6月22日、第1回市民環境講座が行われました。この講座は、市が市民団体「温暖化防止ながれやま(春田育男代表)」に委託して行っているもので、本年度1回目となる今回は利根運河の散策と森の図書館での講演会の2部構成です。運河駅に集合した約30人の散策会参加者をガイドするのは、利根運河の生態系を守る会植物調査班リーダーの柳沢朝江さん。運河駅から森の図書館までの約1.5キロメートルを約1時間かけて歩きます。よく晴れた青空の下、運河の緩やかな曲線美と、草や木の香りを楽しみながらの道のりです。
柳沢さんのお話では、利根運河は日本本来の在来種が多数確認できる野草の宝庫ということです。運河の川辺に見られる木には在来種の柳の木も見られます。柳の木というとしだれているものを想像するのですが、実はしだれているのは中国から渡ってきたもので、日本に本来生育しているのは枝が上を向いているとのことです。この日は天気も良く気持ちのいい風もあり、ちょうどいい散歩コースになりました。
森の図書館での第2部は3人の講師による講演会で、第1部参加の方も含め約90人の方で会場が埋まりました。温暖化防止ながれやま・春田育男代表の「地球温暖化と異常気象」の話に始まり、利根運河の生態系を守る会・田中利勝代表「川のネットワーク」のお話、東葛自然と文化研究所・新保國弘所長の「生物回廊・利根運河」と約2時間の講演をじっくり聴いていただきました。
春田育男さんは地球温暖化の影響は地域の気象に最も顕著に現れると言います。地球全体での平均気温が上がることで世界各地での異常気象が起こっていますが、日本でも竜巻や集中豪雨、逆に水不足や干ばつなどの気象変化による影響が起こっており、局地的に出現するのも特徴だそうです。春田さんは、ダイエットと同じで、まず自分たちの使用しているエネルギーや排出する二酸化炭素を測って認識するのが重要と、市がホームページで公開している「ストップ温暖化!ながれやま環境家計簿」、「ながれやま節電チャレンジ・2013夏」や東京電力がサービスしている「でんき家計簿」の紹介も行いました。
田中利勝さんは、利根運河の生態系を守る会を平成11年に結成し、利根運河の自然を50年後、100年後に残すための活動を行っています。田中さんは、野田・流山・柏の3市にまたがる利根運河の生態系や湿地を守っていくためには、3市の歩調を合わせた活動が必要と説きました。驚いたのは、利根運河を挟む利根川と江戸川には、スズキやボラなどの魚も遡上してくるそうで、利根運河も整備の仕方によってはこういった魚がのぼってくるようにもできるとのことでした。
新保國弘さんは、国土交通省関東地方整備局が平成25年5月15日に策定した「河川整備計画」の中で、利根運河等の河川環境目標を「コウノトリ等を指標としたエコロジカル・ネットワークの形成を促進する」としていることを紹介し、この目標は、「日本人の誇り(2010年 内閣府調査)」の第一位「美しい自然」に相通じるものです、と解説してくれました。歴史目的で運河を訪れると1回で満足してしまう人もいますが、「自然を目的に訪れると年間を通して何度でも楽しめます」と、たくさんのスライドを使って利根運河の自然回廊(かいろう)(自然地形、四季の風情(ふぜい)、動物たちの生き様(いきざま))の魅力を映し出してくれました。
講演会終了後には、流山産の朝採り野菜を参加者の皆さんに1品ずつ持ち帰っていただき、こちらも好評でした。第2回の市民環境講座は7月30日の「バスツアーで環境・エネルギー学習」です。流山おおたかの森駅から貸し切りバスで、国立環境研究所(つくば市)とアサヒビール茨城工場(守谷市)を見学します(用申込。参加費800円:昼食代ほか)。参加者の募集は「広報ながれやま」7月1日号で行いますので、こちらもぜひご参加ください。また、自治会や団体を対象に、温暖化防止ながれやまの皆さんが節電テクニックや地球温暖化のお話しをする「出前講座」も随時行っていますので、環境政策課 電話04-7150−6083へお問い合わせください。
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