10月23日(水曜日)、流山市国際交流協会では、公民館との共催の日本語講座に参加している中国、タイ、ネパール出身の生徒など10人と、日本語講師10人の計20人で「江戸東京博物館」を訪れ、江戸、東京の歴史と文化を学びました。日本語講座では、年1回「体験学習会」として、教室外に出て日本の歴史や文化に触れる機会を設けています。
今回の行き先は、東京両国にある都立の「江戸東京博物館」です。交通は「つくばエクスプレス線」を利用しました。来日間もない生徒にとっては、電車に乗るのも勉強のひとつです。慣れている生徒たちは、乗車電車、担当講師を決めて、自宅から近い沿線駅で順次乗ってもらいました。
江戸東京博物館は、日本を代表する建築家・菊竹請訓の設計による、屋根を高床式で支えた形のユニークな大きな建物なのでよく目立ちます。建物の高さは、江戸城の旧天守閣の高さと同じ62メートルとのことです。
「江戸東京博物館」は、江戸東京の歴史と文化について、復元模型や資料によって楽しく学べる博物館で、展示は、大きく「江戸ゾーン」と「東京ゾーン」に分かれています。入口正面にある、当時の大きさと等しく復元した木製の「日本橋」を渡っていくと、「江戸ゾーン」の展示コーナーになっています。城下町としての江戸の様子が、武家屋敷や町人の家などの街並みが精巧な模型で展示されています。
香港出身の張さんは、大名が乗っていた籠の中に入り、「ずいぶん狭いのね」と感想を言いました。町の暮らしでは、下級武士や庶民の暮らしぶりが分かる棟割長屋や、江戸の華であった火消しまとい(纏)、畳に座って商売をしている様子が展示されている、現在の百貨店三越の元祖三井越後屋の模型などがあります。当時の大きさで復元されている芝居小屋の中村座の正面部分も見学しました。
「東京ゾーン」では、明治維新の頃の銀座のレンガ街や鹿鳴館の文明開化の様子などが展示されていました。イギリスの通りをモデルにしたという銀座の拡幅された大通り沿いに建てられたレンガ街の模型では、夜になるとガス灯が明かりをともすよう趣向が凝らしてあり、当時の人が文明開化を楽しむかのように行きかう様子が目に浮かびます。
当時のレンガ壁の一部が展示されているのを見て、香港出身の生徒は、「香港では赤レンガ街が今でも残っており、三階建てに高さがそろい、落ち着いた美しい街並みになっています」と教えてくれました。
鹿鳴館の模型では、建物の前面が開き、内部の舞踏会場が見られるカラクリになっており、NHKの大河ドラマ「八重の桜」にも出てくるような華やかな舞踏会の様子を見ることができました。そのほかにも、映像ライブラリーなどを見て楽しみました。
今回の見学は、江戸東京の歴史と文化に触れることのできた充実した1日となりました。日本語講座の生徒にとって、日本の文化の理解がまたひとつ深まりました。
国際交流協会では、外国出身の方を対象とした無料の日本語講座を、文化会館で毎週水曜日に開催しています。詳細は、文化会館(電話:04-7158-3462)へお問い合わせください。
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