2月末にひな人形のコレクションを見せていただいた宮園の鶴谷さんの宅で端午の節句にちなんで武者人形と、和紙人形作家の鬼人形シリーズを展示されていると聞いて、4月20日(土曜)、早速、お邪魔しました。お宅にお邪魔すると目に飛び込んできたのは2階から飾られた大漁旗。門扉には、鬼の人形。手づくりの展示会チラシが設置され、ご自宅が期間限定のギャラリーのように開放されていました。
武者人形は鶴谷さんのコレクションですが、創作和紙人形作家は、船橋にお住まいの作家・加々美和枝さんの作品。鶴谷さんが、展示会場で加々美さんの創作和紙人形を買い求めたことがきっかけで交際が始まり、鶴谷さんのお宅のひな人形展を加々美さんが見学にいらしたこともあるそうです。今回は、加々美さんの作品の中から鬼をモチーフにしたものを無料公開しています。
和紙は、洋紙と異なり組織のからみあいでできているため和紙独特の強さと風合いがあり、揉んだり、こよったり、染めたり、欠いたり、練ったりできる素晴らしさがあると加々美さんはおっしゃいます。加々美さんは「倭紙芸ひなび式和紙人形」宗家山岡草氏に長年師事し、その技術の高さをかわれ山岡氏没後、ひなび式和紙人形を継承し後輩に伝えています。こだわりの和紙を使って一枚一枚着つけ、デフォルメし、最後に顔の仕上げでは和紙の繊維を欠きとって表情をつけていくそうです。
加々美さんの作品は、毎年、東京都美術館で開催の公募展新構造展に出展されますが、今回、展示されている鬼剣舞は、厚生労働大臣賞受賞作品です。格子模様の「身ごろ」に赤い袖、紺地に白の竜胆模様の胸当、広口袴をはいて、白の帯に赤いたすきをかける鬼剣舞は、流山と友好都市で、災害時の応援協定も締結している岩手県北上市のものだけに流山市民まつりなどでもお馴染みです。
「鬼」がテーマの今回の自宅開放展示会。民話に出てくる鬼は、恐ろしい反面、「こぶとり爺さん」の鬼のようにフレンドリーな雰囲気を持っています。樹の皮で仮面を作り、海藻を頭髪とし、太鼓を打ち鳴らしながら寝静まる上杉勢に夜襲をかけ、戦わずして退散させたと伝えられている石川県輪島市御陣乗太鼓。加々美さんの数ある人形の中で、日本各地の郷土信仰の鬼を中心に展示されています。
佐賀県鹿島市天子神社の「音成面浮立」。鬼を仏の化身とする独特の宗教観に基づき、松明を持った鬼が参拝者に無病息災などの祈祷する大分県国東市国東半島に伝わる伝統の火祭り「修正鬼会」。そして、千葉県山武郡横芝光町虫生の広済寺に伝わる古典的地獄劇「鬼来迎」など、全国の鬼が登場するお祭りを楽しむことができます。
群馬県吾妻郡中之条町の獅子舞。愛知県東栄町で夜を徹して繰り広げられる花祭に伝えられる真っ赤な鬼。斧を持つ赤い鬼が父鬼、捻木を持つ青い鬼が母鬼、槌を持つ茶色の鬼が子鬼という奈良県五條市大津町の念仏寺の鬼はしり。ひときわ目をひく風袋を携えた風神と太鼓を輪形に並べて捧持する雷神など仏教美術の世界がユーモラスな表情の人形によって身近に感じることができます。
また、鶴谷さんのお宅にお邪魔した20日は、宮園自治会館では、親子連れの皆さんが鯉のぼりづくりを楽しんでいました。「みやぞの池と坂川を活かしたまちづくり市民の会」が主催したものです。「みやぞの野鳥の池」周辺は、いま、同会の皆さんが植えられた芝桜が見頃を迎えています。この日、つくられた鯉のぼりは、4月27日(土曜)から5月7日(火曜)まで坂川に飾られ、初夏の川風に泳がせる計画です。
宮園自治会は、さまざまな文化活動が盛んで、特に「宮園JAZZ楽会」は活発で5月19日(日曜)14時から宮園自治会館で「初夏のジャズライブ〜小林創とその仲間達」が開催されます。鶴谷さんご夫妻の共通の趣味もジャズ。特に、流山が生んだ世界的なバンジョー奏者の青木研さんを応援されていますが、7月14日(日曜)、生涯学習センターで青木さんを中心にバンジョーフェスティバルが予定されています。
一般公開・武者人形と和紙人形作家の鬼人形シリーズ
場所:流山市宮園2-12-8(宮園1号公園近く)
電話:04-7159-3412(鶴谷さん宅)
公開日時:期間は5月5日までの午前10時から午後4時(不在の場合がありますので、事前にご連絡を)。
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