「朗読劇 東葛のむかしばなし〜流山編」の発表会が7月20日(土曜)、流山市生涯学習センターで開催されました。原作は、流山で創作活動を続けられた詩人で児童文学者の故・おの・ちゅうこう氏の作品(絶版)。流山で出版活動を続ける地方出版の雄・崙書房が出版した「おの・ちゅうこう昔ばなし〜流山・野田編」を、東葛地域で劇団彩を主宰し、朗読活動を続けている梅田宏さんが演出・構成したものです。
星野富弘花の詩画集朗読会」から始まり、利根運河通水120周年を記念した「朗読劇利根運河物語」、東日本大震災直後に行った「朗読劇金子みすゞの世界」、被災地を忘れないようにと開催した「朗読劇宮沢賢治の世界」、生誕100年を記念した「朗読劇新美南吉の世界」、「地図に賭けた男 伊能忠敬」など多くの朗読ワークショップを企画してきた流山市生涯学習センターが、地元を見つめなおそうと半年間、練習を重ねてきたものです。
今回のテーマは、東葛地域で、古老から伝わる昔話の中から、流山を舞台にしたものを選びました。鰭ヶ崎の「目つぶしの鴨」。思井の「殿さまを助けた犬」、東初石の「オランダ馬哀話」、桐ケ谷の「朝ねぼう観音」、中野久木の「きつねの雨ふり」など流山に古くから口承されている昔話を朗読劇で発表しました。
出演は、伊藤靖代さん、古屋恵子さん、牧野ひと美さん、吉枡弥栄子さん、平石英利さん、守屋千春さん、吉田裕子さん、佐藤容子さん、いっちゃんら9人のワークショップ受講生の皆さん。 皆さんは、ことし3月4日から稽古を続け、この日の晴れ舞台を迎えました。目で台本の活字を追い、感情を入れたり、抑揚をつけたりして、声に出して読むという行為は脳の活性化にもよいと朗読劇ワークショップは人気プログラムのひとつです。
「目つぶしの鴨」の舞台となっている東福寺や「琵琶首観音」の名で親しまれ「朝ねぼう観音」のモデルとされている下花輪の旧西福寺観音堂(現在は桐ヶ谷の西栄寺に安置)の観音像などの写真が舞台に映され、昔話の舞台の現在の様子と、古老から言い伝えられてきた昔話を合わせて楽しめるよう工夫された演出となっていました。
「思井の犬塚」と親しまれ、小金城主高城下野守の愛犬「小金丸」を語り継ぐ「殿さまを助けた犬」。人間に化けたきつねがお茶を出し、人間が美味しそうに飲むが実は…というユーモラスな「きつねの雨ふり」。東福寺で延命地蔵や金剛力士像などと並び境内で目を引く「目つぶしの鴨」。江戸時代に幕府が東インド会社(オランダ)から輸入したペルシャ馬を放牧した小金牧で、その馬の死後、「オランダ様」と呼んで祀った石造馬頭観音の「オランダ馬哀話」などが次々と朗読されました。
次回の朗読ワークショップは、俳人・小林一茶生誕250周年を記念して“朗読劇「一茶ものがたり」ワークショップ”を企画しました。日程は、9月2日から来年1月27日の月曜日13時〜16時。発表は2月11日(祝日。午前中リハーサル、午後本番)。小林一茶は、流山で醸造業を営み、味醂の開発者のひとりと言われている秋元家5代目、三左衛門(俳号双樹)の元をたびたび訪れ「流山は一茶のふるさと」とも言われています。こうしたことから一茶の生まれ故郷・長野県信濃町と流山市は姉妹都市として交流を続けています。流山市在住の旅行作家・山本鉱太郎さんの書き下ろし台本を、日本演出者協会会員・梅田宏さんが演出します。お問い合わせは、流山市生涯学習センター04−7150−7474へ。
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