流山市生涯学習センターで開催中の「言葉を越えて〜自閉症の子どもたちとアーティストのコラボレーション」展の関連企画として、7月15日(月曜日)、ギャラリートークが行われました。今回の企画は、AOAartを主催する石原李華さんの活動に賛同・協力する仲間たちを中心に運営されています。AOAart(中国名「天真者の絵画」)は、北京市孤独症康復協会に所属する絵画療育プログラムで、同協会は中国の自閉症の人々を対象とした中国民生局に認められた民間支援団体です。
ギャラリートークに参加したのは、石原李華さん、流山市生涯学習センターで日本画を指導している藤島大千さん、ロンドンに留学中の下村雄飛さん、小林勇輝さん、フローレンスさん、韓国の又松大学トータルビューティー学科長の金教授らが参加。イギリスや韓国、中国、台湾、日本のアーティストたちが、それぞれの国の自閉症の子どもたちに対する理解や活動について語りました。
会場には、下村博文文部科学大臣のお連れ合い、下村今日子夫人をはじめ、中華人民共和国駐日本国大使館参事官・呂小慶夫妻、日本画家で文化庁「文化芸術立国実現のための懇話委員会」委員の藤島博文画伯、井崎義治流山市長らが駆け付け、若いアーティストたちの2時間にわたるトークを熱心に聴いていました。
井崎市長は、「言葉でコミュニケーションの苦手な子どもたちの心の中にあるパワーが、絵を通じてコミニケーションできる、しかも絵画的に素晴らしい色彩と素直な表現。自閉症の子どもたちの絵を通してのコミュニケーション運動の第一歩が、日本では、流山から始まりました」と絵画展や自閉症児への理解を呼び掛けました。ギャラリートークに授業の関係で参加できなかった飯泉あやめさんは、前日に撮影されたビデオで参加されました。
トークに先立ち、アーティストからの指名で井崎市長が自閉症の簡単な模擬体験をしました。井崎市長の分からない言語で話しかけられ、それを通訳役の方が井崎市長の耳元で、さらに分からない言語で説明するというものです。事前の打ち合せもなく急に指名されての自閉症模擬体験に「困惑しました」と、言葉でのコミュニケーションに頼っていることを痛感されたようでした。「言葉を越えて」という絵画展のネーミングは、こうした思いから下村雄飛さんが名付けました。
石原李華さんは、「5年間活動を続けて、ここまできました。自閉症の方々から元気をいただいています。ぜひ、お力を貸してください」と協力を求めました。下村雄飛さんは、「自閉症の方々の絵を観ていたい。制作過程も見ていたい。ずっと関わっていきたい」と語っていました。司会をされた藤島大千さんは、一人ひとりと今回の企画展の関わりなどを紹介しながら、ギャラリートークを会場を巻き込みながら進行していました。
自閉症の子どもたちが描いた幅4メートルの絵を冷たい壁ではなく、人々の温かい手によって街中で展示して見ていただこうという企画に参加した小林勇輝さんの苦労話。そして、絵を持ってくださった方々からメッセージをいただこと企画したフローレンスさん。韓国での最近の状況を報告してくださった金教授など国際的にも意義深いトークイベントとなりました。
ギャラリートークでは、地元ケーブルテレビのJCNコアラ葛飾や読売新聞、人民日報の記者の方々が取材にいらしてくださいました。流山市生涯学習センターで始まった「言葉を越えて〜自閉症の子どもたちとアーティストのコラボレーション」展の輪が全国に、そして世界に広がってほしいものです。展示は7月18日(木曜日)まで。ただし17日(水曜日)は休館。無料。お問い合わせは、流山市生涯学習センター04−7150−7474へ。
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