4月7日(日曜日)、ギャラリー愉(ゆう)で、「フォルクローレ アンデスの響き」が開催されました。このコンサートでは、ゲストにフォルクローレギタリストの木下尊惇(たかあつ)さんを迎えて、地域の文化活動を応援する会N・W・Sノースウィング(高屋敷節子会長)が主催するミニコンサートのメインイベントとして行われました。この日は低気圧の影響で強風が吹き荒れる天候となりましたが、41人の方が参加し、立ち見の方も出るほどでした。
フォルクローレとは、日本では一般的に南米アンデス地方の民俗音楽を指し、「コンドルは飛んでいく」などの曲が有名です。演奏で使われるチャランゴとは、形がウクレレやマンドリンに似た小型の10本の弦を持つ弦楽器です。木下さんが演奏で使うチャランゴは木製のもの、アルマジロの胴体が使われているものなどがあります。
コンサートでは、オープニングで木下さん作詞・作曲の「虹のたもとへ」を会場全体で歌い、続いて高屋敷さんを始めノースウィングの方々が歌声と篠笛を披露しました。また、曲調の違う2つの童謡「ちょうちょう」と「朧月夜」を参加者の方に同時に歌ってもらい、別のパートにつられないよう自分のパートを歌うコーラスの難しさを遊びながら体験していました。
木下さんのステージでは、ボリビアの標高4,000mの街ポトシに伝わる、聖人が魔物を倒した伝説をもとにした「チュティージョ」や、アマゾンの上流のマモレ河でのロマンスを歌った「ベニの浜辺で」、ペルーの名曲「コンドルは飛んでいく」など全13曲を披露しました。その中でも会場の方に手拍子などで参加してもらった「ラ・マリポーサ」は会場が一体となり、大盛りあがりとなりました。
木下さんは小学生の時にアンデス音楽と出逢い、19歳の時に来日中のチャランゴ奏者エルネスト・カブールに誘われボリビアに渡り、10年間を過ごしました。その体験談やボリビアに関するお話を織り交ぜながら奏でる音色に、会場の皆さんは聴き入っていました。木下さんが奏でる音色は、チャランゴの10本の弦だけで演奏されているとは思えないほど広がりと深みがあります。チャランゴの音色や演奏法は、同じボリビアでも地域によって異なり、音も曲の印象も全く違うと木下さんは言います。
今回初めてフォルクローレ演奏をお聴きになった城内由美子さんは「日本人の方が実際にボリビアに行って音楽を学び、素晴らしい演奏と歌声を聴かせていただいて、とても感動しました。このようなコンサートが盛んになって、色々なコンサートが開かれるとうれしいです」と話してくださいました。また、桑原真理子さんは「今回初めてチャランゴの演奏を聴きました。チャランゴがアルマジロで作られているのを知り、驚きました。なじみのないものに触れることができてとても新鮮でした」と話してくださいました。
また、木下さんはコンサートなどの活動のほかに、平成23年6月から月に1回以上福島県に行き、自分の音楽で何か手伝えることがあればと、子どもたちと交流をされています。木下さんは「被災地を少しでも応援できればという気持ちで交流を始めました。福島の方々から元気をもらい、ありがとうと言ってもらえたことで、いつも自分の心の中で考えていた「音楽は世の中に必要なのか」という疑問がなくなりました。それから音楽に対する姿勢も気持ちも変わりました」と話してくださいました。そのような気持ちを持てたことで、福島のことを歌った「足跡に花ひらく 美しきふくしま」という温かい曲が生まれたそうです。
高屋敷さんは「街の人たちと、音楽の幅広さを共有できればと思ってこのようなコンサートを開いています」と話してくださいました。N・W・Sノースウィングでは、5月5日(祝日)と6月2日(日曜日)14時からギャラリー愉でミニコンサートを予定しています。6月2日にはゲストに篠笛奏者の山田路子さんをお招きする予定です。興味のある方は高屋敷さん(電話:047−445−0245)までお問い合わせください。
またギャラリー愉では、5月1日(水曜日)から26日(日曜日)まで、「鳥の写真展 スズメ・キジバト」を行います。お問い合わせはギャラリー愉(電話:04−7159−7764※月曜休館)まで。
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