中央公民館で、2月5日、NPO法人流山市国際交流協会(NIFA)と公民館共催の国際交流サロン「千葉房総の郷土料理 ”祭り寿司“づくり」が行なわれました。同協会の「日本語講座」に通う中国、ネパール、チリ、タイ、アメリカなどの外国出身者10人や協会員、広報を見てきた方たち合わせて35人の参加者が、千葉県房総に伝わる郷土料理「太巻き祭り寿司」づくりを楽しみました。
講師は、市内在住の「流山市農家生活研究会」の会員宇佐見友季子さんです。お米の消費拡大を動機に同研究会で勉強しているなか、千葉県房総に伝わる郷土料理「太巻き祭り寿司」を知り、房総地区の人に作り方を学び流山市内で「太巻き祭り寿司」づくりの普及活動を行っている方です。「太巻き祭り寿司」は、祭りや農家でのお祝いのために考え出されたものといわれ、冠婚葬祭などのご馳走として素朴な中にも温かさのつたわる料理です。
「太巻き祭り寿司」の特長である切り口の文様には、草花や人物、動物などいろいろありますが、今回作る文様は「さざんか」と「バラ」の花です。これらを選んだ理由は、「だれにも易しく失敗なくつくることができ、見栄えもする。しかも、食材は手に入りやすいもの。それで、はじめて作るには最適」と考えたからと講師は話していました。
最初に、図入りの詳しいレシピのパンフレットを配り、講師がそれに沿ってお手本を示しながら手際よく作り方の説明をしました。一グループ4班に分かれた調理台の上には、道具の「巻きす」のほかすし飯や海苔、卵焼き、文様に使う食材などが用意されており、食材は、講師が全て用意。卵焼きは「日本語講師」が前日焼いて準備しました。「太巻き祭り寿司」の外側を包む材料には、卵巻きと海苔巻きの二つがありますが、「さざんか」は卵巻き、「バラ」は海苔巻きとなっています。
はじめは、卵巻きを使う「さざんか」寿司。「花の部分」は、桃色のすし飯で細巻き海苔を5本つくり、中心に漬物ごぼうを挟んで5本を丸めて花をつくります。二枚の葉は野沢菜の漬物、茎には煮かんぴょうを使用。卵焼きを敷き、その上にすし飯を平らに乗せ、そこに、横向きに三本の土手をつくります。土手に海苔をかぶせて、手前から野沢菜、かんぴょう、野沢菜を入れ、そして平らにしたすし飯の真ん中に丸めた「花の部分」を置いたうえで、卵焼きを巻き込んでつくります。
「具材を入れる順番、位置を間違えないでください。文様がおかしくなりますよ」などと講師は各テーブルを指導してまわります。「寿司を切り分けるときは、くずれないように巻きすで押さえて切るといいですよ」とアドバイスをうけながら切ると、海苔が文様の縁取りになり見事に「さざんかの文様」を表しています。「わあー、うれしい」と思わずその出来栄えに歓声を上げて、周りの人に見せている方もいました。あちらこちらから「私のは、どう」などと声が上がり賑やか。
次に、外巻きに海苔を使う「バラの花」です。バラの花文様の部分を作ります。卵1個でつくる薄焼き卵を二枚長く敷いたうえに、桃色寿司飯と千切り紅ショウガをばらばらと散らし置いて、巻きすを使わず、手できつすぎない程度に丸めて「うず巻き」を作ります。巻きすの上に、外側になる海苔を置き、寿司飯を平らに広げ散らし、その中央に、バラの花の「うず巻き」を横向きに置き、葉になる部分は、それに沿って前後に菜箸などで3本の溝をつくり、溝に海苔を置き、野沢菜を並べて一緒に巻き込みます。巻き込むときのコツは、「巻きすを縦に持ち替えて、左右の手で寄せ込む」、「合わせ目で、うず巻き卵が外から見えないように海苔の合わせ目に寿司飯を補って海苔でかぶせることですよ」と指導があります。
はじめは、講師の手際のよい手さばきと作品の出来栄えに、うまく出来るのか不安と期待がありましたが、みなさん上手な出来上がりで、満足そうに切り文様を見せ合っていました。おわりに、講師は、「これを機会に、基本をマスターされたので、いろいろ工夫してさまざまな文様にチャレンジしてください。文様の食材も人参、ほうれん草、たくわんなどいろいろ使ってみるのも面白いですよ」また、「太巻き祭り寿司は、目で楽しめ、食べる人はもちろんのこと上手く出きるかと想像しながら作れるので、作り手も大いに楽しめます。子どもや孫に手伝ってもらったり、友人みんなとつくるのもいいですよ」と呼びかけていました。
「日本語講座」にはお子さん連れで出席しているが今日は義父に預けてきたというアメリカ出身の森田ケリーさんは、「きれいにできた。もったいなくて、見るだけ。食べるのはだめね」と興奮気味に話していました。タイ出身の渡辺さゆりさん「国にはない料理。楽しかった。今日は主人の誕生日なので、これで祝いたい」と上手にできた太巻きを見せながら嬉しそうでした。「帰りに、早速今日作ったものを福祉施設にお土産に持っていく」と年配の日本人男性、「孫と一緒に、手伝わせながらつくろう、楽しみだわ」と年配の女性、「子どもの運動会にでも、作ってあげよう」 と若い女性の方が話していました。
国際交流サロンは、日本と外国との文化を相互に理解しあうことで、市内にお住まいの外国出身の方々を含めた市民の交流の輪を広げることを目的に開かれています。これまでにも、外国出身者や市民の方々がお互いに講師となって、各国の料理づくりやお互いの文化などを題材にしながら交流を行っています。3月はお休みです。また、流山市国際交流協会では、市内在住の外国の方を対象とした「日本語講座」を、文化会館を会場に毎週水曜日に開催しています。いずれも、お問い合わせは文化会館(04-7158-3462)まで。
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