11月22日(土曜)、流山市生涯学習センターのホールでNPO法人流山おやこ劇場による「松元ヒロライブ」が行われました。同劇場では、子ども向けの舞台鑑賞をはじめ子どもワークショップなどを続けていますが、今回は大人向けの舞台。流山市教育委員会などの後援を得て開催したもので、松元ヒロさんのステージは流山で5回目。固定ファンも多く客席は満員。松元さんがステージから「初めて観る方は?」との問い掛けに約3分の1の皆さんが手を挙げていらっしゃいました。
鹿児島実業高校や法政大学での学園生活や陸上部でのエピソードを盛り込んだ一人芝居による自己紹介で幕開け。ステージの上にハンガーや机、椅子などを置き、客席から見えるところで水を飲み、汗を拭きながら「ここは楽屋だからね。本当の楽屋に引っ込むと、その間にお客さんが帰っちゃうといけないから…」と笑わせます。
政治風刺ネタが多いコント集団「ザ・ニュースペーパー」を離れ、ソロ活動を続ける松元ヒロさんは、歴代総理大臣の物まねが得意で、この日も秀逸な物まねで会場を沸かせました。時事ネタや即興ネタも多く、今夏、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典において被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げられた城臺美彌子さんのエピソードを「漢字が難しくて…」と笑いに包みながら紹介しました。
今回のライブは、松元さんが敬愛するチャップリンの生い立ちや名作「モダン・タイムス」のエピソードを紹介。資本主義社会や機械文明を痛烈に風刺した映画で、労働者の尊厳が失われ、機械の一部分のようになっている世の中を笑いで表現している「モダン・タイムス」。自動給食マシーンの実験台にされるシーンや、チャップリンが歯車に巻き込まれる場面などは映画史上の伝説になっています。ラストのチャップリンとヒロインが手をつないで自由な生活を求め旅立つように道を歩いてゆくシーンは感動的です。
昭和初期から、戦争、高度成長、大量消費社会という時代の移り変わり。交通手段や家電から始まりパソコンやゲーム機、通信機器など機械によって人の心も変化し、かつて家族をつなぎとめていたはずの電化製品でさえ、やがて人々をバラバラにしてしまっているような気さえする今の時代に通じる名作映画をセンターの舞台で、たった一人で表現していきます。モダン・タイムスのさまざまなシーンが鮮やかによみがえり、改めてチャップリンの映画をゆっくり観たいと思わせます。パントマイムと軽妙な話題展開や流暢な語り口に会場は笑いの連続で、客席から大きな拍手が贈られていました。
今回のライブを主催したNPO法人流山おやこ劇場は、「子どもたちに夢を!たくましく豊かな創造性を!」を合言葉に、1986年に発足し、子どもたちにとって、より良い文化環境づくりのための活動を続けています。翌23日(日曜)には、流山市総合運動公園で体験劇場「げきじょうっ子まつり」を開催するなど舞台鑑賞に留まらず幅広い活動を展開しています。この日は、同じホールで午前中に青少年の健全な育成を願う推進大会が行われるなど、流山では育児中の保護者などを対象にしたNPOやサークルも数多く活動し、子育てや子どもたちの成長を支援しています。
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