市内在住で世界的な万華鏡作家の中里保子さんが、アメリカで5月30日〜6月2日に開催された万華鏡大会でグランプリを受賞しました。中里さんの受賞は2年ぶり4度目。大会には世界から32人が参加し、そのうちの9人が日本人。その日本人作家全員の作品が揃った展示「新作万華鏡作品展」が、流山本町にある万華鏡ギャラリー見世蔵で7月15日(祝日)まで開かれています。
大会では投票によるグランプリ(People's Choice Award 2013)が4人選ばれ、なんとその3人が日本人。中里さんのほか、過去にも受賞している山見浩司さん、大会初参加ながら受賞を果たした北村幸信さんが選ばれました。中里さんの今回の作品は、日本の伝統である染め物の染色時に使われる「型紙」をテーマにしたもので、その名も「KATAGAMI Style」。職人の手で緻密に作りこまれ、西洋美術にも影響を与えた工芸品としての型紙に敬意を込めて、あえて英訳せずに「KATAGAMI」としたといいます。
色とりどりの華やかな万華鏡が並ぶなか、柿渋色の作品は地味に見え、外国で理解してもらえるか不安だったそうですが、「今の私が作りたいものを見てほしい」という思いで出品。大会では、型紙について解説した本の英訳コピーを置いておいたら、外国人の方に「私も同じ本を持っています」と声をかけられた場面もあり、世界の「KATAGAMI」を再認識したといいます。結果的には、見事4度目のグランプリに輝き「ほっとしました」と話しました。
「当時の職人の方がコツコツと彫ったところに力を感じます。平成に生きる私が時代を超えて、どうしたら新しい作品にできるかということを考えると楽しくて仕方ない」と話し、製作にとりかかると寝る間を惜しんでのめりこみ、万華鏡の中から漏れる光の具合や、オブジェクトと呼ばれる模様部分の回転具合などの細かな部分にまで妥協を許しません。
展覧会では、グランプリ受賞作家3人の作品をはじめ、大会に参加した日本人作家の出展作品や新作が見られます。どれも一般的な筒状の万華鏡とは違う、一見して万華鏡とは思えないユニークなものばかりです。松戸市から見に来た吉江和枝さんは「どれも素敵で見飽きません。覗いたときの模様はもちろん外観の美しさも目を惹きますね。ゆっくりと模様が変わっていくさまを見ていると気持ちも落ち着きます」とさまざまな変わった万華鏡を楽しみました。
6月30日には、中里さんと万華鏡コレクターの荒金純子さんが、作品製作の秘話や世界大会の報告、万華鏡の魅力、海外・国内の個性あふれる作家と作品を紹介するサロントークを開催します。場所は蔵のカフェ+ギャラリー灯環で、飲み物とケーキがついて1500円。見世蔵の問い合わせは04-7103-2817です。
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