもちゃの大切さを話すと受講生は頷きながら真剣にメモをとっていました。今回の保育ボランティア養成講座は3回で終了となりましたが、受講生はまだ学び足りない様子で、次回への学習要望と同時に、自分に何ができるかはっきりしていないが何かしてみたいという、活動への意気込みも伝わってきました。この講座に関するお問い合わせは流山市文化会館電話04‐7158−3462まで。
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