三輪野山近隣公園に咲くあじさいが見ごろを迎えています。大きな木々に囲まれた小道に沿うように咲く、300株以上の色とりどりのあじさいを楽しめる三輪野山近隣公園は、あまり知られてはいませんが、知る人ぞ知るあじさいの名所です。「ここにいるとホッとします。大好きな場所だからずっといたい」と笑みをこぼすのは、あじさいの手入れを母親と二人でしている小谷まさ子さん(65)。近所に住む小谷さんは雨の日以外はほぼ毎日公園に通い、公園の管理を続けています。
小谷さんが子どものころには、公園ではなく個人の方が所有する山でした。地主の方から燃料となる薪をもらう代わりに、近所の家数軒で下草を刈ったり枝の剪定をしたりと、いつも山はきれいに管理されていて、子どもたちにとっても最高の遊び場だったそうです。時代の変化とともに薪は使われなくなり、それとともに山を管理する人はいなくなりました。大人になり実家を離れて暮らしていた小谷さんが実家に戻った1999年、荒れ果てたその姿に茫然としたといいます。
そこから小谷さんの挑戦が始まりました。「自分が知っている頃の姿を取り戻したい」一心で、ひとり背丈ほどに伸びた草を刈り、大量の不法投棄された家電を捨て、人が入れる状態にするまでに丸3年の歳月を要しました。そこからさまざまな花を植えはじめ、今では小谷さんの努力の甲斐あって、4月には3000株以上のシャガが、梅雨の時期にはあじさいが、あじさいが終わるとこの辺りでは珍しい山百合が花を咲かせ、その後オシロイバナが美しい季節を迎えるなど、時期ごとに違う花を楽しめるようにまでなりました。
小谷さんが公園に向かう姿を見て、今では花をくれる方がいたり、手伝ってくれたりする方もいます。手入れをしていると声をかけられることも少なくなく「皆さんにきれいになった公園を見てほしくて続けているので、声をかけていただけるのはうれしい」と目を細めます。ゆるやかなカーブを描くあじさいが続く道は、適度に勾配があり、歩いていて気持ちがよく散歩に最適な道となっています。「散歩をしながらきれいな花を無料で見られる。もっと多くの方に見に来てほしい。」小谷さんが丹精込めて育てたあじさいの見ごろは6月末まで。
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